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希望の灯りのNOBUのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
3.8
好き嫌いの別れる映画であろう。おそらく眠気に襲われる観客もいるに違いない。しかし僕が好きな理由にこの作品ののっぺりとした華のない世界感、この創り込みの完成度が非常に高いからである。
そして、クリスティアンを始めそれぞれ登場するキャラクター皆が傷や暗い背景を背負っている。彼らの心情をカメラの構図や照明が如何なく表現して心を代言している。総じてその映像がとてつもなく美しいのは、出演陣の演技力の高さに美術、カメラが一体となっているからである。
同時に東ドイツの残した傷跡もこの作品から滲み出て来る。この完成度の高さにドイツ映画らしい風格も漂わせている。
社会でスポットライトの浴びることのない人々を丁寧に描き、そこにしっかりとスポットライトを浴びさせている作品である。
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