たかっしさんの映画レビュー・感想・評価

たかっし

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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

久々に家族全員で見て笑った😄

コメディなんだけど、変声期で歌えない少年の成長記でもあり、カサブランカや自転車泥棒などのクラシックな映画を見ながら大人への不満と青春の葛藤を呟く場面が最高に良かった。(
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.7


訳あって最近ネトフリに加入しようやく見れました😅

メキシコ生まれのアルフォンソキュアロン監督。幼少期過ごしたコロニアローマでの日々を家政婦のクレアを中心に描いた。

クレアは受難の日々を送ることに
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2


ようやく見れたクリストファーノーラン最新作。

同胞であるユダヤ人を迫害するナチスによる世界の蹂躙を防ぐために原爆開発に全てを捧ぐオッペンハイマー。広島への投下成功後の罪の意識を表すスピーチでの幻影
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

5.0

初恋が逃れられない苦い思いであり、一方でこの上なく美しいものであることを丁寧に繊細に描いた作品。

この映画に出会えた「イニョン」を大事にしたいと思う。

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版(1966年製作の映画)

5.0

マカロニウエスタンの最高傑作。
加えてサムペキンパー、ロバートオルドリッチ、ジョンカーペンターらからクエンティンタランティーノまで所謂B級ジャンル映画から、とてつもない怪作を創作する監督たちの原点と言
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.5

そりゃ主人公の2人が一緒にいるために東京の半分を海に沈めちゃった「天気の子」よりはこの映画は断然良い。
鈴芽が震災という過去と向き合い、乗り越えて行く過程は日本人が経験している3.11後のこころの空洞
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0


思慮深いが偏屈な黒人作家セロニアス。
自身の作品が出版出来ず、皮肉を込めて描いたBボーイな小説がバカ受けしてしまい大変なことに…。

姉の急死とその姉が面倒を見ていたアルツハイマーの母。ゲイでドラッ
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インセプション(2010年製作の映画)

4.2


オッペンハイマーを見る前に再度見ておきたかった作品。
夢の中の夢。何層も奥に潜る発想は今敏監督の「パブリカ」が元ネタでクリストファーノーラン監督自身も認めている。
しかし「パブリカ」がキッチュでユー
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.0


まずこの映画がドキュメンタリーだという事実に驚く。
ロシアの反体制リーダーナワリヌイが、国内で毒殺。ベルリンに運ばれてノブチョクが原因と判明。一命を得たナワリヌイ自身がネットを駆使して犯行グループに
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6


素晴らしい2時間30分の予告編と言っていい前作から2年と少し。
待望の続編。

20世紀後半のSFサプカルチャーの礎であるフランクハーバート著のDUNE。
デザインチームはその後エイリアンで成功。ス
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.5

高校生の娘がお爺さん(デニーロ)がとにかく可愛いとオススメするので鑑賞。

デニーロが仏のような理想的な老人役で、この前見たキラーズオブフラワームーンを思い出すと相当混乱する💦
極悪人役でも、今回のよ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

-

これは非常に辛い作品。

あみ子は天真爛漫だけど、人の気持ちを汲まないから周りに誰も居なくなってしまう過程が淡々と描かれて見ていて本当に辛くなってしまった。
前に見た、さかなのこのリアルにうまくいかな
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青い春(2001年製作の映画)

4.0


チバユウスケ追悼。

これを見て、虚無や刹那と言う言葉を押し付ける時点でもうそれは大人側の論理なんだろう。
粗暴で脆い青春にはミッシェルのドロップとブギーが余りにも合いすぎている。
松田龍平の憂いも
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.6

私的内的宇宙的映画の原点。

昨年「君たちはどう生きるか」を見て8 1/2
に通ずるなと思ったものの映画の細部を忘れていたので再見。
自らの出自と今思うことを整理しないでぶちまけるという点ではこの二作
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ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-(2009年製作の映画)

-

チバユウスケの死後2回目の劇場鑑賞。
何とか亡くなったという現実を受け入れます。
解散して20年経ったけど、こんなワイルドで且つ男の汗を色香に変えるバンドはミッシェルとブランキーぐらいだ。

アベフト
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.6


文化祭前日のわちゃわちゃ感。
学生当時はこの祭りがずっと続けばいいのにと一瞬思うのだが、本当に続いてしまったら…。

夢の世界が現実になって抜け出せない展開はその後影響を受けた作品を多数生み出す。
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます


お互い違う種類のこころの病を抱えた男女が恋愛、友情を超えて支え合うこころ暖まる物語。
という大筋は間違ってない。

しかしこの映画にはもう1人の主役がいて、それが光石研演じる社長の早逝した弟である。
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スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.5


男の友情。
21世紀の現在において、生産性も徳もなく、多様性が問われる今最も意味のないものかもしれない。

短気で喧嘩早いマックスと、おどけていて一見陽気だけど、家族を捨てて放浪していたライオン。2
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永遠と一日(1998年製作の映画)

5.0

四半世紀振りに再鑑賞。
詩篇そのものと言っていい作品。

移民の少年の微笑み

寒々しく恐ろしいアルバニア国境

言葉を買い詩作する詩人に倣い
少年から言葉を買う詩人

幻想的な夜のバス

少年との別
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.6

失われた時間。
眼差しとその想い。
映画という記録。

語り口はシンプルなのに訴えてくるメッセージは信じられないほどに雄弁なのは過去作品と同様というよりはそれ以上である。
もっとパーソナルで枯れた内容
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.3


ケイトブランシェットの鬼気迫る演技を引き出すために作られた映画らしい。
それに120%の力で応える彼女は素晴らしい。

が、天才のエゴと私欲が現代のネット社会に晒され転落していくリアリティは良く描け
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

4.4


人の世は芸術と違い永遠はない。
フライフィッシングの天才でありながら、ギャンブルで破滅していくポール。
若く美しいブラットピットのいたずらっ子のような微笑みと危うげな脆さが冒頭の言葉を見事に体現して
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アンダーグラウンド 4K デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

5.0


地球に住む人類である限り、私も含め人は皆祖国を持つ。
祖国とは個人がどれだけその国を愛していようといまいとその人のアイデンティティに少なからず関わり、人間形成に関わっている。

その祖国が亡くなって
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枯れ葉(2023年製作の映画)

5.0


ようやく見れた枯れ葉。
いつものカウリスマキワールドだが見終わった後は他の作品より、ほっこり優しいエンディングに感じた。

フィンランドは1300km以上の距離でロシアとの国境線があり、ウクライナ戦
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.4

交通事故で妻を亡くした作家の幸雄。
同じ事故で死んだ妻の夫とその子どもたちと、擬似家族になっていく過程が暖かくも、どこか脆い。

この家族との関わりの中で幸雄が行き着いた言葉が
「人は強く弱い」
「人
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

4.7

ドキュメンタリーである裁判の場面の終盤。
映画、芸術への愛を語り、俳優として演じるのが夢だと言った被告に対して、監督が言った言葉。
「もう貴方は演じてますよ」
ドキュメンタリーと再現シーンが瓦解し、裁
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

かなり前に見たので記憶がおぼろげだが、タルコフスキーの惑星ソラリスは異星の存在と接触することで、亡き妻の面影に遭遇して過去から逃れられない男の話だったと記憶している。

近年のSF映画でとにかく評判の
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.5

クエンティンタランティーノ監督約30年前のデビュー作。

やさぐれ宝石強盗達の与太話と、血まみれのバイオレンスが半々の割合を占めた苦手な人にはどこまでも苦手な怪作。

しかし、これが何故かスタイリッシ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.0

そもそも1954年→1947年と終戦直後に設定を変更したのは、これが第二次世界大戦の代理戦争であるのは間違いなく、生きろというメッセージと相反する、特攻という行為と元海軍兵士たちの敬礼を格好良く配置す>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

4.8

こちらは公開時以来、20ウン年ぶりに視聴。
変わらず良き映画でした。

今回は夫婦2人ダブルで堕ちて行きます(泣)
ダブルなだけに不幸のプロセスも多岐に渡ります(泣)
しかしダブル仏頂面で淡々と諦めず
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.8

沖田修一監督の横道世之介は私の中で青春映画のナンバー1だ。
皆が知っている、さかなくんが誕生するまでを描いたこの作品も負けずの傑作。

ずれた笑いとちょっぴりビターなエピソードを絡めつつ、見終わった後
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街のあかり(2006年製作の映画)

4.4

今回も無愛想な主人公が堕ちるとこまで堕ちます。しかし諦めない主人公の最後には僅かな希望が。
カウリスマキやっぱり大好きだ☺️

別れる決心(2022年製作の映画)

4.2

酷く歪だけど、反面ストイックなラブストーリーだなと思った。
暴力やセックス描写はないけどオールドボーイと描きたい本質、堕ちていく感情は変わらないのだろう。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

役所広司
観た後彼の名前しか思い浮かばないくらいの圧巻の存在。ほとんど喋らないのに…。













それとヴィムヴェンダース監督は、今は亡き盟友ルーリードのパーフェクトデイをダニーボイル
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.6

映画の西部劇の世界とは違う、荒ぶる男しかいないリアル西武開拓史のオレゴン。
領主の牛の乳を夜な夜な盗み、それを原料に美味しいドーナツを作り一攫千金を狙う2人の優しい男。

ケリーカイラート監督が描きた
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スモーク(1995年製作の映画)

5.0

毎年(たまに多忙で見れない年もあるけど)
クリスマスに鑑賞して10何年。

この映画の登場人物たちとエピソード。最後に語られるクリスマスストーリー。たばこの煙のように掴みどころがなくふわふわとしている
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