ハシゴさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

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ウラキドウ達との戦闘シーンの作画が湯浅監督を想起させるカッコ良さで、ほかのアクションシーンもあれで見たかった。
物語はえぐいのだけど、セリフなんかは全年齢に向けて、という微妙な塩梅を感じる。
言うほど
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終わらない週末(2023年製作の映画)

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シンメトリーな構図や分断を強調するような画など、見慣れた景色やモチーフで不気味さを演出するのがうまく、ストーリーを消化不良にすることで劇中の人物達に感情移入させる作り。盛り上がりで言えば肥満体型な感じ>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

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冷酷で滅私の機械的なイメージを執拗に伝えた後、初手からミスり、妻もいるというギャップに口だけの頭でっかち野郎という印象のスタートだが、復讐を遂行するにつれて冒頭提示されたイメージに回収されていく。
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

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色が良くて見ていて楽しいし、映画の雰囲気にあっている。
ワンシチュエーション、会社から出られない、タイムループという上手い組み合わせ。
笑えるし、ループを生かしたカットもリズムが生まれて面白い。
会社
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

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降霊をパーティードラッグのように10代に蔓延させるというアイデアがまず1勝という感じがする。それによってスタイリッシュに描くことに自然さがあり、その自然さが本気のホラー(降霊)演出としては新しい。
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

5.0

何故だか心に沁みる、いい映画だ・・・という印象がひたすらある。
激しく切り替わったり、角度を変えたりするカットで強調されるピリついて乾燥した荒野と人々が、ジャスミンによって故郷の温かさへと変貌していく
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獣兵衛忍風帖(1993年製作の映画)

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美麗アニメーション。小さい頃、本気で忍者に憧れていたあの頃に見ていたら影響が凄そうな主人公、敵、ヒロイン、狂言回し。
そういう点でも、物語的にも子供向きであると思う。r18だが。
しかしほんと、絵がか
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

山の過酷さがよく伝わる。
ミステリーの軸の一つ「なぜ彼は山に登るのか?」が、山に魅せられた人間には分かるだろう、というのと、それを追体験させるような感じ。

麻雀放浪記(1984年製作の映画)

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和田誠展からの流れで見た。
麻雀は知らないが、刺し合う様な空気はかっこいい。

赤い天使(1966年製作の映画)

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地獄。
極限状態での西の自責の念に共感しきれない部分もあるが、当然っちゃ当然か。
以前なにかの動画で、インテリっぽいじじいが「賢い若者はこのまま日本が堕落していったん戦争してしまえと思ってる、自分は逃
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恋愛睡眠のすすめ(2006年製作の映画)

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起こっていることはめちゃくちゃだが、恋愛を基礎にそれが不思議と荒唐無稽に見えない世界観になってる。
それを許す導入とストップモーションの温かさも大きい。
精神病を匂わせなくても良かったかなとは思った。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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監督作では一番好き。
笑えるシーンがとても多く、お得意の不気味さもあって、運命の相手とのセックスシーンまでは本当に満点だった。
監督本人が「馬鹿げ映画」とコメディであることを強調する割には終盤はまとめ
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色彩漫画の出來る迄(1937年製作の映画)

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ディズニーの影響を多分に感じつつ、日本独自のサイケな色合いがある

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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画面分割の見づらさがそのまま1人で1人を管理することの不可能を語っている。いつ何を見逃したのか分からない。これはすごいアイデアだと思う。
リアリティを持って時間を描く、それゆえの映画の短さを人生の短さ
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

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結末が唐突すぎたように感じた。
音楽が良くて雰囲気も悲しいから馴染んではいるのだけど、なんか一番安易な終わらせ方になってると思う。
しかし、現実の方が唐突だろと考えると、安易も何も無いのかもしれない。
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サイケデリック航空(1994年製作の映画)

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面白い。
新婚旅行の成否、というフック。
単純明快なキャラクター。

燃えつきた地図(1968年製作の映画)

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原作を視覚化するにあたって、勅使河原宏と感覚の一致するところが確認でき、嬉しかった。分かる、ローラースケート、自転車にするよね。
鏡やグラスを通して2人を映すカットもかっこいい。
また、結末についてあ
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pierce ピアス LOVE&HATE(1997年製作の映画)

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動機不明なのはまぁいいのだけど、いまいち悲しさが漂ってなくて雰囲気がないので、人物や出来事も表層的なものにしか見えなかった。空っぽというのが寂しさの表現じゃなくて、作品自体の軽薄さになっている気がする>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

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友人よりも愛、という価値観。
向かう方向は違うが、悲壮感とユーモアというバランスがたけし映画を思い出させる。
殺し屋を主人公の対比に使うのもなるほど、という感じ。コンパクトさがいい。
死を決意している
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おとし穴(1962年製作の映画)

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物語自体は不条理で、不思議な倒叙サスペンス調だけど、テーマは父性、受け継がれる階級を断ち切り、資本者階級への脱出、そのサイクル?
逃げるように生きる父親を見て、施されることを拒み奪うことで生きる、搾取
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さよなら、人類(2014年製作の映画)

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とても良かった。
思い出したのはジャックタチとタルコフスキーだけど、そのどちらよりも好きだった。
まず色彩がいい。嘔吐の似合いそうな、具合の悪い色調、彩度が低く、明度が高い。
それによって長回しでも画
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レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)

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終盤は結構怖いのだけど難しかった。
親から子への呪い?
「おむつを変えて貰ったんだからおむつを変えてあげなきゃ」
孤独が生む、子供への恨み。
三世代にわたって、ある程度距離のある親子であることが描かれ
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

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面白かった。
全体的に色の使い方、最初の犠牲者が浜辺に逃げた時のライティング、カメラワークが良くて、追ってくるものの現れ方、雰囲気も良かった。
別荘の離れに行く時のジャンプカットがなんか唐突で不思議だ
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北斎(1955年製作の映画)

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絵がクローズアップされて切り抜かれている時、遠景が遠景であると分かる。
その異常さは細密であるというよりも、目を通して見た景色の理にかなった省略と動きをとらえた線の正確さ。
すごい、映画というよりも葛
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Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

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良かった。
因果みたいなものを無視した、淡々として個人に興味のない現実の悲しみでもあり、だからこそこれからと言える明るさみたいなものもあった
2人に焦点を当てつつ、周りの人たちの人生を描く、その差し込
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青空娘(1957年製作の映画)

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分かりやすいシンデレラストーリー、全体的に茶番っぽくて笑える。
この時代にも、今でいうタレント映画的な軽さの恋愛ものがあったんだなぁ。
女中扱い、というのもだけど先生と女学生の恋が麻疹なんて言って済ま
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HANA-BI(1997年製作の映画)

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ひたすら寂しい。
序盤は特に繋ぎ方凄すぎ。
他の作品よりもさらに、どれだけ映像やモチーフで語れるかということをやっていた気がした。
冬の花火というのが、西夫妻そのものの感じで良かった。

アレックス(2002年製作の映画)

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凶悪。
オチ(冒頭)に対してどうしたら嫌がらせできるかという組み立て方をしたとしか思え無いくらい単純な話だが、観てられるのは多分美術が徹底されているからなんだと思う。
自由自在に動き回るカメラはエンタ
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クレマスター4(1995年製作の映画)

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相変わらず美術がよく、構造も1と似ている。
多分ステロイドユーザーであろうマッチョな妖精、レーシングカー、タップダンス(というより革靴?)、金玉らしきもの、で、なるほど4は男性ねと見ていたら、金玉タイ
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クレマスター1(1995年製作の映画)

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飛行船内の美術が素晴らしかったが、カメラワークや映るものの動きに徹底的に計算されている感がないことが引っかかった。
この美術ならあらゆる点が精密な方が個人的には好きだが、飛行船ごと俯瞰するようなカット
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儀式(1971年製作の映画)

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面白かった。
家や冠婚葬祭という形式的な因習に縛られてドタバタしているのを皮肉ってるというのはなんとなく分かるが、なんとなく難しい。異邦人の原作、映画という流れで観たのが影響して裏にある言葉に執着して
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白い朝(1965年製作の映画)

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画がいいです。
内容は切れ切れで白昼夢的
無機質な反復と放蕩の日常にいる若者のような感じ

異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)

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原作の筋を結構忠実に映像化していた。
小説が面白かったので当然面白くはあったのだけど、2度目なのでインパクトは薄い。
小説での印象が強いので映画に対する感想もそれが先行するが、映画は小説よりもムルソー
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愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像(1998年製作の映画)

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伝記として(そもそも伝記なのかも不明だが)どこまで事実考証がされてるのか分からないけれど、とにかく画がカッコよくて、不気味。
あまりにも映像として要素を抽出できすぎていて、ベイコンには否定されそうな表
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ペトラは静かに対峙する(2018年製作の映画)

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章立て、悲劇的な人間ドラマであること、そして主演女優とマジカルガールを意識せざるを得ない
人間関係が複雑で捉えづらい、章立てが前後する効果もイマイチわからない。情緒的な盛り上がりが省かれることで観る側
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