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もっと超越した所へ。のkassyのレビュー・感想・評価

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
3.9
試写会にて

根本宗子さんが2015年に作られた舞台を元に映画化。映画に合わせて脚本も再度根本宗子さんによりアップデートされている。

4組のカップルを部屋という密室における会話劇で描く。
舞台発らしいとてもミニマルな世界観ではあるが、会話がそれぞれ面白いので見ていて飽きない。

部屋はそれぞれ女性側の部屋であり、女性のテリトリーに男性側がお邪魔している状態。男性側は誰しも問題を抱えていて、所謂クズ男な部分がだんだんと露呈していく。

女性の描く男ってほんとどうしようもない!という作品はいくつもあるが、この作品の面白いところは、そのクズ男達をタイトル通り"超越"しているところ。

ネタバレしてしまうと面白さが減ってしまう映画なので詳しくは書けないが、
クズ男ってどうしようもない、というところで終わらないのが見ていて気持ち良い。
もしかしたら逆にモヤモヤする人もいるかもしれないが、女性側達が自立して自分で判断しているからこそスッキリするのだと思う。

また、舞台を映画化したことによる、舞台と映画の垣根も"超越"しているのが本作の面白さだ。

演劇的手法をを映画にぶち込み、演劇的リアリティと映画的リアリティをごちゃ混ぜにして昇華させている。

そして、映画内のとあるギミックが非常に効果的!実はこのギミックは舞台でのギミックはまた別にあり、映画は映画用に置き換えられているというのが痺れる。ネタバレなので詳細には書けないが、ぜひ実際に見て、やられた!という快感を味わって欲しい。

個人的には、趣里ちゃんと千葉雄大くんのペアが好きです。

男女のあるあるの普遍性に、時代性を盛り込んだ会話劇の面白さ。
男女の感情爆発しまくりで笑えます。
オススメ!






以下、アフタートークメモ

プロデューサーが大学生の時に舞台を見て、映画化したいと熱望した

キャスティングはまず前田敦子さんが決まり、女性側から決めて、男性側を決めた

オカモトレイジさんは根本宗子さん希望のキャスティング。この役をやってるところを見たかったそう。

根本宗子さん:菊池風磨くんがとあるセリフ(ダンス部関連)で女性を非難する言い方が最高。めっちゃムカつく。こういう嫌な役はやりたがらない俳優もいるのにありがたい

監督:菊池風磨くんが脱ぐシーンが多いのは、ある意味での自分の力の誇示。アピールできる所を見せてけている。

タイトルは内容から来ているのではなく、当時根本さんが演出の力が脚本よりも劣っている自覚があり、自分の力を超越したい、という気持ちでつけた。

舞台版ではラストのオチは資生堂のTSUBAKI

舞台版では例のギミックは◯◯が◯くだった。
(ネタバレのため伏せ)

監督が一番嫌なのは千葉雄大の役。しかし共感するのも千葉雄大。

根本宗子さんが付き合うとしたら三浦貴大の役。
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