【ハッピー・ラヴリー・ムービー】
フィンランドは実在するおとぎの国なのだろうか・・・
【反復】
ナレーションと文字の組合せのオープニングが面白い。「コンポジション」のようなカフェ。チュニジアのポスターはカフェにすでに貼ってある。チュニジア行きの準備は完了だ。反復される迷路や毒殺、そして>>続きを読む
【革命資金はママからの小銭】
『アングリーインチ』の監督作品だから、なんとなく『ノーザン・ソウル』のパンク・コメディ版なのかと思って観たら、けっこう遠い場所へ運ばれた。”アメリカ人でカルトなんだ”とい>>続きを読む
【あの頃の未来】
バイクのテールランプの光りの帯や、鉄雄が覚醒して見えないくらい多数のコマでフラッシュフォワードが起こるシーンなど映画的な見どころも多い。大友ワールド全開の混沌、破壊、疾走の世界。
【すべてが語られる迷い道】
ボリスと名のる男が、深い森の中を逃げている。なにやら場違いな背広姿だ。追手の姿はなかなか画面のなかで交錯しない。まるで追われてもいないのに一人で逃げているかのようだ。
ジャ>>続きを読む
【あなたの出世のために】
歌舞伎役者のために人生のすべてを捧げる女性。捨て身の物語には傑作の迫力がある。
この作品は画面の外の声が聞こえるシーンで重大なことが決まったり、背景の音楽(例えばお囃子)が頻>>続きを読む
【四人の女を結びつけるもの】
朝の樹々が映り、女性の寝顔。急に歪む。姉、妹、アンナがいてくれると日記に記す。あとは美しい部屋へ閉じ込められたように物語が始まる。
病気、死、見せかけの関心、不幸な結婚生>>続きを読む
【俳優がカメラを】
覗き込む。芝居をしていますよ、あなたが観ているのはフィクションですよといわれているようだ。暗闇で覗いていると思っていた相手からまっすぐに見つめられたように。
本作は①作家たちのいる>>続きを読む
【ビーチがあれば】
映画ができるといったところだろうか。
エリック・ロメールは『緑の光線』では、一人ではバカンスは嫌、パリに残るのも嫌という女性の話しだったが、本作の女性二人はバカンスに恋の予感や本当>>続きを読む
【ひとりにしないで】
年齢の離れた夫の妻、真面目な若者、若者のことを好きな女性という関係は、同じ増村監督の『妻は告白する』にも通じる設定。
本作はそれに加えて、日露戦争、村社会、差別などの要素も加わっ>>続きを読む
【寓話】
”キリストさん”と呼ばれる教授、パン屋で働くゼリンダ、村の人々の交流を描く。
ゼリンダが川の土手を嬉しそうに降りていくシーンは気持ちが伝わってくる。冒頭の校内そのものが美しい。全編を通じて印>>続きを読む
【反復】
音楽や詩歌にはリフレインが多用される。
映画では記憶がよみがえるようなフラッシュバックにごく短い時間で使われることが多い気がする。反復を映像で効果的に使いこなすのは難しいのかなと思っていた。>>続きを読む
【どこまでいっても男の子】
暗闇に一瞬の閃光、そしてまた暗闇。冒頭の20分がとても好きです。
メーテル、ハーロック、エスメラルダ、黒騎士には鉄郎の知らない時代があり、命がけで戦っても、メーテルからみ>>続きを読む
【なりすます】
それを詐欺師の手口だと思うだろうか、あるいはそれは演技のことを語っているのか。
本作の怖い点は、詐欺とされる行為が、誰かになりすます演技を披露することで成立している映画という芸術に限>>続きを読む
【大人のための】
落語の『死神』を思い出した。死神に言われた約束を守らなかったため、自分の助けた何人もの患者の延命させた分の寿命を全部自分の寿命から差し引かれる男の話しだ。
その落語『死神』も実はグリ>>続きを読む
【彼女がそこに居るだけで】
絵になってしまう。ところどころコミカルでなりゆきに見える演出も持ち味がでている。カメラワークも手前に障害物をぼやかせて映したり、ガラス越しの会話のシーンなど面白い。セルジュ>>続きを読む
【疾走感】
好きなことを見つけてからの全力疾走。曲が鳴っているときだけ生きていると感じたのかもしれない。
【温かい視線】
「一組の夫婦の姿を描く」と書かれている作品なのだけれど、カメラが活き活きと映しているのは、漁村の漁、祭、若い娘の恋の方で、彼らの方が主役だったように感じました。
冒頭のシーンを観るだけで、キートンはジャッキー・チェンだったのかと思うような運動神経。必見。
【渾身の演技】
パピヨン(蝶)という美しい名前のこの作品は囚人の話。パピヨンは欺かれる男である。犯していない殺人の罪で流刑地ギアナへ送られてきた。パピヨンは信頼される男でもある。囚人仲間、隔離された島>>続きを読む
殺意を持っていたか、自分の命を守ろうとしただけなのか、どこまでが計算なのか。捨て身に見えるのは演技なのか。登場人物の若い男(ハンサムな川口浩さん)にも、観客であるわれわれも、なかなか分からない・・・。>>続きを読む
一緒に映画を観にいった人は本作を絶賛していた。
自分は何かを見落としているのかと自問する。パートナーとの事も含めて、愛されたい、そのままで認めてもらいたいという娘と母の葛藤のドラマのように受け取ってし>>続きを読む
人間とレプリカントの違いは、人間の方が力が弱く、ケチなプライドを持ち合わせていて差別的だ、ということしか僕にはわからなかった。はやくレプリカントになりたい、メーテル。
映画音楽といわれて、すぐに思いつくのはエンニオ・モリコーネとミシェル・ルグランくらいなので、ハリウッドの映画音楽の世界の広さに驚くばかりでした。同時に、音楽の演奏されている時間が100分以上という作品>>続きを読む
スコアはそれほどは高くない、でも嫌いじゃない作品ってあるけど、本作は僕にはそんな映画でした。
親子、恋人、兄弟、友人、夫婦というものに真正面から向き合っていそうな映画は、普段避けている気がするのだけど>>続きを読む
車をめぐる映画だけど、すべての車が停まり静けさが宿り、鳥のさえずりが聞こえはじめるシーンが印象的でした。ユロさんは例によって軽妙で、いつも以上にひとに親切だったかもしれません。
マルチェロ・マストロヤンニが演じることで品を保ちながら作品にした感じだけれども、残念ながらどっちつかずの印象。
心理的な葛藤はあったけど、わりとあっさり乗り越え、ナスターシャー・キンスキーのいわゆる体>>続きを読む
うさぎが好きだった。
本作の興行で生きる者たちの哀しみを情感的にならずに描いている点が印象的だった。ショーウィンドウの人形そのもののようだ。
TV『探偵物語』を好きな方にはお薦め。松田龍平さんはこの映画の父上によく似ていると、親戚でもないのに言いたくなる。
クリストファー・ロビンはどこまでいっても優しい男だった。人生の危機だった。これはドラえもんなのだろう。クリストファーの危機を救いにきてくれたんだね、きっと。
美男ジェラール・フィリップとタイトルの通り美女たちが登場するドタバタ・コメディー。マガリ・ヴァンドイユが夜に窓をじっと見上げているだけで、画面が明るくみえるかのような。
映画はもともと演技だから、登>>続きを読む
クロース・アップ、スローモーション、水、風、光、煙、氷。ただ観てうっとりしていたい。
好きな作品だけど、変えてもいいなと思う点も結構ある。メリハリをつけても良かったかなと思う。基本、クロースアップの>>続きを読む
ヴェンダース作品といえば、ロードムービー、家族、さすらうことが思い浮かぶ。『パリ、テキサス』(1984)、そのものずばり『さすらい』(1975)という邦題のついた作品もある。
1973年製作の本作も>>続きを読む
キアロスタミ作品の『友だちのうちはどこ?』でも宿題の厳しさが発端だった。少年は走った。友だちのネマツァデが罰を受けるのを心配して。
本作はキアロスタミ監督の質問に子どもが答えるショットと子どもを映し>>続きを読む
(たぶん存在さえしないのだろうけど)ここではないどこかへ思いをはせている。
悪友からでさえ、お前もうすぐ高校なのに、深海魚だの超魚人だのってと呆れられる。
(ごめん、悪友くん。とっくに大人なのにそう>>続きを読む