SORさんの映画レビュー・感想・評価

SOR

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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.7

まったく違う生活を送る旧友2人が久々に再会し、キャンプしながら温泉を目指す小旅行的なロードムービー。
自然の映像美はやはりとても素敵。
ほんとうに静かに穏やかに進む物語。
なにか派手な出来事があるわけ
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バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーラン監督による3部作の第1作目であり、バットマン始まりの物語。
なお、過去に観たバットマン関連の作品は『ジョーカー』のみ。

悪が蔓延る絶望の街、ゴッサムシティ。
気高い両親を目の
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Here(2023年製作の映画)

3.7

自然のヒーリング音楽のような作品だった。

事前にあらすじすら調べず鑑賞しました。

土木作業の男性と苔学者の女性。
それぞれの生活が淡々と丁寧に描かれてゆく。
ふたりが交わるシーンも優しく心地よい。
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.0

陪審員の12人の男たちによる有罪無罪の議論が、ひたすら密室で繰り広げられる。
当初は適当に取り組んでいた者たちも、1人の指摘を発端に次第に真剣に考えていくことになる。

偏見や思い込みが邪魔をして中立
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

3.7

モンタナ州ミズーラで生まれ育った兄弟たちの成長とその後の物語。
自然の風景があまりに美しく、若き2人の青年が瑞々しく映える。
何かが劇的に起こるわけではないが、静かで優しくて儚い物語だった。

命も川
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2024年度アカデミー脚色賞を獲得した本作。

"白人の免罪符のため"の黒人文学とは鋭い切り口だなぁと。
いわゆる黒人作品あるあるを強烈に皮肉った新しい映画だった。
観ているこちらも無意識のうちにモン
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.7

ドラマ版未視聴。

犬猿の仲だったCIAのソロとKGBのイリヤ。
彼らがとある任務のためタッグを組み、遂行していくさまを描いたスパイ映画。
スタイリッシュでありながら意外にも人間臭い彼らの追跡劇は見応
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フィラデルフィア(1993年製作の映画)

3.8

エイズを理由に不当解雇されてしまったアンディが、彼の所属していた法律事務所に訴えを起こす。
最初こそ偏見に溢れて協力的ではなかった弁護人ジョーや、アンディを愛する家族や友人たちと共に立ち向かっていく。
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

原作未読。

ヤクザの狂児に目をつけられて歌の先生になった聡実。
交流を続けていくなかで、2人の心境にも変化が訪れていく。
とくに思春期の聡実の移ろいがとても繊細でリアル。
綾野剛のキャラめちゃくちゃ
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ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.8

様々な背景をもつ移民の少年たちに、料理に対して強い信念をもつ女性シェフが調理のノウハウを教える。
そして彼らにフランスで生きる道を拓こうとしていくお話。
実在の女性シェフがモデルとして存在するらしい。
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ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.9

落ち目の舞台俳優たちが話題作りのためにとあるレズビアンの少女に目をつけるも、次第に心から彼女を応援するようになり、一丸となってジェンダー差別に立ち向かっていくミュージカル。

社会派でメッセージ性の強
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卒業(1967年製作の映画)

3.5

サイモン&ガーファンクルの音楽が胸に沁みる。

将来有望と期待されていながらも希望を見出せなかった青年が、不倫ののち本当の恋に落ちていく話。
シンプルな恋愛ものにとどまらず、複雑な青年の心境が絡む本作
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

「頭の中で考えたことは誰にも奪えないからね。」

シベリアの収容所、ラーゲリで必死に生きた者たちを描いた実話ベースのドラマ。
いかなるときも希望を失おうとせず、他者を思いやる心に満ち溢れた山本に胸が苦
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最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

3.8

余命宣告をされた2人の男が
共に"死ぬまでにやりたいことリスト"を実行していく。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンというレジェンド級の名俳優の共演。

残された時間が短いと知って初めて気づく
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

4.0

最高に楽しいフレンチコメディ😂

真面目な方向にいくのか?と思う展開があってもすぐにマヌケなカットが登場する。
最後までコメディに徹しており、何度もクスッと笑ってしまった。
とはいえアクションシーンの
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危険なプロット(2012年製作の映画)

3.7

クロードの作文の才に魅了されたジェルマンが堕ちていく。
そしてクロードも人の暮らしをのぞき見ることにどんどんハマっていき…。
周りの人間を翻弄していくものが作文というのはなかなかに斬新な設定だった。
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

伝説的なプロレスラーを父に持つ兄弟たちの物語。
実話をもとにしているが、この界隈にはあまりにも明るくないため無知な状態での鑑賞でした。

プロレスに取り憑かれた父。
自分が成し得なかったタイトル獲得の
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.8

職を求めアラスカへ向かうウェンディと愛犬ルーシー。
立て続けに災難に見舞われたうえ、ルーシーとはぐれてしまい…といった内容のお話。

決して甘くない現実のなかに、一筋の温かい光が差したり差さなかったり
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりに豪華な役者さんが揃っていて観る前から身構えてしまった。

ブラックジョークをふんだんに盛り込み、コメディに徹した本編。
決して明るい内容ではなく、救いようのないラストにも関わらずなぜか後味が悪
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最期の祈り(2016年製作の映画)

3.8

終末期医療の現場を生々しく映したドキュメンタリー。

元気なうちにいかに対話をしておくか。
それ次第で迷いと後悔の葛藤も軽減されるような気がします。

少しでも長く生きていてほしいこちら側と
早く楽に
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.7

じっくり時間をかけて撮られたことがよくわかる。風景が壮大。
厳しくもあり美しくもある自然の姿がとにかく印象的。
自然を前になす術がない人間たちがあまりに無力であり、醜くもあり。
逆に自然や動物とうまく
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007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.4

シリーズ第2弾。

1に比べるとやや地味でありつつ、デジャヴに感じる場面も多々あり。
しかし本作の方が裏切りなどの人間模様が描かれており、敵か味方か…といった王道のストーリー性には長けていた印象。
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イルカの日(1973年製作の映画)

3.5

主にイルカと人間の交流を描いた本作。
そこにとある陰謀による不穏な空気が漂う。

まず音楽が素敵。そしてめっちゃゆるい。
あくどい人間の企みが絡むとは思えないのどかさ。
前半は穏やかで落ち着いたパート
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007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号(1962年製作の映画)

3.5

意を決して1作目から観ることにした。
記念すべき初代ジェームズ・ボンドはショーン・コネリー。

渋カッコいいボンドが任務をこなす姿は今見ても最高。
当然古さは感じるしツッコミどころもあるが、それもまた
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.0

アメリカの女性写真家ナン・ゴールディンの人生と、オピオイド蔓延の責任を追及する活動を追ったドキュメンタリー。

生い立ちから愛する姉の死。
激動の時代を自分らしく突き進んだ彼女が写真家として撮影した作
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

破壊。

原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーの生涯を彼の目線で描いたもの。
想像以上にズシンと来るものがあった。
彼が物理学者としての野心と人としての道徳的呵責のはざまで葛藤し苦しむ姿に、こちらの心も
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.8

現代の美しいパリの街をタクシーで駆け抜ける。

高齢の女性を客に取ったシャルル。
最初は乗り気でない彼も、次第に女性の話に関心を持っていく。
女性の人生を回顧しながら展開するシーンがメインであった点は
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

4Kリマスター版を劇場にて鑑賞。

映像の色合い、19世紀なだけあってレトロなコスチューム、海と森と雨の撮り方はとても好み。
ピアノの演奏がたびたび心を癒してくれる点もとてもよかった。

しかしどうし
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処刑人II(2009年製作の映画)

3.5

時が経っても褪せない2人の息のあった銃さばき。
マクマナス兄弟、老けたという声もあったけどちゃんとカッコよかったよ。
相変わらずツッコミどころ満載ながらカッコよさにもってかれてしまった。
ただ、実際の
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ひまわり(1970年製作の映画)

3.8

戦争によって哀しい運命を辿ることになった男女の物語。

ヘンリー・マンシーニの音楽があまりにも美しく、あまりにも感傷的。
この音楽なくしてこの作品は成り立たないと言っても過言ではないと思う。

感情に
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処刑人(1999年製作の映画)

3.5

ぶっちゃけ話が特別面白かったかというとそうでもないのだが、とにかく2人がめちゃくちゃカッコいい。
タランティーノとリュック・ベッソンを足して2で割ったという感想を拝見したが、まさにそれ。
個人的にエン
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.6

彼女たちの心の中は誰にもわからず、あくまで第三者の目線で話が淡々と進む。
決して"彼女たちの目線"で語られないところが憎い。
彼女たちの目にはどんな世界が見えていたんだろう。

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

思っていたより何倍も面白かったし1人でクスクス笑いながら観た😂
ゆるくてとぼけてて素直なレニングラード・カウボーイズがたまらなく愛らしい。
音楽めっちゃカッコいいし、全然退屈しないコメディなロードムー
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殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.7

ヒッチコックの『サイコ』に影響を受けて作られたという本作。
冒頭は不可解でありつつも同監督作『キャリー』のような始まり。あと終わりも。
ストーリー自体はとりわけ目新しいものでもなかったが、恐怖を煽る演
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

白昼の悪夢。

物語が動くまでやや長く感じてしまったが、気持ち悪さをジワジワ丁寧に描くには十分な尺が必要だったみたい。
アメリカから訪れた若者たち=部外者が、楽園のような白夜の村であらゆる"当たり前"
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

キングスマンはじまりの物語。

第一次世界大戦の史実も絡めながら展開するストーリーから目が離せない。
本作もアクションシーンの撮り方が唯一無二であり超スタイリッシュ。
キングスマンは英国紳士なスタイル
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