NARUさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.6

「現代のヤクザが義理人情だけでは食えなくなるまで」を主人公の半生を追う形で描いてるから深くブッ刺さった。
テーマも演技も演出もリアルで、恫喝や暴力の迫力がやばい。自分もその場にいるような感覚になって心
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.3

2022年最後に観た映画はポール・ニューマン主演の『暴力脱獄』になった。

1967年の作品だが、人生哲学と宗教がテーマになっており今観ても古くない。

積み重ねや対比によってリアリティあるストーリー
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デストイレ(2018年製作の映画)

1.2

トイレに取り憑いた悪魔を祓うトイレエクソシズム映画!
デストイレは人を嘲笑い、火を吹くぞ!
これをアマプラで観れることに感謝して、細かいことは水に流そう…。
え、続編もあるんですか?

シャーケンシュタイン/フランケンジョーズ(2016年製作の映画)

2.5

涙なしには観れない。
最初の犠牲者や、研究施設の外見が特に泣ける。

ディープ・ブルー(1999年製作の映画)

4.4

海上の研究施設内で、遺伝子操作によって高知能化した巨大ザメに襲われる話。

これまで観たパニック映画で一番面白い。
キャラクター、セリフ、プロット、演出、映像、どれも良い。

今回、十数年ぶりに視聴し
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.5

今「地震」を題材にした勇気と意味を、真新しい映像で体感できた。
日常生活や人と人との繋がりこそが、あの日傷ついた心や、これからの不安を癒やす尊いものなのだと気付かされる。優しくて美しい作品だった。
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天気の子(2019年製作の映画)

4.3

素晴らしかった。
今まで観た新海誠作品が苦手だった理由の大部分は『君の名は。』までの「運命の赤い糸」的な企画にあったのかもしれない。

本作の人物描写にも苦手な部分はあるけど、恋愛メインの企画ではない
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

3.7

虚言癖の男に「ビッグ・アイズ」シリーズという絵の著作権を奪われた女性画家の実話。

正確には、著作権も富も名声も自由も尊厳も奪われている。
当時は男性優位社会であり「女性の絵は売れない」とまで言われる
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Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼(2007年製作の映画)

3.2

もう一つの人格(イマジナリーフレンド)の誘惑により2年ぶりに犯してしまった殺人を目撃された実業家の話。

主人公、目撃者、刑事、娘、それぞれキャラクターが魅力的で、相関関係も面白い。
人物や状況が整理
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サンゲリア(1979年製作の映画)

3.3

『ゾンビ』のヒット以後に量産されたゾンビ映画内でもファンの多いイタリアゾンビ映画。

1979年の作品なので新鮮味は薄いが、巧妙なツカミ、有名な残虐シーン、死人を描く執念などは今観ても楽しめた。

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ルーム(2015年製作の映画)

4.1

納屋に監禁された親子の脱出劇と、社会復帰後に起こる葛藤を描いた話。

独自の体験をしたこの親子特有の愛が巧みに描かれており、感動的だった。

物語は息子ジャックの視点で描かれる。
冒頭から納屋で生活し
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GANTZ:O(2016年製作の映画)

4.0

原作漫画『GANTZ』内で最も盛り上がる大阪編のフルCG映画。

洗練されたデザインのスーツやガジェット、そしてヤバすぎるクリーチャーたちがこのクオリティの映像で動くだけでもファンとしては感激。
なの
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整形水(2020年製作の映画)

3.0

外見に強いコンプレックスを抱えた女性が、容姿を思い通りに変えられる「整形水」に手を伸ばす話。

SNSの普及以降、「美醜」に対してより敏感になった現代人の興味を惹く良い題材だと思う。

ただし「美醜」
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.1

自宅と職場を往復する日々の地味な男が、ロシアンマフィアと銃撃戦を繰り広げる話。

独特な編集でテンポよく紡がれる映像と、地形や小道具を活かしたリアルなアクション。
ここまでならよくあるアクション映画だ
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テルマ(2017年製作の映画)

4.3

ノルウェーの田舎で 厳格なキリスト教徒の両親に育てられた少女テルマが、大学で ある女性との邂逅を皮切りに奇妙な発作に襲われ始める話。

素晴らしかった。

少女の抑圧と開放およびイニシエーションを描い
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.5

妻に内緒で仮面パーティに参加する夫を通して、愛と性のあり方を問う作品。

夫婦関係の危うさや、怪しい会員制クラブに忍び込む緊張感だけでもサスペンスとして面白いが、特筆すべきは「仮面」を使って描かれる「
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ブルー・マインド(2017年製作の映画)

3.6

非行に走る15歳の少女が“不自然な”身体の変化に悩み始める話。

自暴自棄に悪友たちと連み始め、セックスやドラッグに溺れていく様がリアル。

すごいのは、主人公ミアがカースト上位の男女に自ら接触してい
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.3

初めて観たウルトラマン。
劇場で観てよかった。とても好みだった。

宇宙人たちが固有の価値観や思考で地球人を客観的に眺める世界で、人と宇宙人の中間に位置するウルトラマンは人間を愛してしまう。

ウルト
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

3.2

「殺人に取り憑かれた人間の手記」を父の書斎で見つけた息子の話。

原作読了後すぐに視聴。
結論から言うと、原作の持ち味を活かせていない映像化だった。

絵での表現に注力している点は映画として素晴らしい
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けものがれ、俺らの猿と(2000年製作の映画)

2.0

パンクロッカーや小説家として活躍する町田康原作の映画。

町田康作品は『パンク侍、切られて候』とエッセイを読み、『メシ喰うな!』を聴いて「いい意味で頭のネジが外れた魅力的なアーティストだな」と思い、期
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ドリームキャッチャー(2003年製作の映画)

2.5

特殊能力を持った4人の男が、雪山で具合の悪いおじさんを助けた事からとんでもない方向に話が転がっていくスティーブン・キング原作の映画。

途中まで観て、以前1度観た作品だと気づいた。

派手な内容なのに
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グッドナイト・マミー(2014年製作の映画)

2.6

顔を包帯で覆って帰宅した母を「別人だ」と疑い正体を暴こうとする兄弟(双子)の話。

仕掛けが露骨なのでもう少しうまく演出してほしかったが、恐怖を与えるためのアプローチが珍しい点は良かった。
ただそのア
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ラザロ・エフェクト(2015年製作の映画)

3.0

犬の死体蘇生に成功した“ラザロ血清”を、人間の死体にも投与してしまう話。

良い題材。
理系知識のある人達が丁寧に製作したことがわかる内容で好感を持てる。

台詞や小道具で、“ラザロ血清”という嘘にリ
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セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.0

人口爆発により1家族につき子供1人しか認められない「児童分配法」が施行された近未来で、7つ子が1日ごとに入れ替わり1人を演じ続ける話。

おそらく邦画『水曜日が消えた』に元ネタ。本作でも7人の名前が各
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.9

衝撃作。

直感的に忌避してしまう容姿や動物的表情を露出する本作の主人公を追う映画体験は、決して心地よいものではなかった。

しかし冒頭から明かされる特殊能力や、似た容姿を持つ人物の登場など、立て続け
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.3

『パラサイト 半地下の家族』を撮ったポンジュノ監督2003年の作品。

とんでもない映画だった。とにかく観てほしい。

運び屋(2018年製作の映画)

3.9

裏社会とは無縁のじいさんがお金のために大量の麻薬を運ぶ話。

「運び屋」はフィクションで扱われやすい職業だが、本作の主人公は珍しかった。
90歳が裏社会で「はじめてのおつかい」をするみたいなもので、「
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人生の特等席(2012年製作の映画)

2.5

メジャーリーグの老スカウトマンと、弁護士をしながらそのサポートに駆けつけた娘の話。

イーストウッド主演だから期待したけど物足りなかった。ちょっと嫌な気持ちにもなった。

「時代遅れで身体にガタがきて
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.3

過激な問題作を生み続ける鬼才の漫画家・新井英樹先生の『宮本から君へ』の実写版。

原作は未読だが、最も好きな青年漫画が新井先生の『ザ・ワールド・イズ・マイン』であることと、『漫道コバヤシ』で本作の原作
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.0

孤独な少年が不良中年男と共に 生き別れた母を探すロードムービー。

暴力が(あんまり)ない北野武作品も良い。

呆れるほど放漫な菊次郎おじさんがたまに見せる優しさは、人類の根底にある愛情のように思えて
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さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)

2.4

キャラクターたちの設定や性格から面白くなりそうな予感が強かったが作り込みが粗く、消化不良に終わってしまった。惜しい。

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.4

ピアノコンクールを通して「才能とは何か」を描いた作品。

映像、音、演技、演出、脚本、テーマ、すべてにおいて上質な映画だった。

「才能の形」が違う4人の視点からテーマを描いてる点が面白い。
自分には
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ブラック校則(2019年製作の映画)

3.9

素晴らしかった。

失礼ながら「多分ティーンズ向けだから ながら見でいいか」と思い作業中に流し始めた作品だった。
しかし良くできた脚本だと気付き、すぐに作業の手を止めて集中して観た。


鑑賞後に調べ
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

3.2

レオス・カラックスの自伝とも言えるメタ的な映画。

本作の方向性を示すように扉が開かれる冒頭シーンはワクワクしたが、最後まで観ても僕は本作の意図が理解できなかった。

1人の役者が演じる多様なキャラク
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