たむたむ

デリシュ!のたむたむのレビュー・感想・評価

デリシュ!(2021年製作の映画)
3.6
「料理は芸術だ。」
フランスを舞台に、世界初のレストラン誕生秘話を描く実話に基づくドラマ。

1789年フランス革命前夜。自慢の創作料理を貴族たちから批判され、宮廷料理人としての仕事を失ったマンスロン。子供を連れて帰郷するが、弟子入りを志願する女性ルイーズとともに、一般人のための食堂を営むまでを描く。

これは料理ジャンルでも当たりの部類でした!
基本オシゴトドラマなのですが、中盤からサスペンスの様相を呈す意外な展開を見せ、終盤はホッコリ♡ラブ要素も(〃▽〃)
中世絵画を思わせる世界観や、食べ物を捉えた静止画は、まるでセザンヌ油画のように芸術的。

本作のタイトルは、フランス語で「美味しい」を意味する言葉でもあり、マンスロン自慢の創作料理名というダブルミーニングになっています。
小麦とバター、ミルクと卵を混ぜ合わせ、練った生地を円形の型で切り込み、薄くスライスしたジャガイモにトリュフを詰め、その上に三日月型の生地を重ね合わせ、仕上げに卵黄を塗って焼いたもの。その他の料理も現代の私たちから見れば、どれも美味しそうなものばかり♡

マンスロン役を演じてる俳優さんが、これまた美味しいもの作りそうなビジュなんですわ(笑)

でも当時フランスでは、ジャガイモや根菜を食べる風習が無かったらしく、それ以前に、料理自体が芸術品として捉われる節が強かったようです。皿をキャンバスに見立て、彩りや盛り付けなどを重視したスタイルは、フランス料理の美点として現在も受け継がれていますよね。

旨い料理は、貴族だけのものじゃない!
でも公爵が本当に恋しかったのは、マンスロンの作る特製マヨネーズだったのかも知れませんw
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