へえ、音楽オタクの犯罪幇助ものかあ、珍しい感じやなあ、映画の偏執的な編集リズムと、劇中の打ち込み男子感がハマってるやないの、へええ、なんて思っていると、あれよあれよという間にインディー男子版「ボニー&>>続きを読む
TVドラマの映画化ということで尺的にさすがにきつかったのか、所詮はトカゲのしっぽを切り落としているだけの最終決戦にはあまり興奮しないものの、導入のうまさは相変わらずだし、ドンパチアクションと見せかけつ>>続きを読む
これもまた...しくじる男たちの物語だ。勝利を目前にして、必ずと言っていいほど男たちはしくじってしまう。裏切り、欺き、あるいは暴力によって。マイケル・マンの、ヒロイズムへの警戒心がそうさせるのだろう。>>続きを読む
アプリの更新を止める直前に観ていたいくつかの映画、その6、かな。古い記録を見返していたら、マーク漏れだったのでせっかくだし追加。 2011年7月23日まで生き、27歳でこの世を去った女の物語。2016>>続きを読む
なるほど、「地下室はもう満員」ってか。なるほどなるほど。「逃走」の夜の、無数の階段とトンネルとがすべてを物語っているじゃないか。なるほどなるほど、こんなに遠いのか、まったく泣けるじゃないか。でも、すご>>続きを読む
マイケル・マンの映画をこの代表作を含めてようやく何作か見て思うのは、まず、極めて素朴に申し上げて「導入のプロ」ということだろう。何の説明もなく、映画が始めるとそこはいきなり周到に計画された強盗犯罪の現>>続きを読む
レンタル屋をぶらぶら巡回していて、はっと息をのんだ。西部劇のコーナーに、あの伝説の『七人の無頼漢』があるではないか・・・いやいやそんなはずはない。西部劇に傾倒し、誰にいいねされる訳でもなく人気のない周>>続きを読む
抜かりなく濡れた夜のアスファルト。台詞らしい台詞もなく、淡々と(かつ、妙に具体的に、冗長なまでに具体的に)進行する盗みの現場。重く沈んだ暗闇の中で躍動する男たちが、これまた妙に凝った構図で淡々と切り取>>続きを読む
尊敬するシネフィルガチ勢某氏の『ミッドサマー』絶賛レビューで「誰やねん」となり、リハビリを兼ね、主要メディアの年代ベストをスクロールしていくと、どこにでも出てくる『ヘレディタリー』に、またしても「誰や>>続きを読む
必ずしも円熟だけを目指している訳ではないだろうが、しかし円熟してしまうことを拒絶もしてなさそうな、これからの年の取り方を探しているような一作。曲がりなりにも学生時代に『ゼア・ウィル~』を観て以来、人並>>続きを読む
その存在を思い出したときに時々タイムラインを覗いていたFilmarks、なんか広告増えたなあ、と操作性にダルさを感じつつも、皆さんの熱気からして「これはどうにもすごい作品を見逃しているっぽいな・・・」>>続きを読む
サノスとは何だったのか・・・というくらいの、少年漫画のラスボスにいかにもありそうな古典的「リセット思想」と、アントマンとは何だったのか・・・というくらいの「過去に遡って悪事を食い止めよう」的タイムマシ>>続きを読む
『アベンジャーズ』が完結したらしい、というのも、映画から遠ざかっている間の気がかりな話題の一つだった。08年の『アイアンマン』を若かりし頃のデート映画に選んでしまったことの後悔(すごくつまらなかった)>>続きを読む
ノーランが2時間に収まる映画を撮ったらしい、いよいよ改心したのかと思いつつ、まあでもこんな心構えではフラットには観れないよなあと迷いながらも、最後まで見た。ノーランぽくなくて面白かった。
とは言え、>>続きを読む
決して詳細には語られないが、アダルト・チルドレンとして、そして元軍人として、二重のトラウマを抱える殺し屋の男と、強制的な未成年売春で生気を失ってしまった女の子。男にできることと言えば、自らに痛みを与え>>続きを読む
今、おそらく僕たちは歴史の分岐点に立たされている。歴史とは、上野千鶴子の言う通り、「何を記憶し、何を忘却するか」の絶え間ない選択だ。どうにも、忘れてはいけないことがたくさんある。ドゥ・ザ・ライト・シン>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『北北西に進路を取れ』を観て「つーかこれ、007じゃない????」となったように、『鳥』を観たら「つーかこれ、ゾンビ映画じゃない????」となった笑。あるいは、惜しくも活動を停止してしまった『Tiny>>続きを読む
どうやら久しぶりに何本か(所詮DVDなんだけど)映画を観れそうだ、となった時に、最初に思い浮かんだのはヒッチコックだった。
理由はいくつかあるのだけど、まず、38年の『バルカン超特急』こそが、自分に>>続きを読む
高級とりの夫と、学生気分の向けないハイカラ女のお見合い結婚、その後の長い長い憂鬱。検閲云々の話が語り草過ぎて、あんまり内容が正当に扱われているかは疑問だが、個人的には駄作の部類と思う。とは言えもちろん>>続きを読む
小津的テーマの寄せ集めパッケージ、駆け足の再演集という感じで、それ故に今さらドラマティックには撮れないのか、長屋のご近所付き合いを通しての喜劇として処理している。特に言えば、小津的命題=親を捨てること>>続きを読む
原節子が、北鎌倉駅に立つ時、もうそこでは事件以上のことが起きている。それだけでいわば歴史である。村上春樹の小説で言えば、男が井戸の中でスパゲッティを食べてるようなものだが、しかし、北鎌倉駅に原節子であ>>続きを読む
ありふれた題材、ありふれた筋書き。どのような作家なのか詳しくは存じ上げませぬが、おそらく、とても広い場所を目掛けて投げた一作なのではないかなと思いました。映画通のおじさんおばさんではなく、働き盛りの若>>続きを読む
遺作、か。カラーであることに戸惑いつつも、『晩春』の変奏曲を最後まで心地よく聴いた。技法的な部分は変わらないし、似たような気づきはここでは繰り返さない。妻に先立たれた片親と、その身を案じて結婚に踏み出>>続きを読む
記録によれば、2015年1月以来の再見。当時、4.2というスコアリングで誤魔化していたようだが、いやあ参ったね。今度ばかりは正面から傑作と謳い上げなければなるまい。
断固として固定された画面、ドラマ>>続きを読む
カメラが頑なに動かない。パンするくらいなら死んだほうがマシだという主義のカメラマンが撮っているのだろう。床の上からひっそりと、ドラマの断片を定点で捉え続けている。静かな、繰り返しのモンタージュ。だから>>続きを読む
アプリの更新を止める直前に観ていたいくつかの映画、その5。スコアは遠い記憶を辿ってボンヤリと。結局自己満足なんだよね、この人は。良いんだけど。
アプリの更新を止める直前に観ていたいくつかの映画、その4。スコアは遠い記憶を辿ってボンヤリと。当時のノリなら星4つつけても全く問題ないと申し上げたいところだが、海に飛び込むシーンを思い出したら、そのし>>続きを読む
アプリの更新を止める直前に観ていたいくつかの映画、その3。スコアは遠い記憶を辿ってボンヤリと。ハッキリ申し上げて、これは期待外れだったね。日本映画の気鋭たちは、その後、どうしてるんだろうか。
アプリの更新を止める直前に観ていたいくつかの映画、その2。スコアは遠い記憶を辿ってボンヤリと。美しい映画だった、思い出せるのはそれだけだ。しかしこれを見た地元のシネマテークに、一体もう何年訪れていない>>続きを読む
アプリの更新を止める直前に観ていたいくつかの映画、その1。スコアは遠い記憶を辿ってボンヤリと。何度か寝落ちした記憶が強い。この人の映画は長いんだよね、やっぱり。
曖昧な群像ではなく、明確に「貧困のこちら側」からの視点で撮られた映画であり、それ自体がメッセージなのだろう。つまり、この新進気鋭は、ダルデンヌ兄弟が貧困の題材に対して冷酷なまでに距離を保つのとは微妙に>>続きを読む
真っ二つに砕かれてしまった2016年のアメリカで、人種や、個性や、ライフスタイルのサラダボウルであるアメリカを語ること。いや、正確には「かつてサラダボウルと呼ばれた」アメリカの、ある筈もない幻影を語っ>>続きを読む
め、めんどくせー!笑。めんどくせーけど、彼女の気持ちが分からなくもない。彼女が19歳だったならば、だが。かく言う僕も少なく見積もっても25歳くらいまではかなりぐるぐるしてたしなー。彼女は、人生のどこか>>続きを読む
馬鹿みたいに面白い、馬鹿みたいな映画。信じられないくらいに美しい光に恵まれたショットの数々。男も女も、若者も子どもも中年も、みんな恋に恋して、あーだこーだ言ってる間に夏が終わっていく。。ただいま全国巡>>続きを読む
恋の三角関係がありつつ、しかしそれが100%の主題という風でもなく、主に手紙を介して極まるファミリー・メロドラマの高まりがありつつ、それも100%の主題ではなく、つまりそういう面倒臭い事だらけの人生の>>続きを読む
これは面白かった!部屋に女性が入ってくるだけのショットやシークエンスがあそこまでの力を持つとはね。ノワールというより、ヒッチコック的なサスペンスに同年のフリッツ・ラング『飾窓の女』的な幻想感がブレンド>>続きを読む