almosteverydayさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

3.5

BSプレミアムで四半世紀ぶりくらいに観ました。
まだ幼いけど紛れもなくレオ様だし、まだスパロウでもウォンカでもないけどエドワードは経たあとのジョニデと思うとすごくふしぎな感じがします。トランペット吹き
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.5

台詞でストーリーを先導する作風ではないため観た人の数だけ解釈が分かれそうではあるし、舞台が約40年前のイギリスという点を鑑みても突っ込みどころがないとは言えないけれど、終映後はもろもろひっくるめてじん>>続きを読む

レナードの朝(1990年製作の映画)

4.0

たまたま点けたBSであっという間に惹き込まれました。主要キャストはもちろん、周囲を取り巻く人たちとの関係をも丁寧に描く演出がとても良かったです。音楽の使いかたも巧みで、物語の展開を先導するような劇伴と>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.5

インドの子どもを追う映画は概ね名作*1という経験則に従い、一切の事前情報を絶って臨みました。名だたる名匠・名優たちへの畏敬の念に溢れてたってか、終盤ほとんどラブレターみたいだった。

主人公視点で見る
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大恋愛(1969年製作の映画)

4.0

若い女に惑わされる既婚者が狼狽えたりやらかしたりする可笑しみや情けなさだけじゃなく「俺が振った」はずの女たちがさめざめ泣いたりなんかせず、笑顔でしれっとよろしくやってるのが最高でした。制服姿で煙草スッ>>続きを読む

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

4.0

約束の時間に間に合わない焦りがドタバタに次ぐドタバタを呼ぶコメディ、劇伴の賑やかさもあいまってモノクロらしからぬ華を感じました。煙草の吸殻や呑気な洗車の手つきなど、渋滞の描写が特に良かった。モブとモブ>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

3.5

素敵なダイナマイトスキャンダルから早5年、いつか必ず観られるはずと確信していた三浦透子単独主演作が遂に来た!ってことでめちゃ期待してました。

自信がなくて流されやすくて、背中を丸めて吸った煙草を吐き
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ノベンバー(2017年製作の映画)

4.0

美しい水や雪や髪や瞳は眩しい光に包まれ、不穏な取引や飢えがもたらす醜い小競り合いは影や闇に覆われる奇妙な映画でした。白と黒だけでなく、その合間に数えきれないほどたくさんの色と質感があることをこれほど強>>続きを読む

バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

3.5

160分と長尺ながら、キレキレに映えるショットとヌメヌメ動く長回しに見とれてたらもう上映時間があっという間でした。長回しに関してはどうしたってバードマンを思い出さずにはいられないし、自分の立ち位置すら>>続きを読む

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

3.0

メインビジュアルが見てのとおりクラシカル英国紳士なカンバーバッチさんドーン!なのと、邦題がベタに甘々なもんでつい「憎めない変わりものの愛妻家かつ愛猫家、その生涯を追うハートフルストーリー!」的なもんを>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

中世イギリスものってか歴史全般に疎いので、元ネタであるところの「アーサー卿と緑の騎士」だけはざっと頭に入れた上で臨んだのですが、それでもめちゃくちゃ難解でした。全てのカットに深読みを許す何らかのヒント>>続きを読む

ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.5

きらびやかなドレスにもハイファッションにもとんとご縁のない身ですが、「原作:ポール・ギャリコ」と来ればそれだけでもう名作の予感。ギャリコと言えば「雪のひとひら」「ジェニィ」そして「猫語の教科書」、平易>>続きを読む

クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男(2021年製作の映画)

3.5

製作総指揮ダニー・ボイル&脚本・アーヴィン・ウェルシュときて主演がスパッドa.k.a.ユエン・ブレムナーなわけでつまりはチーム・トレスポなんですけども、冒頭いきなりあの青みかがった水に溺れるシーンをぶ>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.0

まずは冒頭、"PETITE MAMAN"のタイトルが浮かぶママの後ろ姿を捉えたショットにしびれました。スクリーンの中の季節は秋、まさに今このタイミングで観に来られてよかった。

車の後部座席から運転す
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スワンソング(2021年製作の映画)

4.0

予告編を目にするたびに「これ絶対好きなやつ〜!」という予感をびしばし漲らせておりましたところ、想像以上にどストライクな作風でした。いやー、もう、大好き。時間をかけてじっくり丁寧に描くところと、軽めにさ>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.0

かれこれ半年、毎週のように公式サイトを覗いては「東北はまだか〜」と呻いていたワンダ、やっと来てくれた…!あまりに待ちすぎて上映前にこんなに緊張したのは久しぶり、その緊張が最後まで解けなかったのは初めて>>続きを読む

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

3.5

2014年製作の本人公認映画「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」を7年前に観た記録などをざっくりおさらいした上で臨みました。

ご本人が今なお息災とは言え、80歳と高齢のため古い音源や映像がメイン
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

冒頭、いきなり黒い画面に白抜きで「男か女かはどっちでもいい」の文字がでっかく記され、そのまま水槽の中のハコフグへと切り替わったのを見て「ふむふむ、そこら辺は力技で押し切るストロングスタイルなのね」と勝>>続きを読む

チャーリー・イズ・マイ・ダーリン(1966年製作の映画)

3.5

同時上映のロックン・ロール・サーカスよりも更に時を遡って全編モノクロ、ブレイク直後のアイルランドツアーを追うドキュメンタリー。行く先々でキャーキャー言われまくってる様はまさしくストーンズ版アハードデイ>>続きを読む

ロックン・ロール・サーカス(1996年製作の映画)

4.0

冒頭のジェスロ・タルからいきなり目がガンギマリでのけぞりました。フーはカメラがどこを向いててもキースにしか目が行かないってか、とにかくなんかもう凄かったです。わたし、仮にもしあと30年早く生まれてたら>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.5

ものすごく導火線の長い線香花火みたいだった…!メイキングちょう観たい、あるいはずっとカメラ回してたひとのインタビュー読みたい〜

…ってことで終映後に公式サイトでプロダクションノートを読むのを楽しみ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

まずはこれ、看板に偽りがありますよね。大ありですよね。完全に意図的な試みだとは分かっちゃいるけど、このひとちっとも最悪じゃない。頭脳明晰だけど頭でっかちではなく、恋人に「テキトー」と評される性格ながら>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.0

「2時間39分は長えだろ…」と若干腰が引けつつ臨んだものの、あの手この手でテンポよく格好よく名曲の数々を繰り出して来る演出と若く美しくセクシーなオースティン・バトラーをひたすら愛でていられる構成により>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

ここんとこずっと劇場へ足を運ぶたび予告編を目にしていて、そのつど毎回「70年代ものってことはわかる。わかるけど、それにしたって主演ふたりともやけにモッサリしてんな、垢抜けないなあ」と首をひねっていたは>>続きを読む

風船(1956年製作の映画)

3.5

仙台短篇映画祭にて、岸野雄一さんによるティーチイン付き上映。ごく短い挨拶の後にまずは鑑賞、のち40分の解説という内容でした。

例によって作品情報を一切インプットすることなく臨みましたが、タイトルバッ
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.5

本作に限らず、ほとんどの映画は事前情報をなるべく入れずに臨むのが常なんですけど、今日に限ってはこれが完全に裏目に出たと感じております。何しろ「昔」「しばらく後」「さらにその後」という3つの視点が目まぐ>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

4.0

たまたま聴いた「腕塚」があまりに格好よかったので完全にアヴちゃん目当てで劇場へ向かったんですが、よくよく観たら監督・湯浅政明×キャラクター原案・松本大洋とのことで俄然期待が高まりました。これってつまり>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

当初の上映館、この辺りだとTOHOシネマズこっきりで「シネコンで観るマイク・ミルズ×ホアキン・フェニックス…?味気ねえ、ってか風情がねえ!福島でも山形でもいい、遠征だ遠征だ!」とプンスコしてたんですけ>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

3.5

昨年観た「燃ゆる女の肖像」がたいへん素晴らしく印象深かったので、その監督が共同脚本を務めたという本作にも俄然興味が湧いてきたところです。

ざっくり言えば「3人の男女がくっついたり離れたりしてるところ
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スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

4.0

正直言ってスパークスのことは断片的にしか、いやほとんど何も知らないに等しい状態で臨みました。いや、曲がりなりにも名盤と讃えられるアルバムくらいは聴いてきた、とは言え「いかんせんディスコグラフィーが膨大>>続きを読む

中村屋酒店の兄弟(2019年製作の映画)

3.5

まずは冒頭、物語の前日譚をああいう形で提示してみせるのか…!と感心しました。本編開始後も様々な想像をかき立てられる良い導入部ですね。役者さんがあまり巧くないのも、古びた酒店の懐かしい佇まいやそれなりに>>続きを読む

アネット(2021年製作の映画)

3.5

もうね、待ったよ。めちゃくちゃ待ったよ。サントラ出たの、去年の7月よ?いくらなんでも焦らしすぎでしょ?それからずっと公式もネタバレも極力避けて過ごしてきたけど、かなりお粗末なヒアリング能力をもってして>>続きを読む

MONK モンク(1968年製作の映画)

3.5

没後40年の節目に「モンク」と「イン・ヨーロッパ」の2作が同時上映されるとのことで、わたしは前者を観に行きました。まず驚かされたのは、バンドとカメラの距離の近さ。多少のズームを用いているとは言え、生々>>続きを読む

選ばなかったみち(2020年製作の映画)

3.5

認知症の当事者である父と、献身的な介護に勤しむ娘。ふたつの視点が軸になっているだけではなく、父の意識は故郷と海辺を行ったり来たりで、かつての記憶と選択次第で有り得たかもしれない妄想との境界さえも判別で>>続きを読む

ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ(2020年製作の映画)

3.0

四半世紀の長きにわたり聴き続けているシャーラタンズがそこそこフィーチャーされている、と聞きつけて以来「これは必ず観に行かねば」と心に決めていたドキュメンタリーです。いきなりローゼズのラヴ・スプレッズが>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0


この長い長いタイトルだけでもそれと分かる情報量の多さ、カラーとモノクロの印象的な使い分け、映像と静止画とアニメーションをパズルの如く精緻かつ巧みに組み合わせるテクニック、とんでもなく豪華なキャスティ
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