困ったちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

困ったちゃん

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死んでもいい経験(1995年製作の映画)

3.8

シネ・ヌーヴォ/キム・ギヨン監督特集。満員御礼。

「下女」が気になってるキム・ギヨン監督の遺作。間違いなく観たくなる潔いタイトルからは想像できない未練たらしい三人の女たちの情念渦巻く物語。まるでその
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パン屋強盗(2014年製作の映画)

3.4

強盗に入るのにパン屋をチョイスしてしまった男の話。実話ベースということは、世界には収穫がわずかでも小さなパン屋にドロボーに入ってしまわなければならないほど困った方がいるんですね。

突然の襲撃に死んだ
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山の焚火(1985年製作の映画)

3.8

ひと目見たその日からずっと観たかった大好き臭プンプンのジャケットが良い。

自然と一体化した家族4人だけの山奥生活は、二人姉弟の弟が時折起こす問題行動に対する憂慮とともに”鬱々”“閉塞感”一色の世界に
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.8

スムーズに引き出されるワクワク感に満ちた前半。毛色の違う後半はまさにデッドオアアライブ祭り。2時間超えの作品をダレることなく睡魔ゼロのまま観せ続ける手腕に舌を巻く。

後世にも語り継がれる名作というよ
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ファウスト(2011年製作の映画)

3.7

アレクサンドル・ソクーロフ監督の権力者4部作のひとつ。映画の世界に◯◯何部作と称されるものがなんと多いことか。

ゲーテのファウストは勿論読んだことがある筈もないが、悪魔が高利貸の男に変更されているな
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火宅の人(1986年製作の映画)

3.9

深作監督初体験。

華がある当時の豪華俳優陣と懐かしく感じる昭和ドラマ的な撮り方に惹きつけられてしまった。

著名な作品とはいえ原作者の檀一雄は観賞後調べるまではよく知らず。作中にも出てくるけれど、太
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ハグ(2015年製作の映画)

3.8

友だちと。きょうだいと。ハグはよくするけど、知らない人とはちょっと…。

電話しながら買い物する男。兄弟のいざこざを気に病む彼の姿を悲しげに見つめるおばさん。

ハッとさせられる言葉とハグという魔法の
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プリズン・サークル(2019年製作の映画)

4.3

誰も犯罪者になるために生まれてこない。どこかで狂う歯車。暗闇のような間接的加担は、内輪差の如く軌道のズレを生み思わぬ大事故を招く。

以前から気になっていた官民協働の社会復帰促進センターという新しい取
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向かいの窓(2019年製作の映画)

3.6

窓辺モノにハズレなし。

向かいの窓に目を覆いたくなりつつも指の間から覗きたくなる光景があったら…。

偶然の一場面から始まる“覗き”はひとりでにドラマを組み立てていく。最終回は意外な展開と実物大感情
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別離(2011年製作の映画)

4.5

幕開け早々から引き込まれるが故に、観終わった後どっと疲れが押し寄せる。

気になる作品多いながら初鑑賞のアスガー・ファルハディ。イラン映画にはいつも“人間とは何たるか”という事に向き合わされてしまう。
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アルタード・ステーツ/未知への挑戦(1979年製作の映画)

3.7

ちょっとやってみたい…

奇才な人間の全感覚を映像体験!宗教と幻覚の関係性について長年研究してきた主人公エディが、深堀りし過ぎてあらぬ方向へ。すこぶる向学心はヤバい目に遭っても衰えることはなかった。
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雷の子供たち(2019年製作の映画)

2.7

本作を理解する域には自分はまだ達していないようだ。

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.8

確かにアブノーマルだけど、原題の方がしっくり来る。

35年暮らした普通の枠を大きく超える環境がマッド過ぎる!初めて外の世界に出なければならない理由も唐突過ぎる!ラストの状況が冒頭と違い過ぎる!「!」
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鬼の棲む館(1969年製作の映画)

4.0

「性の曼陀羅」以来の煩悩地獄。

血気盛んな男とその男をめぐって静かに火花を散らす美女二人の廃寺での訳ありな共同生活。そこに訪ねて来たひとりの旅の僧侶…

勝新の演技はともかく…四人の愛憎どろどろ合戦
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一年の九日(1961年製作の映画)

-

寝てしまった、、

上映会場でいただいた資料によると、この監督はモスクワの国立映画大学でタルコフスキーやコンチャロフスキー、テンギス・アブラゼらの逸材を育てたらしい。絶対いつかリベンジしたい。

A Sister(2018年製作の映画)

3.6

一本の電話で繋がる即席の姉妹。そこで交わされる即席の会話。緊迫感で集中力を大量消費。ラストがいい。

母親たち(2018年製作の映画)

3.8

女の祟りはヘビの千倍というのを聞いたことがある。女は女でも母親となると更にその数倍深くなる。

疑念に次ぐ疑念。同情、嫉妬、和解、背信…生き物のように姿を変える友情。

オープニングの匂わせ感にまんま
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ビリティス(1977年製作の映画)

3.6

詳しくないけれど、この年代のフレンチソフトポルノはこういった路線が多いような気がする。

冒頭の寄宿学校。あまりの可愛さに釘付けになった制服と自転車に見合わぬ思春期少女ビリティスのあれやこれや。

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MOTHER マザー(2004年製作の映画)

3.0

「トールマン」しか観たことないパスカル・ロジェ監督の評価が低くて逆に気になっていた作品。

不気味な屋敷、不気味な人たち、不気味な出来事…と不気味の要素がどんどんプラスされていった結果、収拾がつかず奥
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パプーシャの黒い瞳(2013年製作の映画)

3.7

2年前話題をさらった「ROMA」のようなウットリ系モノクロ映像に溜め息。

ジプシーという宿命ながら文字に魅せられ詩を詠み続けるパプーシャ。その彼女の誕生から文字を知ったが為に狂っていく人生の歯車を非
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ビニール袋の夜(2018年製作の映画)

3.5

まずタイトルに飛びついた。完璧じゃないゾクゾクするイラストもいい。

ビニール袋の暴走は、今まさに全世界で憂慮されているプラスティックごみの行く末を描いている。

元彼に望みを託そうとする好き勝手な女
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隣の影(2017年製作の映画)

3.8

非常に疲れる北欧映画。

おしゃれな家の隣人同士で些細な事から猜疑心戦争が勃発。その火種は四方八方に飛び散り、視野に入らない部分までも黒焦げにしてしまう。

救いようのない嫌な気分は最後まで持続。隣人
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BOYS/ボーイズ(2014年製作の映画)

3.6

オランダ映画と聞いただけでワクワク!

ジャケットを一目見ただけで爽やか少年の同性愛モノって分かってしまう。

女友達が絡んでくるあたりは「彼の見つめる先に」を脳内回想。揺れ動く10代独特の感情を若手
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

-

皆さん高評価で高鳴る期待…

しかし想像とは違い詰め込み過ぎた感じの的外れな物語に全くついていけず、キャラクターも好みではなく途中からけっこう無理して観てる自分に気づく。

2020年の東京オリンピッ
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春にして君を想う/ミッシング・エンジェル(1991年製作の映画)

3.6

邦題がちょっと意味不明。

北欧お決まりの曇天荒涼静寂風景。そこにやる事なす事注目が止まない田舎のおじいさん。しょっぱなから目を背けたくなるシーンに出くわすものの、時間の経過と共にそうせざるを得なかっ
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つながれたヒバリ(1969年製作の映画)

3.6

完成から約20年後ようやく放たれたヒバリたちに金熊賞。

俯瞰の鉄くず工場や工場内のポスターから伺える“労働”。自由を剥奪され張り合いのない労働を強いられながらも、小さな希望に喜びを見いだす彼らがとて
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人生、ただいま修行中(2018年製作の映画)

3.8

フランスの看護学校のドキュメンタリー。調べてみると、フランスでは看護大学なるものはなく看護の専門学校で学ぶらしい。授業スタイルはかなりラフな感じで、日本の学校が軍隊並の厳しさに思えた。学生さんの曇りな>>続きを読む

デッド・オブ・ナイト/夢の中の恐怖(1945年製作の映画)

4.0

はじめまして、とばかりにある屋敷を訪れた建築士クレイグ。そこに集う人々と挨拶を交わすうちに彼の表情がどんどん曇っていく。そこから始まる5話の不思議な話。

本筋に載せたどの話もグイグイ引き込まれる不思
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父、帰る(2003年製作の映画)

4.5

ロシア映画と聞くだけで何かしらの予防線を張ってしまうところだけれど、そんな憂慮は無用の金獅子賞も納得の忘れられない作品となった。

12年間父親不在で育ってきた兄弟の前に突如現れた“父親と思われる“男
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デルス・ウザーラ(1975年製作の映画)

4.1

最後の最後で黒澤明の名前。知らなんだ。

広大なロシアの大地を踏査する踏査隊とゴリド人猟師デルスとの出会いから別れまで。野生動物さながら偶然現れたデルスの風采と身にまとった超人的野生感覚とは反対にたど
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エイプリルの七面鳥(2003年製作の映画)

3.9

チープなジャケを甘く見ていた。原題Pieces of Aprilがいい表現。

できそこないのエイプリルが周りを巻き込みながら七面鳥の丸焼きを作る目的が徐々に明らかになるものの、招待される家族が誰一人
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