lotusさんの映画レビュー・感想・評価

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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

ブリュッセルに暮らす清掃婦のハディージャ。
ある日、仕事からの帰り道に乗った電車で寝過ごし、見知らぬ駅に着いてからの一夜を描く。
真夜中に見知らぬ街に降り立つ心細さを知っているので、(私も電車を乗り過
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

私は数学が得意でないので、数学によって感じられる世界の美しさがわからない。

しかし、オッペンハイマーは、音楽家が譜面から音楽の美しさを理解するように、数学からその美しさを理解することができた。

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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

約3時間半と長尺だが、それを感じさせない作品だった。さすが、スコセッシ。

ストーリーは史実を元にした小説原作で、アメリカ原住民のオセージ族が持つ土地に石油が出たことから、不幸の歯車が回り始める。
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.9

気楽に見れるアクション•コメディ映画、なんだけど、プロットはやや複雑でどんでん返しがある。
というのも、主人公が実は記憶喪失者だからだ。

主人公はベストセラーのスパイ小説『アーガイル』の作家、エリー
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.5

若く美しい、という言葉は賞賛ともなるが呪いともなる。

主人公は、ヨーロッパ宮廷随一と言われた美貌を持つ、オーストリア=ハンガリー帝国の皇后、エリザベート。

この映画では、ちょうど40歳になる前後1
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バービー(2023年製作の映画)

4.5

なんで?と思うかもしれないが、この映画は大スクリーン&よい音響で見たほうがよい。
(日本でもIMAXで見られればいいのに)

配信になったらスマホで、という気持ちも分からなくもないが、R•シュトラウス
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

冒頭5分だけでも、この映画は映画館で見るべき作品ということがよくわかる。

スタジオジブリはその映像の美しさでよく知られており、改めてその点を強調するのも気がひけるが、光の表現、熱による大気のゆらめき
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.8

新作公開前に、復習のためAmazonプライムで見た。

結構血みどろ度が前作より上がっているので、ゾンビ映画とかで血みどろに慣れていない人は見るのしんどいかも。

稀代の凄腕殺し屋ジョン•ウィックの物
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.7

いつものトム•クルーズが見られる映画。
私にとっては、もはやストーリーとかどうでもよくて、トムが元気にアクションしているのを見るための映画となっている。

それにしても、ミッション•インポッシブルには
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.5

かなり後味の悪い映画。
メインの主人公エミリーは保育園に勤める白人女性。人種差別主義者で、「多様性」の社会で白人女性である自分は割を食っている、と感じている。

なので、同じ「悩み」を持つ白人女性を集
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.0

映画会社で働くアシスタント、ジェーンの1日を描く本作。多数の関係者への聞き取りを元に作られたフィクションだが、内容的には事実を元にして作られた「She Said(シー•セッド)」のB面的作品と位置付け>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.2

すごい映画だった。
殺人犯が誰なのか、わかった後からが一層すごかった。

ストーリーはイランの聖地マシュハド。女性の連続殺人(フェミサイド)が起こっており、街の人々は不安に怯えている。

その街にやっ
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恋のミニスカ ウエポン(2004年製作の映画)

3.8

このところ、デボン青木がAcneやMet Galaでカムバックしているので、懐かしくなって出演映画を探して本作を見た。

簡単にいうと、アメリカ学園ものとチャーリーズ•エンジェルを足して割ったみたいな
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

アカデミー賞、ゴールデングローブ賞など、今年の賞レースを総なめにした感のある同作。

アメリカでは1年前に公開されて話題になっていたが、なかなか日本に来なかったので、劇場公開はないのだろうか。。と思っ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.2

黒澤明の「生きる」をノーベル文学賞作家のカズオ•イシグロが脚本を担当し、舞台を第二次大戦後のイギリスに翻案した本作。

主人公はビル•ナイが演じるウィリアムズ。スーツに山高帽とイギリス紳士然とした格好
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

3.7

キー・ホイ・クァン(アカデミー助演男優賞おめでとう!)が出ているので、久しぶりに見直してみた。

スピルバーグの新作、「フェイブルマン」を見た後なので、様々な映画トリックをより面白く感じた。(アクショ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.3

賞レースではエブエブの影に隠れて今ひとつ目立たなかったため、スピルバーグ作品にも関わらず存在感が薄い気がするが、素通りするにはあまりに勿体無い!(一応、ゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を受賞してい>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.8

17世紀に実在したイタリアの修道女、ベネデッタの奇跡に彩られた人生が描かれている。

映像の色調は宗教画のようで、シリアスな物語かと思ったが、さにあらず。

信心深い人、素朴な人にはカソリックの奇跡に
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.5

今の生活の中で価値あることが、別の場所に行くと何の価値も持たなくなることがある。

現在の生活で価値があるとされていることは、本当にそうなのだろうか?というのが皮肉を交えて描かれている。

主人公は、
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.6

永遠の恋に憧れる人はどのくらいいるのだろうか。

主人公ヘジュンは普段はソウルで優秀な警察官として働き、週末になると郊外の街、イポ(架空の都市名)の原発で、技術者として働く妻の元に、車で通う。

ヒロ
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

この映画は映画ではあるが、事実を元にしており、その事実は一段落ついた過去の出来事ではなく、現在も続いている出来事だ。

女優のアシュレイ•ジャッドが本人役として出演し、映画と現実の結節点になっている部
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バビロン(2021年製作の映画)

1.5

舞台の始まりはハリウッド黎明期。乾燥した地にほとんど山師のような連中が集まってできたハリウッドがどんちゃん騒ぎで幕を開ける。

禿山の上にぽつんと立つ、家にしては大きく、城にしては小さいような建物の中
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

とても評価に困る映画。アイルランド本島の離れ小島、イニシェリン島の景色はとても美しく、その自然には見とれずにはいられない。が、それは私が都会の人間だからそう思うのかもしれない。

島から出ることができ
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.2

主役は「ミッド•サマー」などに出演の、フローレンス•ピュー。

舞台はビクトリーという名前の都市。1950年代な雰囲気で、砂漠のど真ん中に集合住宅があり、同じ会社に勤める男たちの家族が住んでいる。朝に
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.7

ものすごく邪悪な悪意というのが出てこないので、優しい世界を見たくなった時におすすめの映画。(嫌な人も少しは出てくるけど、主人公の周囲の人間がとても優しい)

主人公はイギリスで他の人の家を清掃して生計
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マダム・イン・ニューヨーク(2012年製作の映画)

4.3

恋は要らないの。欲しいのは尊重されること。
という、主人公シャシの言葉を何かスローガンとしてどこかに掲げたい気分だ。


主人公シャシはインドに住む一見保守的な専業主婦。きちんと伝統衣装のサリーを着て
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RRR(2022年製作の映画)

4.5

壮大なるインド音楽とアクション、CGに彩られた一大叙事詩。
インド映画史上最大の製作費、97億円もうなづける。

誰もが期待するインド映画の想像をさらに上回るど迫力アクションと、ワーグナーのオペラをさ
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あのこと(2021年製作の映画)

4.8

アメリカで女性の中絶権を認めるローV.S.ウェイドの判決(1973年)が昨年の6月最高裁で覆された。日本ではその後に公開された映画だ。

タイミング的に女性の自己決定権というテーマが強調されるが、自己
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.2

待望のキングスマン最新シリーズ。
レイフ•ファインズ以外知った名前がなく、キャストが少し地味な気がしたけれど、めちゃくちゃ面白かった。

特に、ロシアの怪僧ラスプーチンのキャラクターが強烈で(調べてみ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

短編3つからなるオムニバス映画。一つ一つの物語は独立しているけれど、3つあるからこそ、一つ一つの映画の良さが際立つものになっていた。

この映画は映画の力が遺憾なく発揮されていて、特に1話目と3本話目
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

2.0

原作が好きなので見に行ったけれど、だいぶ色合いの異なる作品になっていて困惑した、というよりもがっかりした。(とはいえ、批判的な評価も目にしていたので、ある程度心の準備はできていたが)

原作の小説は、
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

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あの大ヒット作や名作を支える音の世界。音響さんはいかにその作品と向き合ったか?舞台裏からもう一度あの作品を見ることは、映画好きにとっては興味深いことこの上ない。

スターウォーズ、ヒッチコックの鳥、イ
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

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主演のマーゴット・ロビーはもちろん、音楽、演出、構成も最高。
この先、元気がなくなった時はこの映画を見ればいい、と思えるほど最高だった。これは女の子を元気付ける映画、ガールズ・エンパワメント・ムービー
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

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ルイザ・メイ・オルコットの「若草物語」が原作だけれど、そのまま映画化したわけではない。

四姉妹の次女、ジョーがメインキャラクターだが、ジョーが書きあげた物語が「若草物語」というつくりになっているので
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グリーンブック(2018年製作の映画)

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当時の黒人差別はこの映画の大きな背景だが、もう一つ、ピアニストのドン・シャーリーがマイノリティであるところが示唆されるシーンがある。
二重にマイノリティであることによって孤独を強いられてきたドンが、ガ
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