まーしー

ブラック・フォンのまーしーのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
3.0
子どもの連続失踪事件が起きる閑静な住宅街。
犯人に誘拐された少年フィニーも、地下の暗室に監禁される。
ある時、部屋に置かれていた黒電話のベルが鳴り響いた——。

33人の青少年を殺害した連続殺人犯ジョン・ゲイシーに着想を得て制作された本作。
犯人を演じるイーサン・ホークの不気味さが随所に表れている。
仮面を着用し、上半身は裸……シリアスキラーの雰囲気が漏れ出ている。

そのシリアスキラーの魔の手から逃れようとする少年フィニー。
ここで鍵となるのが、監禁された部屋の黒電話と妹の予知夢。
この2つが少年フィニーの脱出/救出への足掛かりとなっている。

黒電話の話し相手と妹の予知夢は非科学的なものであり、ここが評価の分かれ目だろう。
犯人像はリアルさを追求しているだけに、アンバランスさは否めない。
ただ、私は、一種のSFホラーとして割り切り、受容した立場。
イーサン・ホークの怪演と、じわりじわりと少年フィニーに迫る恐怖、脱出できるか否かのスリルを味わうだけでも、本作は鑑賞に値すると思う。

公開前からイーサン・ホークの名前が前面に押し出されていたが、前述のとおり、ほぼ仮面を着用しているため、ファンには少し残念な演出かも知れない。