NOBUさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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光をくれた人(2016年製作の映画)

3.5

イザベルの行いを観客がどう捉えるかに尽きるのではないか思う。
彼女の子供欲しさから来る悲劇のストーリーではあるが、彼女を演じたアリシア・ヴィキャンデルがまた素晴らしく、あのルーシーを抱きかかえるイザベ
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ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋(2011年製作の映画)

3.3

監督、脚本を手がけたマドンナの想いと人生観がウォリスシンプソンの生涯を通じて全てが投与された映画ではないかと思ってしまう。それは、もっぱら彼女の視点であり、そこに出て来る男性陣の情けなさも垣間見える。>>続きを読む

希望の灯り(2018年製作の映画)

3.8

好き嫌いの別れる映画であろう。おそらく眠気に襲われる観客もいるに違いない。しかし僕が好きな理由にこの作品ののっぺりとした華のない世界感、この創り込みの完成度が非常に高いからである。
そして、クリスティ
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世界でいちばん不運で幸せな私(2003年製作の映画)

3.5

誰にも忘れられない幼馴染みなはいるだろう。どんな形であれ、それが大人になっても続く関係はこの映画を楽しませてくれる。
ただ、こう書いてしまうとこの映画の世界観からは全く乖離してしまう。とにかく狂ったス
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エディット・ピアフ愛の讃歌(2007年製作の映画)

3.0

この映画はピアフを演じたマリオンコティヤールが全てである。話し方、表情、振る舞い全てに於いて圧巻。女優としての彼女の力量を感じさせる一本であるのは間違いない。
しかし伝記映画にありがちなストーリーの平
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人生は、奇跡の詩(2005年製作の映画)

3.5

ロベルト・ベニーニ本人の人柄が詰まった映画と言えるのではないでしょうか。
ストーリーははっちゃかめっちゃかで、ストーリーが持つべきロジックからは乖離しまくりであるのに、妙に巧く完結させてしまっている。
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

3.5

ナチスの支配下のユダヤ人は死に怯え、ナチスの横暴は当然、憎しみを生むが、この映画はそういった残酷極まりない姿を描きながら、決して憎しみを助長することなく、シュピルマンのひたすら音楽を求める姿を描いてい>>続きを読む

僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.8

東ドイツの社会主義体制。この日本で生まれ育った自分からは想像もできないような思想統一による監視で抑圧されたこの空気感は冒頭の西側ドイツの風景とは対照的。そして、この映画での絆と友情から来る葛藤、青春映>>続きを読む

女は二度決断する(2017年製作の映画)

4.0

この映画はカティアを演じたダイアン・クルーガーの表現力が全てである。
「家族」「正義」「海」の三部構成はそれぞれ色調や風格を変えながら、ヘイトクライムでの家族を失った一人の女性の怒りと絶望、そして心情
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わが教え子、ヒトラー(2007年製作の映画)

3.0

コメディーとして演出も面白いが、ユダヤ人に頼るヒトラーは現実として無理があるは事実で、その点を、コメディを交えてもっと説得を入れて欲しかった。そうすれば、面白さが倍増したように思う。
ウルリッヒ・ミュ
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ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

3.5

人生がゲームのように、軌道修正しながら目的を達成させていく三パターンの仕立てが面白い。
人生で、もし数秒遅かったり早かったりすればその後の人生が変わるんだろうと言えることが多々ある。ただ、走って目的を
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5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(2017年製作の映画)

3.8

目の障害を隠して一流のホテルマンを目指すサリーの努力は実話であり、驚愕である。
今日の移民問題、人種、シングルマザー、クスリなどドイツ社会の問題も描いている。とは言いながら、クラブシーンや恋愛など、エ
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.5

日本で政治を題材にした作品で相当にハードな制作であった事は想像に難くない。
作中のカメラワークには、視点の緊迫感を保たせ、新聞社側と政府側の人間としての葛藤、それが交わる時のうねり、その人間性を追求し
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真実(2019年製作の映画)

3.0

題材が素晴らしいだけに、押し足らなかった感が否めない。演出面でもう一押し二押しが欲しかった。国際合作で、異国の地で異文化を撮ることの難しさが強く見えたような気がする。日本人監督がフランスでフランス映画>>続きを読む

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)

3.5

繁栄期のナチスとヒトラーの映像は実写を通じて目にすることが多いが、終焉に向かう悲惨な姿は意外と目にすることはない。ヒトラーとナチスの主要幹部の最期の過程を描いている姿は、結果を知っていても生々しい。>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.8

タランティーノ作品としては独特の暴走っぷりは封印。と言うわけで、往年のタランティーノファンからすればあまり面白くないかもしれない。しかし、60年代後半にかけてのアメリカの変貌期がハリウッドを通じて垣間>>続きを読む

天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.8

大富豪でただ仕事だけに活きてきた一人の人間が別れた昔の恋人と突然に別次元の現在で庶民的ではあるが幸せな家庭を送っている姿を自身が体現するとどうであろうか?ヒロインのティアレオニーが素敵すぎてこの作品を>>続きを読む

名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)

4.0

ドイツ人でありながらユダヤ系ということで、迫害を恐れアフリカで過ごす父、母と娘の慣れない環境で受け入れていく姿が丁寧に描かれている。それぞれの祖国ドイツへの認識は様々。そして、家族の縺れはどの国の家庭>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.5

聴衆は芸人扮するヒトラーの言葉に、笑い共感していくのである。この仕掛け人のディレクターは本来はそれが狙い。しかし、ユダヤ人に関する発言を巡り、笑いを超えたシリアスな表現で単なる芸人とは思えなくなるので>>続きを読む

ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜(2010年製作の映画)

3.8

誰もが経験しうる失恋の経過がゲーテに対し親近感を沸かせる。「若きウェルテルの悩み」が描かれるまでの姿がこの映画で描かれている所に「恋に落ちたシェークスピア」を彷彿とさせる。しかし、こちらはもっぱら男性>>続きを読む

GIGANTIC ギガンティック(1999年製作の映画)

3.0

おそらく、大学生の頃にこの映画を初めて観ていたら好きになって自分の映画製作に影響を与えていたかもしれない。大学を卒業して10年少しが経ち、自分の嗜好も変わったのかなと感じさせられる。

U・ボート(1981年製作の映画)

4.0

149分版で観たが全く長く感じさせない構成で、観ていてあの兵士たちの緊張感に吸い込まれていく。潜水艦での生活は抑圧的で重々しく決してカッコいいものではない。敵が接近してくる音の表現が素晴らしい。攻撃シ>>続きを読む

エロス+虐殺(1970年製作の映画)

3.5

無政府主義者の大杉栄の人生観を女性視点から描いているのだが、自分にとっては、精神的描写が長すぎて苦手である。
ただ、1969年現在から恋愛観を語る構成はとても面白い。そして当時の若者のビジュアル感覚が
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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々(2005年製作の映画)

3.5

ドイツの反ナチス活動の実話。処刑されるまでの残りの数日を描いているが、そのほとんどが室内での台詞で重々しく展開していく。しかし、怠くはならない見せ方が素晴らしい。結末はあまりにも残酷で、観る者に憎悪を>>続きを読む

ベルリン、僕らの革命(2004年製作の映画)

4.0

資本主義社会に不満を持ちそれを訴える3人。彼らが訴えるテーマは若者の抱える今の社会の問題であり、政治思想が語られ、一見、堅苦しい作品のように思えるが、3人の友情、そして恋愛絡みがストーリーを展開させて>>続きを読む

ふたりのロッテ(1993年製作の映画)

3.0

二人のヒロインが観客を愉快にさせる。ただ、脚本は少し甘く、あらゆる点において不合理な点が多々ある。一つ一つ取り上げると、アラだらけになるが、それでも、作品全体として二人の軽快なやりとり、性格の違いなど>>続きを読む

ヒトラーの贋札(2007年製作の映画)

4.0

死と隣り合わせの中でのナチスに協力する偽札製造の姿と様々な人々の葛藤。ドキュメンタリー映画を漂わせるカメラワークが好きです。

東ベルリンから来た女(2012年製作の映画)

3.6

監視社会での中で誰を信頼していいか解らない中に生じる心の通った言葉のやり取りは、この映画の冷たい世界の中に暖かさが注入されて、人間の姿をより浮かび上がらせている。素敵な映画です。

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.5

東ドイツのある昇格を有望された監視官に芽生える人間の心にのめりこんでしまう自分がいて、そのウルリッヒ・ミューエが演じるその表情があまりにも素敵である。最近、ドイツ映画を連日観ています。

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