NARUさんの映画レビュー・感想・評価

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虐殺器官(2015年製作の映画)

3.5

世界各地で虐殺を引き起こしている《ジョン・ポール》の暗殺を命じらた男の話。

原作にある多数の要素の中から「虐殺器官とは」というテーマだけを抽出し、ダイジェスト的に描いた映画化だった。

原作では多く
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BIUTIFUL ビューティフル(2010年製作の映画)

3.5

薬物中毒の妻と 2人の子供を養うために働く男が、末期ガンにおかされていることを知る話。

人生において「喪失」は避けられない。
人や時間、お金、名誉などを失うと、取り返しのつかない喪失感や苦痛に襲われ
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.0

子役として一世を風靡したが落ちぶれた妹ジェーンと、
実力派女優として評価されたが事故により半身不随となった姉ブランチの話。

共に暮らす2人の境遇や実績の違い、過去の栄光への異常な執着などが卓越した演
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情婦(1957年製作の映画)

3.9

退院後、酒とタバコを禁じられた弁護士が 不利な依頼を引き受ける話。

「法廷モノか、難しそうだな…」
と思って観始めたら、思いのほかキャラクターたちが魅力的で引き込まれた。

大病で入院していた弁護士
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乙女の祈り(1994年製作の映画)

3.2

空想世界に耽溺する2人の少女が、殺人衝動に駆り立てられるまでを描いた話。

憎悪する相手を殺害する妄想表現などは映像として面白かったが、古い作品なのもあってあらすじの期待を上回る作品ではなかった。
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十九歳の地図(1979年製作の映画)

4.3

尾崎豊に大きな影響を与えた中上健次の小説『十九歳の地図』の映画版。

ログラインは、
新聞配達員の青年が、不満のある家庭に嫌がらせ電話をかけていく話。

客観的に観ると、本作の主人公は幼稚だ。
自作の
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太陽の蓋(2016年製作の映画)

-

3.11直後、官邸と福島第一原発所で何が起きたのか。政治家を実名で描いた作品。
『Fukushima 50』との対比で鑑賞。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

過剰な演技と過剰な説明セリフは気になったし、無駄が多い人間ドラマパートでは「早くゴジラ観せて」と思った。
でもそれを差し引いても、映像、設定、演出において最高級のゴジラだったと思う。
絶望感と映像のク
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地獄の花園(2021年製作の映画)

3.6

素敵なOLライフを決意した新入社員が、ヤンキーOLたちの派閥争いに巻き込まれる話。

頭を使わずに楽しめるエンタメ。
アクションやカメラワークなど映像の質も良く、楽しいし観やすかった。
皆ハマり役で楽
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ライアー×ライアー(2021年製作の映画)

3.5

ギャルに変装した地味な女子高生が、別人だと勘違いした義理の弟(イケメン)から猛アプローチされる話。

製作者には失礼だけど、自分は作業中に「興味のない映画」を流すことが多い。
本作もその一つだったが、
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夜のピクニック(2006年製作の映画)

3.2

「夜みんなで歩く。並んで一緒に歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろうね」

本作は、全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通す高校最大のイベント「歩行祭」の話。

原作小説を読んだ身からす
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ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

2.8

『明け方の若者たち』の前日譚。

「思い描いた社会人になれなかった若者」を描いた『明け方の若者たち』とテーマは同様だが、
こっちの方が葛藤が明確で面白かった。

前作の答え合わせ的な部分もあるので、(
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

2.0

退屈な飲み会で出会った新社会人の男女が恋愛する話。

『愛がなんだ』のような内容を期待して観たら、本作で主題歌を歌う「マカロニえんぴつ」の世界観が好きな大学生〜新卒社会人向け作品だったので、自分には全
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センセイの鞄(2003年製作の映画)

3.4

37歳の月子が、行きつけの居酒屋で高校時代の国語教師・センセイと再会し交流する話。

小泉今日子さんのかわいさと2人の絶妙な距離感、淡々とした描写の中にユーモアもあって心地いい映画だった。
思わず声を
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.7

緊張感のない2人の女子殺し屋が、雑に依頼を捌きながら 社会生活に悪戦苦闘する話。

最高だった。
公共料金の支払いとかバイト先のウザい人間関係とか、解像度高めの日常に「殺し」という非日常が入り混じった
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浅田家!(2020年製作の映画)

4.3

ユニークな家族写真で有名になったカメラマンの活動を描いた実話。

本来は家族間での需要に止まる「家族写真」を、商品や展示物として昇華させたアイデアと行動力が素晴らしい。

その写真は家族も鑑賞者も笑顔
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

4.2

長男の自殺を目撃したショックで記憶を失った母のために、「長男は海外で生きてる」と嘘を付き続ける家族の話。

ツカミはショッキングだが、クスッと笑えるような場面も多くて観やすい。

兄が何を思い自死を選
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今日子と修一の場合(2013年製作の映画)

2.3

罪を犯して故郷に帰れない男女が東京で生きる話。ただし2人は交わらない。

東日本大震災による被害や、排他的な暴力や汚い性欲を描いたシーンが多く、息苦しい。

2人のバックボーンはそれぞれ興味を引かれる
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Every Day(2016年製作の映画)

3.8

交通事故で昏睡状態だったはずの恋人が自宅に現れる話。

「時間をもらったのね、1週間」と告げられ始まる制限時間付きの日常。
直接描かれない2人事情も想像しやすく、奥行きがあって好き。

もっと有名な作
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レイディオ(2020年製作の映画)

2.4

深夜ラジオ好きの冴えない男子大学生が、ゼミで同じ趣味を持つ女子と出会う話。

深夜ラジオを通して繋がっていく2人の気持ちがあまりに純粋だったので、実写映画ではなく漫画のようなデフォルメされた媒体で読み
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JKエレジー(2018年製作の映画)

3.0

ギャンブル狂の父とニートの兄で3人暮らしをする女子高生が、大学に行くために怪しいビデオに出演してお金を貯める話。

ウインナーや風船を裸足で踏み潰す“クラッシュビデオ”に出演してお金を稼ぐという手段が
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.8

クラスに馴染めない吃音症の女子と音痴な女子が文化祭に出るため交流する話。
(KY男子もいるよ)

下手だけどやりたいことに挑戦したりとか、
高校デビューを目論んで低俗な下ネタで滑ったりとか、
誰もいな
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ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)

2.0

廃墟探索系YouTuberの男女カップルが、湖底の廃墟を探索する話。

視聴前はログラインやポスターに惹かれたけど、視聴中は人物にも廃墟にも最後まで興味を持てなかった。

でも水中の映像が続くのは新鮮
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.7

生まれつき病気で車椅子生活の少女が、母の歪な愛から逃れようとする話。

車椅子というハンディを抱えながら母の思惑を探り、自由のために尽力する姿は目を離せない。純粋に怖くて面白かった。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.3

山間に住む羊飼いの夫婦が、羊ではない“何か”を育てる話。

すごく奇妙で難解。エンタメではなく芸術寄りの作品。
キリスト教やギリシャ神話の知識があれば考察が捗る作品だと思う。

ヴィレッジ(2004年製作の映画)

3.8

隔絶された村で暮らす盲目の少女が、怪我をした恋人のために薬を求め、立ち入ってはならない森を越えようとする話。

映画史における本作の意義は大きい。
『シックス・センス』や『トゥルーマン・ショー』がそう
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オールド(2021年製作の映画)

3.4

時の流れが加速したビーチに閉じ込められた複数の家族たちを描く謎解きタイムスリラー。

興味を引くパッケージで予告編も話題になった作品。
期待以上の要素はないが、ラストまで好奇心は尽きず、「ビーチからの
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ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.1

車の修理費を払うために怪しいテーマパーク内の清掃を引き受けた男の話。

寡黙なニコラス・ケイジが掃除して闘うだけの 良い意味でワンパターンなギャグホラー。
刺さる人には刺さりそうだが、個人的には美術や
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.7

『エスター』は個人的にはあまりハマれなかったけど、『エスター ファースト・キル』を観たらキャラクターとしてのエスターが好きになった。

エスターの言動に漂う哀愁の正体が見えて、キャラクターとしての魅力
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トロール・ハンター(2010年製作の映画)

3.8

「どうして誰もこのことを知らないの?」
「権力で隠してるからだ」
「それは政府がってこと? 政府が絡んでるの? あなたも?」
「…(両手を広げておとぼけジェスチャ)」
「なぜ私たちに見せたの?」
「嫌
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エスケイプ・フロム・トゥモロー(2013年製作の映画)

1.4

会社をクビになった中年男が2人の子供と妻を連れて、某「夢と魔法の国」のテーマパークへ行く話。

予告編にもある「悪いことは起こる…たとえ夢の国でも…」というテーマは素晴らしい。
でも内容が受け付けなか
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モルグ 死霊病棟(2019年製作の映画)

3.6

轢き逃げをした男が、病院の夜勤警備で恐怖体験をする話。

個人的にはめちゃくちゃ怖くて最高だった。

夜の病院に1人という舞台設定と、閉鎖空間や暗闇で不安を煽る展開がシンプルかつ強力。

護身用に渡さ
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ポゼッション(2012年製作の映画)

2.7

持ち主には必ず異変が起きると言われる呪われた木箱「ディビュークの箱」を手にした少女の話。

悪魔払いを題材としたシンプルなストーリーと、シンプルなカメラワークからは「基礎に忠実で真面目な人が作ったんだ
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ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)

4.0

第一次世界大戦により両腕・両脚、視覚・聴覚・嗅覚、声帯を失った青年の話。

ほぼ全ての機能が奪われた青年を通して、人間の尊厳や慈愛を描く究極の反戦映画。
あまりにも惨たらしく陰鬱で、気軽に視聴できる内
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