mhさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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癖の強いフランスのアニメ映画。
このデザイン、配色、ストーリー展開にハマるひとがいるのはわかるけど、それと同じ理由で個人的にハマらなかった。理由などない。
寓話的でもなく、キモカワというわけではなく、
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恐怖への旅(1943年製作の映画)

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政情不安が当たり前の時代のスパイ・アクションそしてノワール・フィルム。
暗殺者の身支度からという、作劇のセオリー(ファーストカットは主人公)をはずしてくる堂々とした展開で、巻き込まれ型のミステリーが続
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

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Amazonprimeの無料視聴がはじまってみんなが一斉に見だして面白そうにしてたので我慢できずに視聴。
これはめちゃおもろいw
ネタ元はフィンランドの伝説的スナイパー・シモヘイヘとのことでググると、
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プライドと偏見(2005年製作の映画)

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恋愛もののビッグタイトル。
原作含め、なにも知らないでみたのに、こいつとこいつがゆくゆくくっつくパターンねはいはいとロマコメのメソッドがそのまま通用したのでびっくりした。
童貞っぽいムーブかましてくる
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みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

テーマ的にも作劇的にも尖ってるラブストーリー。
説明なしで、いきなり駆け落ちからスタート。だんだん事情がわかってくる。
・女性は綱渡りパフォーマー。
・男のほうに家庭があること。
・脱走兵は処罰される
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デルタ・フォース2(1990年製作の映画)

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史実を下敷きにしてエンタメ極振りの前作とは違って完全創作エンタメアクションになっちゃった続編。
敵はメキシコの麻薬カルテル!と既視感マシマシの基本設定を背景にみんな大好きチャックノリスファクトが繰り広
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アザーズ(2001年製作の映画)

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ようやっとみた。
ワンアイデアをうまく膨らませてて気持ちがいいね!
これまでみてきたいろんなタイプの映画が、ミスリード誘ってくるんだけど、
細かいことは考えなくてもいいシンプルな結末で余計に騙されるし
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ビッレ(2018年製作の映画)

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1930年代後半のラトビアが舞台の幼少期ノスタルジック映画。
のちにノーベル文学賞候補にもなる女性作家ヴィズマ・ベルシェヴィッチの自伝がもとになっており、ゆくゆくは成功することになる女性の幼少期という
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パン・タデウシュ物語(1999年製作の映画)

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ポーランドでは知らないものがいないという国民的な物語を大物映画監督が映像化するという企画でポーランド国内で超ヒットしたけど、ほかの国のひとたちにはいまいち面白さがつたわらないという変な歴史もの。
大国
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ローラ(1981年製作の映画)

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女性のありかたに注目したファスビンダーの西ドイツ三部作の二作目で、復興期の西ドイツを背景にしたシニカルコメディ。
監督のフィルモグラフィー、ラスト数行に記されてる作品なせいか、ファスビンダーらしき部分
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年下のひと(1999年製作の映画)

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女性作家ジョルジュ・サンドと、詩人アルフレッド・ド・ミュッセの情熱的破滅的な恋愛を描くフランスの文芸もの。
視点人物はジョルジュ・サンドでありながら、アルフレッド・ド・ミュッセのことにしか触れないとい
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American Dharma(原題)(2018年製作の映画)

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トランプ大統領が誕生する際に参謀を務めていたアメリカの右翼系大物知識人スティーブ・バノンのインタビュードキュメンタリー。
冒頭からいきなり「頭上の敵機 (1949)」からのがっつり引用で面食らった。そ
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スパイ(2008年製作の映画)

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「自殺への契約書(1958)」のリメイクでフランスのテレビ映画。
原題は「Marie-Octobre」でジャック・ロベールによる同タイトルの原作がある。
ヴィシーフランス・パリで活動していたレジスタン
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

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アニエス・ヴァルダ自身が自らのフィルモグラフィーを振り返るセルフライナーノート。
かなり自覚的な映像制作をしてて、シーンの意味とか由来とか的確に答えていくのが気持ちいい。
女性アーティストのなかでもか
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

シャンタル・アケルマン監督「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地(1975)」を第一位に選出して話題になった「BFI選 史上最高の映画100 2022年版」で、第14>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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突如始まったアニエス・ヴァルダ特集も三作目。
若者の恋愛を、港町の生活ドキュメンタリーに絡めた野心作。
アニエス・ヴァルダの長編デビュー作にして、ヌーベルバーグの先駆けになったすごい映画だけど、公開当
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

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「ダゲール街の人々」が面白かったので、立て続けに再生。
「幸せ」の明るい部分を描いていると思っていると、次第に雲行きが怪しくなっていき、ラストはサイコホラーじみた「幸せ」に着地するんだけど色彩はめちゃ
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

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監督アニエス・ヴァルダのご近所ドキュメンタリー。
メインストーリーはなくどうかというと群像劇スタイルの連作短編みたいなふうあい。それを、完璧な映像として残してる。
特に色彩設計が素晴らしすぎた。ジャッ
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アイ・ウェイウェイ:ユア・トゥルーリー(2019年製作の映画)

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アイ・ウェイウェイが2014年に行ったアメリカ・サンフランシスコ・アルカトラズ島で行った展示についてのドキュメンタリー。
すごい作家だけど、下半身がだらしないという暴露があった、「アイ・ウェイウェイは
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アウェイクニング(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

オカルトバスターである女性主人公が活躍するサイコホラー。
WW1のあとの傷を追ったイギリス社会と、降霊会のトリック、ハリーポッターさながらの全寮制の学校など、ほとんどのプロットが面白い。
とっとと問題
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乱闘街(1947年製作の映画)

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少年探偵団とはだしのゲンのハイブリットみたいなヤングアダルトミステリー。
撮影当時1947年のイギリス・ロンドンが鮮烈。
瓦礫と廃墟が混在している中、若者たちは少年期を送っているんだけど、文化的には成
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悪魔の呼ぶ海へ(2000年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

百年以上前の殺人事件を追いかけていく女性カメラマンが、自分と犯人が二重写しになっていくのを、現代と過去のカットバックで描いてる。
性欲が押さえれない過去の男はモブで、性欲が押さえれない現在の男はヒロイ
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ヴェラ・ドレイク(2004年製作の映画)

5.0

1950年当時のイギリスにおける人工妊娠中絶まわりのシリアスドラマ。
・富裕層には逃げ道(精神疾患を騙って「生むくらいなら死ぬ」→母体保護で)があるけど貧困層には違法な中絶しか選択肢がない。
・無報酬
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諦めるな:新しいギャラクシー・クエスト・ドキュメンタリー(2019年製作の映画)

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みんな大好き「ギャラクシークエスト(1999)」の制作ドキュメンタリー。
みんな大好き「サボテンブラザーズ(1986)」のアイデアをSF映画に転用したのが、ギャラクエの本質だと思ってたので、「作り手と
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アメリカンレガシー(1992年製作の映画)

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独特の世界観が魅力の西部劇。
妻を失った男を、これが遺作となるリバーフェニックスが演じてる。
・小規模のサーカス。
・悲しみのあまり、妻が成仏できない。
・ついに動き出す遺体。
男の父親は、妻の妹を連
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ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

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困難を極めた「地獄の黙示録(1979)」の制作過程のドキュメンタリー。
タイトルかっこよすぎ。
ゆうこと聞かないマーロン・ブランドを根気よく説得したのがすごいと思った。
人生を全ベットしたコッポラ監督
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Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~(2017年製作の映画)

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落ち目の小説家チャールズ・ディケンズが代表作「クリスマス・キャロル」をものにするまでが題材のファンタジー映画。
息が通ったキャラクターを生み出すと、その人物は可視化するというアイデアが素晴らしい。どう
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ローマで夜だった(1960年製作の映画)

5.0

ローマ解放(1944年6月5日)の前夜を背景としたイタリアのレジスタンスもの。
連合国とイタリア王国が休戦(1943年9月8日)すると、捕虜になっていた連合国軍の兵士は逃げ出したが、ドイツの占領支配は
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戦慄の七日間(1950年製作の映画)

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科学者が警鐘を鳴らすべくロンドンで核爆発を起こさんとするテロを未然に防ごうと奔走する関係各所のクライムサスペンス。
七日後の正午に向かってカウントアップしていく方式で、あきらかに「セブン(1995)」
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上海特急(1932年製作の映画)

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匪賊が外国の要人を人質に取った臨城事件(1923年5月5日)から膨らませたエンタメサスペンス。北京発上海行き豪華列車「ブルーエクスプレス」を舞台にしたロマンスがメインになってる。
臨城事件は、義和団の
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ロシアン・ソルジャー 戦場に消えた18歳の少女兵士/ゾーヤ 戦場に消えた18歳の少女兵士(2021年製作の映画)

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ソ連初の女性の英雄ゾーヤ・コスモデミャンスカヤの伝記映画。
まさかのスターリン登場で隔世の感に浸ったりしてたら中盤までは割と凡庸。ソ連とその周辺国ではかなり有名なひととのことで、その事前情報があれば興
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クランスマン(1974年製作の映画)

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KKKを扱って社会派を匂わせてるけど実際は公開当時に流行していたブラックスプロイテーションのひとつ。
・撮影時に泥酔してるリチャード・バートン(立てないので寝てる)とリー・マーヴィン。
・OJシンプソ
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

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その年の賞レースを無双した、黒人監督によるアメリカの奴隷問題がテーマの映画。
南北戦争の二十年前が舞台。
北部ではすでに奴隷制度廃止運動が起こっているなか、黒人の主人公は罠にはめられアメリカ南部へと売
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レッド・スコルピオン(1988年製作の映画)

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若かりし日のドルフラングレンを愛でる映画。
敵はソ連とキューバ。ドルフ・ラングレンは最初、スペツナズの一員なんだけど、作戦行動中にアフリカの部族に対して化学兵器も平気で使用するソ連軍の悪行を目にして改
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ムーンライト(2016年製作の映画)

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スラムで育ったゲイの男性を、幼少期・青年期・おとなと連作短編で描く。
劣悪な環境というスラム街のリアルから、後半は繊細なゲイの恋愛へとシフトしていく。
恋人との会話がリリカルでいいね!
このご時世、繊
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地獄のヒーロー2(1985年製作の映画)

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チャック・ノリスが無双する「地獄のヒーロー(1984)」の前日譚。
普通チャック・ノリスは怪我ひとつしないので、これもチャック・ノリス・ファクトでハイワロとたかを括った観客を置いてけぼりにする内容。ネ
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