pepoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

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通信や運搬に子供(アタ)を使わないで、とずっと思いながら観ていた。戦時下で人間性を損なわずにいられる人なんか多分一人もいないのだ。そして人間性の最も顕著な特性は「脆さ」なのかもしれない。一人では誰も護>>続きを読む

ハートストーン(2016年製作の映画)

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小さな漁村の閉塞感はセクシャリティに悩む者にもそうでない者にものしかかる。中盤で交替し終盤で戻される視点、その変化が描き出す痛みに胸が詰まった。クリスティアンには都会で「受け入れられる」事を体験し、「>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

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設定もシーンも音楽もぶっ飛んでいるのに、ベイビーを悪に引き込むキャラ達の、どこか役柄に徹しきれず情や人間味がちょろちょろ介入してくる感じが愛おしかった。派手で破滅的な結末ではなく、真面目な償いの先に示>>続きを読む

ナチス第三の男(2017年製作の映画)

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随所で主張してくるエモーショナルな音楽を少々過剰に感じてしまったのは、それほどドラマに重点を置いた作りになっていなかったからだろう。
特に前半は「状況の概要を駆け足でご説明」みたいな、既視感のあるドキ
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メアリーの総て(2017年製作の映画)

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これがほんの2年ほどの間の出来事だったのだから、超濃密な感情が、それこそ圧縮されて放電するような創作環境だったことは間違いない。んだけど、映画では内的経験よりは現実の出来事を順を追って描いていくスタイ>>続きを読む

彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

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オーレンやアナト、店の客達がトーマスのケーキを食べる時のフォークの入れ方や軽い頷き、スピード等から美味しさが伝わってくる。
「シンプルすぎる」と言われて制作のための資金集めが難航したそうだけれど、この
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

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作中、広く拓けた景色や俯瞰の画面はとても少ない。だからビリーが試合のために「移送」されるバスのシーンや、とある場所からフラリと市街に出たシーンは、観ていて咄嗟に目が慣れないような感覚を覚えて眩しかった>>続きを読む

エヴォリューション(2015年製作の映画)

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間尺の長い、硬質で絵画的な画面。
傷口の血、毒々しいまでのヒトデの赤、得体の知れない食べ物のくすんだ緑、狭くて簡素すぎる室内。
映像ならではの不穏さが折り重ねられた先の展開で「特異な設定の説明をどうい
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

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ウインド・リバー

『あらゆる人口動態調査により、行方不明者の統計が蓄積されている一方で、そこにアメリカ先住民族の女性は存在しない』というテロップが
最後に流れる。
Wind Riverは先住民族保護
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運命は踊る(2017年製作の映画)

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「運命は踊る」
父の“弱さ”の源泉は、世代を越えて引き継がれた「時代に虐げられた記憶」で、当人にはどうしようもなかった因果の巡る不条理がキツい。
それでも最初から最後まで見入ってしまうのは、話の組み立
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

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「ボヘミアン・ラプソディ」
劇的で凄絶。熱も孤独も音楽に縁取られて描かれる。
Queenの事を何も知らなかったのに、何も知らなくても耳に覚えのある曲たちと、こういう形で圧倒的に出会い直せる、音楽とか映
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アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

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「アナイアレイション」
エリアXのビジュアルは終盤に向かうにつれ薬物幻想的なまでにシュールさを増していく。理屈や整合性よりもイマジネーションを映像美に変換しようとする制作陣の気概が、強火でビシバシ伝わ
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search/サーチ(2018年製作の映画)

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「search / サーチ」
ネットに残る娘の痕跡は、初めは情報の断片だ。バラバラに散らばるそれらを追うほどに事態は混迷を深めていく。それでも追求せずにいられないデビッドの心情が画面操作を通じて伝わっ
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

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バッド・ジーニアス
試験という誰にも覚えのあるシチュエーションでの緊張感に、設定がどんどんヤバさを倍増しで上乗せしていく。テンポとスリルに引き込まれて130分があっという間だった。
ハラハラ度がスパイ
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