紺色のテーパードパンツさんの映画レビュー・感想・評価

紺色のテーパードパンツ

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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.8

役人は神父たちに
神と福音を棄てろと迫った

ルターの宗教改革によるプレスタントの発生と急成長に伴い、カトリックの世界布教を目指し設立されたイエズス会は日本にも多大なる影響を与え鎖国するまでに至らしめ
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GO(2001年製作の映画)

3.8

お前の拳が引いた円の大きさが大体お前っていう人間の大きさだ。

クルパー。改め杉原。
マスゲームとクラシック音楽とレーズンの入ったカレーが大嫌い。ライオンになった男。革命歴史。

海が僕を睨んでいた。
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.2

そんなところで小さい声で歌ってたって誰も聞いてくれないよ。 

エリーゼのために歌うのは大きな古時計。
すれ違うちぐはぐな生活。

私は何をしているのかわからない。
等身大の27歳。不安定な恋はレモネ
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はじまりのみち(2013年製作の映画)

3.0

お母さんはどう?
バスがいいならそうするけど。

映画監督木下惠介の家族愛をクレヨンしんちゃん映画でお馴染み原恵一監督が描く。
同監督初の写実作品。

母と兄とカレーライスの便利屋くん。
4人で臨む6
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きみはいい子(2014年製作の映画)

4.0

水木さんってさ、あやねちゃんの頭撫でないの?
見たことないよ。

外せない腕時計。そっと袖で隠す。
娘との距離。家庭の事情。

頑張って。頑張って。
それぞれが抱える大人の事情。

与えられた宿題は向
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蜜のあわれ(2016年製作の映画)

2.8

人を好きになるということは。

火事みたいな夕焼け。
海を渡る1匹の金魚。
泳ぐ姿は水中花火。

室生犀星の原作を石井監督が描く
モダンでレトロで官能的な世界観。
ロケ地が素敵。

叔父様の唾でついで
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夏の終り(2012年製作の映画)

3.0

寂聴が描く世界は湿っぽく儚い。

切り抜いた夢を藍色に染める。
惑わせる悪女は脆く切ない。
溢れ出す苦悩と煙草をのむ。

尽くす男。許す心はサボテン。不憫さの裏側。
障子に張り付いた二本の触角がゆらゆ
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ぼくたちと駐在さんの700日戦争(2008年製作の映画)

3.3

捕まるわけないさ。俺達は風なんだぜ。
誰にも捕まえられないさ。

昭和54年。夏。不確実性の時代。
栃木県を舞台に男子高校生達と駐在さんが繰り広げる愛と友情を描いた青春おばかコメディ。
作中の細かい
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阪急電車 片道15分の奇跡(2011年製作の映画)

3.3

人はそれぞれ皆、色んなやり切れない気持ちを抱えて生きている。

主人公は一見地味な容姿だが皆に愛されるマルーンカラーを身に纏い、路線を利用する個性豊かな人々が臙脂色により華やかな彩りを添える。

今津
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走れ、絶望に追いつかれない速さで(2015年製作の映画)

3.1

何考えてたんだろうねあいつ。

親友。朝焼け。思い出。
採れたてのトマトのような青春。
凧糸を手繰り寄せるように辿る足跡。

長回しの感情と情景。
友について多くは語られない。
台詞が少ない作風は中川
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世界はときどき美しい(2006年製作の映画)

2.6

世界はときどき美しい。
プレヴェールの詩篇より。

8ミリフィルムで撮影された5作品のシネポエムは哀愁と幸せを閉じ込めた詩集のよう。
短編の淡々と進む日々の物語達は人を選びそう。

縺れ、解れ、窶れ、
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.0

十和子は傲慢で複雑そして繊細。
あなたの孤独がわかる。
揺れる心模様はいつも虚ろ。

まぐわう甘くて色気のある演技が魅了する。
あーと言ってみて。交わるキスは官能的。
嬌声が振気を促す。

陣治、固執
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GONIN(1995年製作の映画)

3.2

どこか昭和感じるバブル崩壊後の新宿。
世間からはみ出した男達。5人。

水滴で始まり水滴で終わる。
豪華キャストが彩る死に様の美学。
殺戮のドラマ。

本木雅弘がシブすぎて切なすぎる。
そして、北野武
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.4

これが映画なんだよ!カメラは止めない!

2018年に最も話題となった映画と言っても過言ではない本作。評判通り素晴らしい作品。もはやレビューを書くことすら野暮に感じてしまう怒涛の95分。

話題の長回
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SOUL TRAIN ソウルトレイン(2006年製作の映画)

3.0

街のビデオ屋。
店名はソウルトレイン。

12時を過ぎるとぱったり客足が途絶えるイケてないビデオ屋のバックルームでイケてない店員が繰り広げる日常系ギャグコメディ作品。

勝地涼演じるフリーター須藤。童
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白河夜船(2015年製作の映画)

3.4

よしもとばなな原作

なんてよく眠る人なんだろう君は。
安藤サクラ演じる寺子は、
無防備でおぼろげで危うい。

物語は、思い出を切り取ったような画で淡々と進み、時折ゆれるピントが憂鬱を誘い、語りかける
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娼年(2018年製作の映画)

2.6

この世界で生きている限り
女性からもセックスからも逃げられない。

生気を感じさせない気だるげな大学生の領は謎の女、御堂静香と出会い魅了され、手順の決まった面倒な運動から徐々に解放されていく。
松坂桃
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トイレのピエタ(2015年製作の映画)

3.4

手塚治虫原案。
野田洋次郎が園田宏に染まっていく世界観を豪華キャストが彩る。

気力を感じない清掃員。適当にこなす仕事。アルバイト。咆哮するGBの単気筒は宏の心の叫びにも聞こえる。そんな群青色の情景に
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あん(2015年製作の映画)

3.7

春。桜咲き乱れる風景に西武線の黄色い電車がよく映える。

どこか無愛想などら焼き屋の亭主が、「あん」に人一倍熱い想いを抱く手の不自由な老婆と出会い、変わっていく。私たちも陽のあたる社会で生きたい。世間
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パーマネント野ばら(2010年製作の映画)

3.0

何処か懐かしさをも感じさせる高知の港町が舞台。
同じサヤに入る事が出来ずシングルマザーの道を選んだ主人公なおこ。想いを寄せるがはっきりしない態度のカシマ。思い出。そんな母親の様子にうっすら嫌悪感を抱く
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昼顔(2017年製作の映画)

2.7

ドラマほぼ未視聴であるが楽しめた。上戸彩の美貌がなければ見てられないであろうさわちゃんのクズっぷりが最高。そして一番の見所は伊藤歩の怖すぎる演技。圧巻です。

花芯(2016年製作の映画)

2.9

アコーディオンと儚いジムノペディ。
ロマネスクから遠ざかり愛のない結婚をした園子が恋を知り、愛に苦悩し落ちていく様を描く。湿っぽく薄暗い世界観に村川絵梨の大人の色気が調和していく。まるで文学のような空
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ポエトリーエンジェル(2017年製作の映画)

3.1

不可思議/wonderboy的なのを想像してたら予想以上にドープだった。

ニートが詩のボクシングなるものを通じて成長していく話。が大筋。ラウンドが進むにつれて魂の叫びに引きこまれていく。

角田晃広
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牝猫たち(2016年製作の映画)

2.8

ロマンポルノリブート作品。
プロジェクトの中で1番好き。
白石和彌ワールドがムンムンしまくっている。

生々しくもどこか幻想的で儚い世界観の中で3人の牝猫たちの生き様と関わる人々とのドラマを描く。映像
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風に濡れた女(2016年製作の映画)

2.4

ロマンポルノリブート作品。
あたしは人に無視されるのが一番嫌いなんだ!
自己主張強めの勝手にロックオンしてくるヤバい女にある日突然絡まれ付きまとわれる。

この女とにかくヤバい。と思いきや男の方も相当
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ホワイトリリー(2016年製作の映画)

2.4

ロマンポルノリブート作品。
ホラーの名匠中田秀夫監督がメガホンを取る。
そして、これは紛うことなきホラー。

全編にわたりなんとも言えないおどろおどろしさと陰湿なエロさが付き纏う。嫉妬と憎悪が渦巻き欲
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ジムノペディに乱れる(2016年製作の映画)

2.3

ロマンポルノリブート作品。
ジムノペディ第1番から緩やかに始まる唐突なエロ。
映画監督の古谷は出会ったあらゆる花に水を与えジムノペディに乱れまくる。

初めてのロマンポルノ鑑賞。
なるほど、濡場シーン
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スクールガール・コンプレックス 放送部篇(2013年製作の映画)

2.5

大沼監督のフェチズムを心置き無く堪能出来る作品。
作中の構図やライティングなど随所にただならぬ変態性を感じさせられる。キャストの演技が青々しい。平成のオールドファッションな制服の着こなしと初々しい門脇
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二重生活(2016年製作の映画)

3.5

感情がどよめくミステリー作品。
門脇麦の演技が光る。変態役がよく似合う。
作中のカメラワークが凄く好き。緊迫感の尾行シーンの妙。街中でのカメラ回しに匠を感じた。

物語の中で全てを語らず受け手に考察の
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西の魔女が死んだ(2008年製作の映画)

2.8

ワイルドストロベリージャムみたいな甘さ。
どことなくスタジオジブリを彷彿とさせるかのような雰囲気の世界観。作中のナレーションとちょっと唐突感のあるBGMの入り方で「ぼくのなつやすみ」を思い出した。
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フラガール(2006年製作の映画)

3.2

一見コメディタッチかと思いきや、しっかりした極太のヒューマンドラマ。BGMがすごく良い。
山崎静代の演技に泣かされた。きみこのソロパートにも泣かされた。蒼井優のダンス流石すぎる。フラダンス見て泣くとか
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爪先の宇宙(2017年製作の映画)

2.0

起伏も無く淡々と物語は進んでいく。
全編通して伝えたい事が分かりづらい。
作中の役者さん達、顔面と声で演技しがち。
演出もあまり好みではないかも。
タイトルの語感は良い。

かぞくのくに(2012年製作の映画)

2.6

ヤン監督自身の経験が題材。
安心感のあるキャスティング。
北朝鮮と在日コリアンが抱える複雑な問題模様を映し出していく。本国の命令は絶対。もはや個人レベルではどうする事もできない難儀との葛藤に胸を打たれ
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誰も知らない(2004年製作の映画)

3.7

実在した事件がベースになっている作品。
日本のディープすぎる暗部にスポットを当てた
ドキュメンタリーのような141分。悲しすぎる物語。生きる事の大変さを普段からは想像もできないような角度から痛感させら
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