SORさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

最期の祈り(2016年製作の映画)

3.8

終末期医療の現場を生々しく映したドキュメンタリー。

元気なうちにいかに対話をしておくか。
それ次第で迷いと後悔の葛藤も軽減されるような気がします。

少しでも長く生きていてほしいこちら側と
早く楽に
>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.7

じっくり時間をかけて撮られたことがよくわかる。風景が壮大。
厳しくもあり美しくもある自然の姿がとにかく印象的。
自然を前になす術がない人間たちがあまりに無力であり、醜くもあり。
逆に自然や動物とうまく
>>続きを読む

007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.4

シリーズ第2弾。

1に比べるとやや地味でありつつ、デジャヴに感じる場面も多々あり。
しかし本作の方が裏切りなどの人間模様が描かれており、敵か味方か…といった王道のストーリー性には長けていた印象。
>>続きを読む

イルカの日(1973年製作の映画)

3.5

主にイルカと人間の交流を描いた本作。
そこにとある陰謀による不穏な空気が漂う。

まず音楽が素敵。そしてめっちゃゆるい。
あくどい人間の企みが絡むとは思えないのどかさ。
前半は穏やかで落ち着いたパート
>>続きを読む

007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号(1962年製作の映画)

3.5

意を決して1作目から観ることにした。
記念すべき初代ジェームズ・ボンドはショーン・コネリー。

渋カッコいいボンドが任務をこなす姿は今見ても最高。
当然古さは感じるしツッコミどころもあるが、それもまた
>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.0

アメリカの女性写真家ナン・ゴールディンの人生と、オピオイド蔓延の責任を追及する活動を追ったドキュメンタリー。

生い立ちから愛する姉の死。
激動の時代を自分らしく突き進んだ彼女が写真家として撮影した作
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

破壊。

原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーの生涯を彼の目線で描いたもの。
想像以上にズシンと来るものがあった。
彼が物理学者としての野心と人としての道徳的呵責のはざまで葛藤し苦しむ姿に、こちらの心も
>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.8

現代の美しいパリの街をタクシーで駆け抜ける。

高齢の女性を客に取ったシャルル。
最初は乗り気でない彼も、次第に女性の話に関心を持っていく。
女性の人生を回顧しながら展開するシーンがメインであった点は
>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

4Kリマスター版を劇場にて鑑賞。

映像の色合い、19世紀なだけあってレトロなコスチューム、海と森と雨の撮り方はとても好み。
ピアノの演奏がたびたび心を癒してくれる点もとてもよかった。

しかしどうし
>>続きを読む

処刑人II(2009年製作の映画)

3.5

時が経っても褪せない2人の息のあった銃さばき。
マクマナス兄弟、老けたという声もあったけどちゃんとカッコよかったよ。
相変わらずツッコミどころ満載ながらカッコよさにもってかれてしまった。
ただ、実際の
>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

3.8

戦争によって哀しい運命を辿ることになった男女の物語。

ヘンリー・マンシーニの音楽があまりにも美しく、あまりにも感傷的。
この音楽なくしてこの作品は成り立たないと言っても過言ではないと思う。

感情に
>>続きを読む

処刑人(1999年製作の映画)

3.5

ぶっちゃけ話が特別面白かったかというとそうでもないのだが、とにかく2人がめちゃくちゃカッコいい。
タランティーノとリュック・ベッソンを足して2で割ったという感想を拝見したが、まさにそれ。
個人的にエン
>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.6

彼女たちの心の中は誰にもわからず、あくまで第三者の目線で話が淡々と進む。
決して"彼女たちの目線"で語られないところが憎い。
彼女たちの目にはどんな世界が見えていたんだろう。

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

思っていたより何倍も面白かったし1人でクスクス笑いながら観た😂
ゆるくてとぼけてて素直なレニングラード・カウボーイズがたまらなく愛らしい。
音楽めっちゃカッコいいし、全然退屈しないコメディなロードムー
>>続きを読む

殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.7

ヒッチコックの『サイコ』に影響を受けて作られたという本作。
冒頭は不可解でありつつも同監督作『キャリー』のような始まり。あと終わりも。
ストーリー自体はとりわけ目新しいものでもなかったが、恐怖を煽る演
>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

白昼の悪夢。

物語が動くまでやや長く感じてしまったが、気持ち悪さをジワジワ丁寧に描くには十分な尺が必要だったみたい。
アメリカから訪れた若者たち=部外者が、楽園のような白夜の村であらゆる"当たり前"
>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

キングスマンはじまりの物語。

第一次世界大戦の史実も絡めながら展開するストーリーから目が離せない。
本作もアクションシーンの撮り方が唯一無二であり超スタイリッシュ。
キングスマンは英国紳士なスタイル
>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.7

ベルナルド・ベルトルッチ監督作初鑑賞は、初期の代表作と名高いこちらで。

政治×性×スパイという独特な切り口をもつ作品といった印象を受けた。
派手な展開はなく比較的静かであり、ややわかりにくい構成にな
>>続きを読む

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

3.6

理想郷を目指す男たちのシュールな旅を描く。
名前が皆フランクだから登場人物を整理するのが大変だった。
アキ・カウリスマキ監督らしく毒づいたコメディであり、どこか憎めない"フランクたち"にクスッとしてし
>>続きを読む

キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.7

昨日に引き続きvol.2鑑賞。
今回も楽しかった〜!

前半は少し退屈なかんじも否めなかったけれど、やはり中盤からまた面白くなって目が離せなかった。
カンフーのくだりも本当、しっかりギャグ😂
タランテ
>>続きを読む

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

4.0

やっと観たキルビル!とりあえずvol.1。

血の量も出方も効果音の付け方もB級感すごくて思わず笑っちゃう。はちゃめちゃにバイオレンスだけどそこがタランティーノ😂
ツッコむのはもはやナンセンス。
がっ
>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.9

鬼才アリ・アスター監督による長編デビュー作。

終始暗くおぞましい演出が続くため不安と恐怖が煽られ、ずっとそわそわしてしまう。
そして唐突に差し込まれるショッキングなシーンたちはトラウマもの。
ただ不
>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

ロール(ミカエル)の自身に対する違和感や葛藤が青く切なく描かれる。
主演のゾエ・エランはそんなキャラクターを絶妙に演じていると思った。
妹ジャンヌとの関係性もとてもよい。
子ども時代ならではの遊びやか
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

IMAXで圧倒され続けた166分間。
時間があっという間でもっと観ていたかった。
砂の一粒一粒の細かな描写から大きな砂嵐までスクリーンで余すことなく表現されていた。
爆破シーンや戦闘シーンの迫力に包ま
>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.7

不器用な男女4人の静かなロードムービー。
タバコ、コーヒー、ウォッカがモノクロに映える。
起伏はあまりなく淡々と展開するものの、ちょっとした視線の使い方や所作を観ていると細かな工夫に気づき楽しい。
>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

3時間のカオス体験、悪夢体験。
何を見せられているんだろうと我にかえる自分と、いつどんな風に話が転がるのか楽しんでいる自分がいた。

冒頭から心臓掴まれてハラハラしたし、見終わったいまも結局何だったの
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

来るDUNEpart2に向けてようやく鑑賞。
原作の知識は全く知らずのスタートです。

まず徹底された世界観が素晴らしく、没入感がすごい。
難しい固有名詞が多く出てくるため若干頭が混乱したものの、スト
>>続きを読む

物ブツ交換(2018年製作の映画)

3.4

ジョージアにて。
ジャガイモを通貨にして町で仕入れた品物を物々交換する商人の話。
なかなかに搾取している構図が見てとれ、観ているこちら側はあくまでずっと商人側の目線。
夢を語れない少年の表情を思い出す
>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

壮絶な日々を生き抜き、強く哀しい目をしたダグラス。
彼が過去を語るときの振る舞いは、あらゆる苦しみを背負いすぎてどこか達観しているようだった。
そんな彼の周りにはいつも犬達がいて、彼自身の分身のように
>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督の労働三部作の第三作。

工場の機械の動きと機械音がひたすら静かに淡々と響くシーンから始まる。
ちょっとした生活の音とか動きをただ受け止める時間がなぜだかすごく
>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.8

フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督の労働三部作の第二作。

すべてを失った男が希望を求め南を目指す物語。
キャデラックが雪に映える。
出会った女性もその息子も肝が据わっており芯の強いキャラクター
>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.8

フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督。
私にとって初めての鑑賞は"労働三部作"と称される『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』のうちの一つの本作にしました。

背景で流れる音楽が
>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

イタリアの美しい風景と街並み、そしてそこに住む暖かい人々。
穏やかで優しい日常に時折り差し込まれる血生臭いアクションはメリハリがあるため、両者の場面を引き立たせる。

もう本当に、どこまでもジェントル
>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.9

いや〜最高!
また新しいスパイ映画を観た!

予想した通りにはいかず、二転三転しながらめまぐるしく展開するストーリーから目が離せない。
前知識なしで見たので最初は少し驚いたけど、途中から面白すぎて一気
>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

3.5

ヨルゴス・ランティモスらしさ全開の奇妙で不気味な作風でした。

見たことのない斬新な設定で物語を進めつつ、"普通"を押し付けられる人間社会の居心地の悪さを示している。
独身の人たちがホテルに送られて狂
>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

3.8

ポップな色使いがストーリーの残酷さ、重さを緩和している。
何にでもなるニモーナのアクションが痛快で楽しい。
そしてニモーナの声はクロエ・モレッツなのか。

作品を通じて語られるメッセージは重く大きくの
>>続きを読む