JunichiOoya

アンデス、ふたりぼっちのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

アンデス、ふたりぼっち(2017年製作の映画)
5.0
ペルーの高地でほぼ自給自足で暮らす老夫婦の人生の最終盤を淡々と映しとる秀作。

若い監督さんは自作撮影中に亡くなったとのことでこの映画がデビュー作にして遺作ですって。夫役は監督さんの実の祖父、妻役は監督さんの友だちの知り合いで、共に素人さん。流石に台詞は相当な棒読みです。そして結構大声(怒鳴り声)。

その訥々芝居にいつのまにか魅入られ映画世界に没入してしまう体験、これは貴重ですよ。

大元にある貧困、それにダメを押していく次から次への不幸の洪水。それが悲劇じゃなくて事実として見る者の目の前に提示されていきます。

地域映画=シネ・レヒオナルというそうでペルーのリマ以外、周縁部で制作される映画たちは彼の国で一定の力を持つそうです。この映画もスペイン語じゃなくて「マイアラ語」ということばて紡がれています。
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