pepoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

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思弁的。観てるとだんだんこの世が遠ざかっていくような。とくに人類に肩入れしている訳でもない天使が、焚き火が燃えてるのや雪が降ってる風景をボーっと眺めてるみたいな感じで人の世を見てる目線、みたいな。
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

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描かせる、と決断することで自らがその肖像画の真の持ち主になる。振り向かないことで別れさえも選び取って想いを永遠のものにする。
主体的であるということが持つ力を見せつけられる、挑発的な作品だった。

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ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

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抑圧に抗う側が、結果的に誰も犠牲にならなかったのが良かった(←🐺の絶滅とかとはまた別の、物語の枠内の話)。
ロビンのパパがとうとう自分の弱さを認める台詞「怖いんだ」を口にできたのも良かった。
抑圧に抵
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ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)

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ナチス題材だけど主眼は芸術。
クルトが亡命した西ドイツの芸大で、(ヨーゼフボイスをモデルにした)教授は主義を異にする政党のポスターが描かれた2枚のキャンバスの両方に火をつけて、それらを「選ぶな」という
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

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製作陣のスゲー ドーヨコレ スッゲー!!!!!!みたいなのが伝わってきて笑ってしまった👍🏻ホラー観て笑うってこれかー😂 悲しい事情とか心理的葛藤とか潔く皆無で爽快✨なんか元気でる🔥

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

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似て非なる立場同士の連帯の難しさと、納得して通じ合えた時に生まれる光。ほんの一縷の希望が世代を継いで託されながら今に至っているんだなっていう...
脚本の素晴らしさで鑑賞後はアガるけど、「そして今に至
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どん底作家の人生に幸あれ!(2019年製作の映画)

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“何処を向いてどう語るのか”によって“誰にどう伝わるのか”も変化するんだなあという創作の妙味に触れられた気がする、原作未読だけど。(←
キャスティングがもういちいちお見事!で、「このキャラクターが実在
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パピチャ 未来へのランウェイ(2019年製作の映画)

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作品中の随所で彼女達の歌う声が流れていた。はしゃいだりふざけたり生命力が弾けるようだったり挑発するようだったり祈りのようだったり。エンドロールの静かな歌声で体の芯がギュッと絞られる思い。踏まれても踏ま>>続きを読む

博士と狂人(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

獄舎や精神病棟の中に居る“ 卓越した頭脳 ”の助けを得て問題解決にあたる...という図式からつい、ぜったい違うと知りつつレクター博士が頭を過ぎったりしながら観に行ったんですが当然まったく掠るところもな>>続きを読む

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

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もっとストーリーが曖昧でアート寄りなのかと思ってたけど、雰囲気に依存するのではなく、展開もドラマもカッチリと誠実に作られた作品だった。
一方で映像の雰囲気も独特ですごかった!
街のジェントリフィケーシ
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「マティアス&マキシム」観た
マックスがたどたどしくでも半泣きでも、ちゃんと電話口で自分のアドレス言えたとき心底ホッとした、よかった推薦状ゲット...
自分のお気持ちで他人の生活に関わる事務処理を阻害
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

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時おり挿入される古い映像がしっくりと馴染むような、渋みのある画面が魅力的。
マーティンが物語を紡ぐ時に、その頭の中の「イメージ」を色相を絞った光景として見せるという演出は、今まで観てきた「作家の仕事シ
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

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作品について殆ど予備知識無しで観てて、部分的に「あれ...なんか覚えがある...全然違うんだけどでもこの、臨場感なのかバーチャル感なのか分からない、カメラと一緒に登場人物をずーっと追いかけていくこの感>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

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「錆びついた工業地帯」に生まれ、親世代の「こんな筈ではなかった」の捌け口にされて育ったキアー、ザック、ビン。
彼らは「スケートボード」という間仕切で現実を身体性の及ぶ範囲に限定し、それによって初めて
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山の焚火(1985年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

こういう映画だったのか... 暫く虚脱。下界の町とは隔絶された、果てのないような天空の景色の中で営まれる暮し。双眼鏡で凝望される外界と虫眼鏡で凝視される家周りの些事。
なるほど、神隠しっていうのは
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はちどり(2018年製作の映画)

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瑞々しかった。“個人の問題は社会の問題”であることをはっきりと描きながらも、スクリーンの中で流れる時間には穏やかさがある。監督自身が、それでもなお家族や社会に対する希望を持ち続けているからなんだろうな>>続きを読む

Sorry Angel(英題)(2018年製作の映画)

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最後の恋の話、というよりそれも含めた「ジャックの生きた日々」の話だった。
扱いにくさや我儘なところもあるけれど陽気で人たらしなジャック。彼と周囲の人達との関わりが、敢えて色かたちを揃えていないような、
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

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はぁ良かったー(*´ `) アントニオバンデラスはごっついけど目が綺麗で可愛いんだよね。
今作では痛みと加齢で弱ってる感じになんともいえない良さがある... 老いと病みによる枯れでそそってくるの、高
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ルース・エドガー(2019年製作の映画)

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黒い切り絵のバレリーナのシルエットがクルクル回転する錯視の動画、を思い出した。ずっと右に回っていると思っていたのにふとした瞬間から逆に回っているように見える、そしていつの間にかまたその逆に。
ルースに
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アダムズ・アップル(2005年製作の映画)

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アダムズアップル🍏面白かった(🐱の件を差引いても)!
容赦ない絶望不条理劇を奇妙な可笑しみでかき混ぜた、最終的に心の温まり気味なブロマンスかもしれない、みたいな話だった... 🐛
日本語版📀出そう
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

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MV出身監督だし万能死体とか言っても画面はアーティスティックなんでしょ、って見始めて、まぁそうだったんだけど割と試される下ネタ耐性。孤独な彼が中盤で哲学的知見を得たりしつつ虚構とシビアな現実を行き来し>>続きを読む

みかんの丘(2013年製作の映画)

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すごく良かった。
例によって知識不足で😓ググりながらの鑑賞

チェチェン人部隊がロシアと一緒にアブハジア側についてるってって所が複雑ポイントなんだな あのジープの兵士達はロシア人だったんだな...
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スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

冒頭から空の色が強烈だった。
茶錆びたモチーフがぽつりぽつりと並ぶ、風鳴りのする砂漠の大地と、ときに昏さを覚えるほど濃い青の対比。
ベティのコスチュームや何度も堕ちては作り直される飛行機は、そんな自然
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ダンサー そして私たちは踊った(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

メラブがその後、「国を出て行くか否か」について、twitter等でいろんなレビューを拝読して(いろんな視点をいただきました🙏🏻感謝です)私なりに思ったことをちょこっと。

レヴァン君のインタビュー等を
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

足を撃った!よりによってあのステージの後で足を!
単に命令されたから殺す、とかいう戦時特有の思考停止なロボット的行動に留まらない、あれは残虐さを嗜好する振る舞いだ。

f○○kin ideology、
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

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人生を「全うする」「完全燃焼する」って言葉の意味は人それぞれだとつくづく思う。だからその価値観を共有できるモリーと出会えたケンは本当にラッキーマンだ。
フォードにフォーカスしてる分経営陣はフェラーリの
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フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

コーンウォールの眺めと漁師唄の取り合わせ、間違いなくいい。陽射しと潮風に灼けた顔の漁師達がPコート着て歌う姿はこれ観るだけでも価値あり、と思った。ジェイゴお爺ちゃんがとくにいい味だしてました。

ただ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

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ラストの構図にスッキリ。面白かった。
難儀な体質のヒロインだけど、アナデアルマスならなんか...しょうがないか!って思える可愛さ。ダニクレが画面に居てくれる事で高まる期待と安心感(続編で続投するのはダ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

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後から後から泣ける もっとティッシュ持って来ればよかった。
禁じられた反戦ビラを撒く時にも素敵な靴を履いていたりカラフルな軍服をデザインしたり
自由を殺させない人達の守って遺したものが最後に踊る話だっ
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his(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

誠実な作品だったと思う。
そして主演ふたりがものすごく良かった。
迅のあの、優しい人なんだな、でも傷ついてきたんだなという感じが、特に台詞の少ない前半、ちょっとした挙動や佇まいだけで伝わってくるのがす
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

格差という重いテーマの作品を、それでも心待ちにして観れたのは“笑い”の要素をどういう形で織り込んだのかに興味があったから。
重いテーマとブラックユーモアの組合わせでいえば、例えばブラッククランズマンと
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

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ああ日本のアニメめっちゃ好いてくれてはるんやなぁっていうシーンがたくさんあって、そういえば千と千尋も建物とか食べ物とか中華風な部分(舞台のイメージは台湾でも)もたくさんあったし、こんなふうにお互いの文>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

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やりたい事や住みたい場所や望むライフスタイルについて、互いの間で尊重されるべき割合は当たり前にfifty‐fiftyなんだって事に、夫が最初から気づいてたら離婚は避けられてたかもしれないのになぁ(生活>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

私はぜんぜん熱心なファンではないので、単体として観る分にはとっても楽しく観れたんだけど、ローズの扱いは酷くない?と思った
最後のジェダイでキャラの行動に批判が集まったって言われてたけど、シリーズ初の活
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ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

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頭のどこかを覚まして何かを分析したりしながら観る必要のない、そのまま気持全部で素直にストーリーに入り込んでいい映画だったので思いっきり泣いた。
出てくる人達の葛藤や希望、思いの端々が“共感”というより
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

エルサが画面に居るときの自然の描写が呑み込まれそうなほど美しくて、そうだよねエルサは精霊の側の存在なんだよね...というのが終盤に向かうにつれて感覚で納得できた。
他方でアナの凛々しさ、毅然とした行動
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