このレビューはネタバレを含みます
見る前は、つらくて見てられないかもなんて思ってたんですが、帆花ちゃんとご家族の暮らしは思いのほか穏やかで、幸福そうで、引き込まれました。
冒頭でお母さんが言います。医者には脳死と言われたけれど、娘は>>続きを読む
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この断片的なスケッチを、余白が豊かと感じるか、舌足らずと受け取るか。自分は後者でしたが、それについては他の方も書かれてるので、もうひとつ気になった点を。画面のサイズについてです。今回採用されているスタ>>続きを読む
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この軽妙かつ深遠な会話劇を原語のまま味わいつくせるなんて、日本人に生まれてほんとうに良かったです。それほどに精緻きわまりない台詞の応酬が、観客を翻弄するように迂回しながら、知らずしらずのうちに核心へと>>続きを読む
むちゃくちゃよかったです。
今年の邦画は多彩ですが、一年が終わった後に「なにげにこれが一番すごくね?地味だけど」という作品な気がします。
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最近、川島監督の未見作をポチってちょこちょこ見てるんですが、この映画には唸りました。
人権派弁護士の森雅之と原節子の夫婦が主人公で、森雅之が弁護している殺人犯の娘(香川京子)を引き取って面倒を見てい>>続きを読む
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力作でした。真実を巡って二転三転する展開、タイムリミットが醸しだすサスペンス、シーンの緊張感を持続させる演出。長尺のドラマですが、巧みなストーリーテリングで、ダレるところがありません。
一方で、この>>続きを読む
流行りのバンドのPVの監督で、予告篇もなんとなくイケイケな感じだったので、ドヤ顔した映画なのかなと勘ぐっていたんですが、杞憂でした。むしろ逆に、内省的で、プライベート感のある、新人監督らしい瑞々しさを>>続きを読む
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平屋の勤め先とタワマンの住まい、川のこちら側(都心)とあちら側(郊外)、現実世界と虚構の世界(芸能界/小説)、という対比的な舞台装置のなかで、現代におけるリアルな生のありかを探していくようなお話。言い>>続きを読む
GYAOでやっていたドラマの無料配信は、道半ばで挫折しました。解像度が低いせいもあったと思いますが、陰影の薄い画面が安っぽく感じられ、深田監督も連ドラなんか撮らきゃいいのに、なんて思っていたのです。>>続きを読む
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始まってしばらくは、あーこういうオフビートなノリってあんま好きじゃないなあと身構えていたのですが、主人公がバンドに飽きたと言ってリコーダーを手にした辺りから、この映画の作者と主人公の秘められた熱情がダ>>続きを読む
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仮設の映画館で見ました。
https://www.temporary-cinema.jp/
普通の男の子みたいに見せていた子が実は聴覚障害者だとわかる流れとか、歌にのせて甘い思い出や悲しい思い出を見>>続きを読む
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久しぶりに見直して、何も覚えていなかったことがわかりました。というか、ストーリーが過密すぎて頭に入ってこない。なのに、その圧倒的な情報量の眩暈感でスゲーとなってしまう感じはシンゴジラに近いですね。>>続きを読む
とても良く出来てるけど、それほど良い映画だとは思えない、というのが率直な感想です。まあ、無い物ねだりではありますが…
以前、ストーリーも映像も非常に作り込まれた映画を見た直後に、ストーリーも撮り方も>>続きを読む
まるでポップアートが動いているかのような映像世界。
ビジュアルだけでいえば、アキラとか攻殻機動隊のようなエポックメイキングな作品だと思います。
いろんなキャラクターを出してるぶん物語は薄まってる気>>続きを読む
もう10年も前の映画なんですね。自分の中では、行定勲監督の中でも、吉田修一原作の中でも、イチニを争うぐらいに好きな映画です。全部を見ているわけではありませんが…。
当時はまだ新しかった「ルームシェア>>続きを読む
何年か振りに小津映画を見ました。初めて、小津映画っておしゃれなんだ、と思いました。カラー作品なのが大きいと思うんですが、なんで今までそのことに気づかなかったんだろうと。映ってるもの、映ってる人、映し方>>続きを読む
落ち目になった置屋の資金繰りの話。田中絹代演じる女中さんがその置屋に来るところから始まります。いわゆるバックステージ物と言われるジャンルに近いのかなと思いました。
当時の観客からしたら、華やかに見え>>続きを読む
これだけ限られたキャストとシチュエーションで、人の意識とか感情とか関係をこんなにも深く表現できるということに驚嘆。「あるある」の共感にすり寄るのではなく、「ないない」の人物や設定を深く掘り進めた先で、>>続きを読む
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ある意味、問題作ですね。。。
やさぐれたCMディレクターの夏帆さんも、お母さん役の南果歩さんも、お兄ちゃん役の黒田大輔さんも、これまで見たことのない魅力というか引力をまとっていて、彼女らを見てるだけ>>続きを読む
よく出来たオハナシやなあと思いました。さすが脚本家としても活躍する監督さんの作品という印象です。
14歳の性春ストーリーを、凝ったディテールとバカバカしい展開で盛り上げながら、成長譚としてのオチをき>>続きを読む
公開当時に見て、好きな映画ではあったのですが、久しぶりに見直して、奇跡みたいな一本だなと思いました。
石ころの神様のもとに配された生と死のモチーフ、その中で繰り広げられる女たちの生と性の群像。どのエ>>続きを読む
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最近一番の拾い物。
昭和の香り漂うスポ根ドラマです。
プロ野球を解雇された30過ぎの男が、競輪の世界に飛び込んで、立ち直っていく話。これだけ聞くと、なんかありそうなストーリーだし、競輪て地味そうだな>>続きを読む
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引きこもりの息子が自殺。現場を見た母は手首を切り、ショックで記憶を喪失。そんな母をこれ以上傷つけまいと、娘と父とおじは、(自殺した)息子はおじの誘いでアルゼンチンに働きに行った、と嘘をつく。というのが>>続きを読む
トークで監督の恩師である方が、この映画の個性について簡潔に語っていました。「震災の映画なのに、怒りと悲しみをほとんど描いていない」と。
それに対して監督は、被災地に「遅れてきた」者として、同じように>>続きを読む
俳優と非俳優を混在させた被写体は、その差異のまま投げ出されたように存在していて、演技として見ればいいのか、演技している人たちのドキュメントとして捉えた方がいいのか、わからなくなっていきます。非俳優であ>>続きを読む
ネット社会をテーマにしたシリアスな群像劇。重いテーマに引きずられて、全体的にヌケの悪い印象でした。
特に子どもを亡くした夫婦の演技が終始陰鬱で一本調子。つらい出来事の後だって、お腹はすくしウンコも出>>続きを読む
ちょっと怖そうな映画かと思いきや、少年ふたりがチンコとかオッパイとか、覚えたての卑猥な言葉を連呼しながら、荒野をブラブラ歩き続けるだけの意表をつく導入部から引き込まれました。
終始ムダのない展開にう>>続きを読む
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イタい女の子の青春物語。シナリオがとても良く出来ていて、面白く見れました。
でも、この面白く見れてしまうというのが曲者で、あんなにこじらせてたのに、こんなにすっきりハッピーエンドかよ⁈という風にも、>>続きを読む
自分の好みではありませんでしたが、このワイルド感というか、お行儀の悪い感じは、ちょっと筋金入りな気がしました。やくざなアダムサンドラーが良いです。
ウディアレンの映画って大抵90分くらいだし、ライブやダンスのシーンが必ずあるし、話は決まって男と女のあれこれだし、なんというか、映画のフォルムはあんまり変わらない。
でも飽きずに見てしまうのは、あら>>続きを読む
カンヌもアカデミーもということで、どんだけー?!と思っていたんですが、なんだ、そんなに大騒ぎするほどの映画じゃないじゃん、というのが率直な印象です。
たしかに社会性もあり、飽きのこない展開で、スルス>>続きを読む
それぞれのシーンは、ドキュメント風の演出で見応えがあるのですが、それが物語として大きな流れになっていかないもどかしさを感じました。だからクライマックスの電話のくだりも、それ自体は素晴らしいシーンなのに>>続きを読む
めっちゃカロリー高い映画だなあと思いました。
例えば、エキストラが大勢いるシーンを丁寧に撮ってるとか、AIのシステム画面を作り込んでるとか、細部まで労力をかけてる感じが伝わってきて、スタッフさんの消>>続きを読む
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悲劇的なクライマックスからラストに至る見事なシーンの積み重ね、そこで映画のつくり手たちの意志をはっきり感じることができました。ここまで主張のある日本映画は今どき珍しく、そこに価値があると思いました。>>続きを読む