裕次郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

裕次郎

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お引越し(1993年製作の映画)

3.6

最初の三角形のダイニングテーブル。
なんだかアンバランスでいびつで、その後の家族の不協和音を暗示する。

中盤のアルコールランプからの、田畑智子のほとばしる怒り、やりきれない不満。
同じぐらいの年頃だ
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地獄の門(1980年製作の映画)

3.4

プロット読んで、どうせビヨンドと同じなんだろと分かりつつも、ゴア描写求めてつい観てしまう。

大体同じ。作品総体としてはビヨンド、人体破壊の悪趣味さはこっち。

あとはエンディング。似てるけどちょっと
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

馬とチンパンジーとUFOをどうやってつなげるんだろう、と推理力を働かせながら130分超。

示されたつながりに必ずしも納得しないけど、UFOの見方は新しいかもしれない。

ジョーダン・ピールは、過去に
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.5

冒頭はちょっと嫌な予感がしたというか、日本に寄せつつ日本でないナニカ感、もしくはAIに描かせた日本感が充満。

その不気味な谷もいつのまにか自然と超えてこの作品の独特の世界観が好きになっていく。

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野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.3

シェリーロとマルセイリーズの区別がつかず、個人的に混乱するも、脚本は悪くない。

もう少しツイスト効いてればと思うが、独自のゴア描写で補ってあまりある。

間伸びしたファンク音楽が惜しい。

刑事の名
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4匹の蝿(1971年製作の映画)

3.4

冒頭のハプニング殺人から最後の種明かしを紡ぐ糸はかなり弱く、納得感にかけ、不条理感すらあるが、その不条理さが恐怖倍加装置になるのがアルジェントの魅力でもある。

スローモーションのカークラッシュは素晴
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白い肌の異常な夜(1971年製作の映画)

4.5

クリント・イーストウッドが、12才からアラフィフまで4人の女にキスしてその気にさせ、誰に夜這いをかけるかの選択で異常な結末に向かう物語。

ダーティハリーよりダーティー!

ルチオ・フルチのザ・サイキック(1977年製作の映画)

4.0

導入部に最もショッキングな映像持ってきて、あとはジャッロにしてはオーソドックスなつくりのサスペンス。

幻視をモチーフにややこしい時系列にしていて、ある程度頭を働かせないと混乱する。

幻視→眼とオブ
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恐怖のメロディ(1971年製作の映画)

4.0

夏向けにホラーを連続で観てるけどいちばん怖かったかも。イーストウッドとジェシカ・ウォルターの顔芸対決。

13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.2

殺しのシーンは予定調和だけど、最後の方の
サイコを反転させたような構図が開示されるとけっこうゾワッとくる。

後のスター、ケヴィン・ベーコンもこの作品では早々とアボンされるのかと感慨深い。

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.5

ゾンビ映画の原点なので5.0をつけたいが、半世紀超のコピーの乱立を経て、Walking Deadみたいにゾンビ物の粋を集めたショウに慣らされた現代の目線ではどうしても希釈されて見える部分を割り引く。 >>続きを読む

スリー・フロム・ヘル(2019年製作の映画)

3.0

マーダー・ライド・ショー三作通して観ると残虐描写にだいぶ耐性はついてくる。

だいたい予期したタイミングで暴力が起こるから、心臓への負荷を下げやすいけど、滅多刺しシーンとかしつこく続くのは映画の文法的
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デビルズリジェクト〜マーダーライドショー2〜(2005年製作の映画)

3.6

マーダー・ライド・ショーが胸くそだったが、スリー・フロム・ヘルを観たくて我慢してパート2も。スリー・フロム・ヘルも単にポスターで観たいと思っただけなんだけど。

胸くそシーン対策で強めのIPAビール片
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マーダー・ライド・ショー(2003年製作の映画)

3.0

スリー・フロム・ヘルが観たくなるも、マーダー・ライド・ショーに始まる三部作と知らず一作目を鑑賞。

うーむ、エグい。エグさと悪趣味さでイーライ・ロスといい勝負だけど、こっちのほうが、コメディぽい味つけ
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モデル連続殺人!(1963年製作の映画)

2.5

オープニングは期待できた。登場人物多くて、不連続殺人事件みたいな。

絵も、ヴィスコンティの様式美を陰に反転させたようなのが格好いい。

いいぞ、さすがジャッロの初期の代表作ということで一体どんな異常
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サスペリア(1977年製作の映画)

3.8

表向きはバレエ学校のホラーハウスで、アメリカ娘が怖い目に合うっていう設定がいい。

IMDbによるとアルジェントは当初、U12の少女たちで製作しようとして却下されたらしい。また後半出てくる怖い人は路上
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ビヨンド(1980年製作の映画)

4.0

ストーリーは普通だけどビジュアルがすごい。クローズアップとフォーカスでしつこいほど描く人体破壊。映像に合っているんだかいないんだか分からない音楽が恐怖を加速させる。

荒木飛呂彦も相当影響受けたんだろ
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キス・オブ・ザ・ドラゴン(2001年製作の映画)

3.8

シンプルなストーリーの王道アクション。
ジェット・リーのキレのいい動きと純朴さが滲み出る演技。ブリジット・フォンダとの、ピュアでミニマムなロマンス。

悪役がフランス人で主役が中国人のフランス映画。こ
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.0

こういうの見ると、一般フィクションの正義感や利他主義の作り物っぷりが際立つ。

実際にはほとんどの人間はこの作品の登場人物みたいに、何か有事があると自己保身、嘘や沈黙を選択する。

自分もしくは自分の
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北の橋(1981年製作の映画)

4.2

オジェ親子共演、撮影W.ルプチャンスキ、音楽ピアソラ。これだけで観る価値あり。

水曜レイトショーで、仕事疲れからぶっちゃけ欠伸噛み殺してはいました。

しかしこんな壮大なレア実験作のデジタルリマスタ
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ファーザーズ・デイ/野獣のはらわた(2011年製作の映画)

5.0

父の日に鑑賞。
タイトルから連想する父親的な世界からかけ離れたスプラッタゴア。

大好きである。減点要素見つからず5.0。毎年この日に観たい。

セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

5.0

思えばもう20年ぐらい前?に蓮實重彦の本でこの素敵なタイトルの作品の存在を知り、ついに観る機会がなかったが、ようやく。

諍い女や修道女と違いポップでサイケ。展開の全く予想できない楽しさ、型破りな時間
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

久々の映画館。

傑作。ある部分までリメイクでもあるがそれはあくまでオールドファンを喜ばせる演出で、決して焼き直しでないフレッシュさ。

トニスコのテイストを極力残しながら、オリジナルに囚われ過ぎず、
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ライトハウス(2019年製作の映画)

2.0

オマージュと技巧、古い精神分析。演技は迫力あるけどしらじらしくもある。
ポーへの愛は伝わるが、懐古主義を越える何かを感じる作品ではなかったなー。

20世紀ノスタルジア(1997年製作の映画)

1.5

最初はエモくてそこそこ見れるんだけどなー。30分もするとエモいがサムいに変わって、それが覆されることなく終わる。93分がひたすら長い。

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

3.8

チープなファンタジーだけどまぎれもない相米印。OPの帰れない二人、映像殺してないかと思ったけど、作中繰り返しアレンジを変えてヒロインの伴奏曲となり、結婚式二次会シーンのジャズダンスアレンジでは、もうこ>>続きを読む

女高生100人 (秘)モーテル白書(1975年製作の映画)

3.2

ソネチューの中では普通の出来栄えか。
全体の完成度より、断片を味わいましょう。

女子高生に目線入れたカットつないだタイトルバックが格好いい。クレジットないけどコスモスファクトリーだよなー、あのアシッ
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仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)

4.0

4/5作目だが、初代から脚本書いてきた笠原和夫にとっては最終作。ということで区切りよい終わり方をするけど、後味は決してよくはない。

個々の暴力シーンはヤクザ映画として興奮を覚えるが、その終わらない応
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デコトラ★ギャル瀬菜(2010年製作の映画)

3.5

たまたまドライブマイカーの次にランダムチョイスした作品が車をモチーフにしたものだったけどその対称性が面白かった。

サーブに対して下品なデコトラ、浮世離れしたキャラクター造形に対して、セクシー女優演じ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

2.0

個人の感想だけど観なくてよい作品だった。
村上春樹全開の台詞が不自然さしか感じない。なんか感覚が古い。登場人物が自意識過剰で気持ち悪い。

もちろん撮影技術と俳優はいいし、個別に切り取るといいショット
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.9

ポン・ジュノ作品観たのはグエムル以来か、げっ、すごい時が経過している。韓国映画自体それぐらいぶりかも。

奥様役の方が可愛らしい。娘役も。十年以上ぶりに見ると韓国の女優の顔立ちも変わった印象。ちなみに
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野獣死すべし(1980年製作の映画)

4.0

優作by村川透作品のなかではかなり異色。
優作にコミカルなところがまったくなく、怖い。
ヒロイン小林麻美との行く末や鹿賀丈史とのコンビがかなり予想外な方向にいく。

後半の電車シーン以降一気に爆発する
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狂った果実(1956年製作の映画)

3.0

兄弟の三角関係。
ヨットとナイトクラブ、ジャズ、ウクレレ。
タイトル格好いい。武満の音楽。

滑舌が独特でなかなか台詞を聞き取りづらいのが難。

仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

4.0

広島死闘編までしか観たことなかったので、完結編まで行きたい。

折り返し地点の本作はヤクザもののスジとは何か、盃とは何かに焦点を当てている。シナリオはなかなか複雑で、打つ手打つ手が、オセロみたいにパチ
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血ぬられた墓標(1960年製作の映画)

3.4

ゴシックホラーの古典。

観る環境も合わせる必要があると思う。
たかだか90分弱の間SNSを断つ、酒は飲むなら赤ワイン。

陽炎座(1981年製作の映画)

4.1

松田優作を見たくて観る。
清順の映画だなあと気づく。
泉鏡花を読みたくなる。

繰り返し鑑賞したい作品。