市民権を得るために高級娼婦となって国中をかき乱すイェレーナ・パノーヴァ。90年代の情緒不安定な欧州映画、エロスと不条理とブラックコメディを行ったり来たり、監督シュミット、撮影レナート・ベルタ、すなわち>>続きを読む
どん底で邂逅した2人、みたいなヒリヒリした話に滅法弱いので腹痛・眩暈・吐き気などの症状に見舞われながらなんとか観た。頼むからバッドエンドにならないでくれ~~~と小学生みたいなことを考えながらの鑑賞だっ>>続きを読む
リベラル左派の学生たちが意見の合わない論客をバンバン殺していくとても好景気な映画。冒頭チラッと映っただけで絶対コイツがラスボスだと分かるロン・パールマン(インテリ)の圧倒的なオーラ。性教育なんてやめち>>続きを読む
デパートを舞台にしたほろ苦い人情喜劇的なドラマかと思いきや、新社長が改革を重ねるにつれて絶えず喧騒が飛び交う途方もなくシニカルなコメディで素敵。デパートを飛び出てバンジージャンプ、ヌーディストビーチ、>>続きを読む
職人が異国の事情におどおどしながら仕事に取り掛かる導入が『バートンフィンク』ぽくてとてもイイ。捗らない仕事、ぶった切られる野菜、一向に貰えない旅費、何度も這い上がってくる蜘蛛とニューロティックな不条理>>続きを読む
閉鎖されたオフィスビル、終盤のカタルシスを引き出すためにこれでもかと降りかかる不条理、社長を殺すために各界の幹部を倒してキーカードを奪わないといけないRPG的な荒唐無稽さ、タイトスカートで暴れるサマー>>続きを読む
夜のニューヨーク、高層ビル群、生温いセキュリティ、とってつけたようなロマンス、手頃な裏切り、キャサリン・ゼタ・ジョーンズの着衣プリケツ、こういうのでいいんだよ要素満載の90年代ハリウッドの代名詞。どこ>>続きを読む
新シリーズに入って、自分が一番苦手とする人間と動物の友情モノみたいな色が濃くなってきてしんどいんだけども、クレアの下半身が爆発寸前だったのでとても良かった。海の恐竜モノで1本撮ってほしいほどアガる深海>>続きを読む
映画好きになりたての頃から現在まで一貫して信頼できる作家の一人であるアラン・パーカー。キャストが全員子供のマフィア物というだけで今まで観なかったのを後悔。映画はエンターテイメントという原点に引き戻され>>続きを読む
ジャケットから察するに、業火の砂漠に無数のアンドロイドが現れ世界を賭した頂上戦、みたいな大仰のを想像していたら、ほぼアパートの一室が舞台でキャストは5,6人というあまりのスケールのショボさにゲラゲラ笑>>続きを読む
深夜の屋内プール施設が舞台のスラッシャーということで期待せずにはいられないんだけど、この監督はホラーにもサスペンスにも感興がないらしく、全シーンもれなく締まりがない。覆面を取った犯人の登場シーンにもセ>>続きを読む
歴史の闇に埋もれた陰惨なテーマを静謐なモンティ・パイソン風に調理したイオセリアーニ渾身の歴史コメディ。時代が変わろうとも演じる俳優が同じという寓話性は言わずもがな。人間の醜さを牧歌的な史劇で包み込むオ>>続きを読む
向かいのマンションを覗くためだけに建てましたと言わんばかりの宇宙ステーションみたいな前衛建築、そこから覗くメラニー・グリフィスの妖艶(妖艶か?)なダンス、迷宮感溢れるデパートでの邂逅、唐突にポルノ業界>>続きを読む
炎越しに女を窃視する精神薄弱のストーカー。実はそれ以上にヤバい女(メンヘラ)は男を家に招き入れコーヒーを振る舞い、身の上話のマシンガントーク、終いには「これは運命的な出会いね」。そんな女を溺愛している>>続きを読む
一家惨殺事件のあった豪邸で執筆をする作家と間借りした謎の男の心理戦。というとオゾンみたいなのを想像しがちなんだけど、どこを切り取ってものっぺりしていて面白みに欠ける。トム・サイズモアの精神薄弱男っぷり>>続きを読む
リンチ+クローネンバーグ+黒沢清な初期レフンの不条理モノ。妻殺しの犯人を追ううちにタトゥーロが迷宮に囚われていくよくある話だけど、『バートン・フィンク』からごっそり拝借したような薄気味悪く真っ赤なホテ>>続きを読む
ルーヴル美術館の向かいに住むソフィー・マルソーは祖母と二人暮らしだったが祖母が急死し、たまたま現場に居合わせた電気屋と良い仲になりセックスに励んでいたら衝動的に彼の首を絞めてしまう。そしてマルソーは呟>>続きを読む
ラジオ局の楽日に漂う日常感と諦観、『バード★シット』のサリー・ケラーマンを思わせるヴァージニア・マドセンの色気、幻の女とフィルム・ノワールへの郷愁、小気味良いカントリー&ウエスタン、パンツ一丁でくたば>>続きを読む
トンネルを抜けると無人区でした、という前半の描写がどれも素晴らしい。深夜の高速道路、マンション、橋、定食屋、全部無人。楽し!そのまま夜の街を謎の集団から逃げ惑うホラーなら言うことなしなんだけどそうもな>>続きを読む
ジョン・ハフのキチガイ一家モノ。アメリカン・ゴシックはグラント・ウッドの絵画の題で、ニュアンス的には現代人のモラルの低下を嘆く老夫婦の肖像。だからこの映画でも当然モラルが欠如した若者がゴシックに殺され>>続きを読む
同じ性癖を持ったグループのメンバー同士、興奮し次第誰彼かまわずまぐわう節操の無さがエロいですね~~~と思うのだが、肝心の濡れ場はまったくエロく撮らないのがクローネンバーグの変人たる所以。なのに出てくる>>続きを読む
キング原作の中でもかなりダメなやつ。たとえTVMと言えど傑作はいくらでもあるので言い訳にはならない。3時間通してホラー演出がデカい音でビビらせるだけという芸のなさ。そのくせ母親を集団レイプしながら目の>>続きを読む
シオン主義の退役軍人、フェミニスト、ニヒリスト、レイシスト、ファシスト、ペドフィリア、露出狂、ポルノ王が住むロスの片田舎で、ヒッピー崩れで平和主義者のボンクラが町一番の変人扱いされている脅威の説得力。>>続きを読む
ジョン・グッドマン良すぎる。ジョン・グッドマン良すぎない?パーソナル・スペースを侵略してくる隣人から聞き上手の営業マンへシフトする自然さと気持ち悪さ。悪夢的ホテルもモロ好みで大満足。ブシェミフロントマ>>続きを読む
冒頭、葛の木に覆われた屋敷と精神を病んだ女性。「君は目を酷使しすぎたんだ」意味深な台詞からの唐突な回想、ロザンナ・アークエット若返り。すばらし!酔っ払い親父の商魂につき合わされ、青春を投げ売りし、旅先>>続きを読む
シリアスなツラして相当変な映画。G8財務相会議でエコノミストが死亡するが、秘密を握っている修道士は戒律のため何も話さない。ということでミステリだが、俺は他の連中たちとは違うぜ修道士さん、みたいな顔して>>続きを読む
J・B・プリーストリー『夜の来訪者』をBBCが映像化したTVM。1954年にガイ・ハミルトンが映画化していてそちらは未見だが、結婚祝いの晩餐、飄々とした謎の刑事、自殺した娘、と不吉な要素てんこ盛りなの>>続きを読む
ドゥプラット&コーンの『ル・コルビュジエの家』に並ぶ人生ワースト。うげえ、反吐が出る。旧約聖書だから、キリストだから、メタファーだから何だって言うんだ。直近でもナ・ホンジンが似たようなことやってんぞ。>>続きを読む
オリエント急行よろしく、その後関わり合う人たちが微妙に接触しつつ飛行機に集まる冒頭からして最高。不条理劇の定番ウザキャラを演じようとしたら開始5分で〆られるブロンソン・ピンチョット。懲りずにたびたび喚>>続きを読む
IDがMonteiroのくせに初モンテイロ。オリヴェイラみたく文芸チックなドラマかと思いきや、若い女が入った風呂の水を飲んでたら陰毛を見つけてハッピー!貧乏の母親から金を分捕ってハッピー!援交を断った>>続きを読む
ラング大好きシャブロル先生が作ったM博士モノ。冒頭の連続自殺にシャ、シャブロル!とアガったが、その後は80年代(ギリ90年だが)感満載のよくあるロマンス・スリラーに収束。ジェニファー・ビールスにアラン>>続きを読む
多分理解できないだろうなあと思って期待せずに観たら意外と面白くて驚いた。オリヴェイラの『神曲』なんかと同じく精神病院の患者が舞台を演じる劇中劇だが、衒学的なあちらに比べると随分キャッチーで、常にテンシ>>続きを読む
尋問を通して浮かび上がってくる大作家を騙った男の半生と、大嵐の警察署で起こる奇怪な現象。雨の夜の密室という視覚的にパーフェクトな空間、不安を煽るギミックの数々、ドパルデューとポランスキー(ノリノリ)に>>続きを読む
新世紀初頭に作られた過去への追憶(スパイ物)と未来への絶望(監視社会)のハイブリッド。アイデンティティを取り戻そうとカフカ的な迷宮に迷い込んでいくジェレミー・ノーサム。椎名林檎を存在ごとオマージュした>>続きを読む
ピアノを弾く総統のおっぱいを吸う水兵。朽ちる総統。沈没する船。助けて!ここから出して!自分のおっぱいを揉みながらよがる総統。目覚めるダリ。アメリカだ!殺される!溺れ死ぬ!という感じのテンションが2時間>>続きを読む
ジェイソン・ベイトマンはコメディアンとしての側面しか知らなかったが、見た目通りの厭味なエリート役も堂に入ってていいね。監視されるためだけに建てましたと言わんばかりの豪邸もパーフェクト。夜景との親和性も>>続きを読む