てきさすさんの映画レビュー・感想・評価

てきさす

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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

5.0

主軸のラブストーリーに好き嫌い、賛否はあるだろうが、仮にラブストーリーに興味がなくても琴線に触れるところがどこかしらは見つけられるであろう、オールインクルーシブなモンスタークラスの映画。
豪華客船の夢
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

デイミアン・チャゼルのやりたいことがビシビシと伝わってきて、ラ・ラ・なんとかより遥かに面白い。
頭で考え抜いたような構成、技巧が鼻につかないかと言えば嘘にはなるけど。

無秩序で渾沌とした世界を描くな
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モービウス(2022年製作の映画)

2.0

序盤で外したなーと確信し、挽回できずに終わった。
映像表現のアイデアが致命的にダメだった。

これまでのアメコミでも様々なキャラクターが出てきてるので枯渇しても仕方はないのだが、、、超人状態を光の残像
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アンビュランス(2022年製作の映画)

4.0

主人公に銃弾が当たらないのと同様に、壊れないアンビュランスに突っ込んではいけない。

個人的にはマイケル・ベイのベストフィルム。冒頭20~30分の人物紹介を終えたら、あとはずっと面白い。
カメラはあち
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.0

デヴィッド・クローネンバーグの息子、ブランドン・クローネンバーグによる血まみれサイバーパンクである。

他人の肉体を乗っ取り、ターゲットを殺す。その後乗っ取った対象は自殺させて離脱。
こうして任務遂行
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さがす(2022年製作の映画)

4.0

ところどころ演出は狙い過ぎながら、ポン・ジュノだと思えば、ま、いっかとなるし、岬の兄妹よりショットも洗練され、安心して観ていられる。

貧困の中で、倫理的な一線を踏み越え、人の道を外れることができちゃ
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.5

「同じ内容をあと30分縮めれば★4なのに」というのが率直な感想ではありつつ、リドスコらしい映画。
通俗的なブラックコメディを、軽やかに、このキャストとクオリティで撮れる人は他にいない。
親父が死ぬまで
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

4.0

イーストウッド、実は10年ぶりのフィクション、原作モノである。

イーストウッドはさすがに動きはおじいちゃんだが、それでも背筋を伸ばし凛とした立ち姿が変わらないところは本当に見事である。

ゆったりロ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

敢えて強引に日本で例えると、山陰地方とか青森・秋田あたりの世間知らずな芋娘が、東京モー○学園に入りがてら上京。新宿にいるうち、60年代の歌舞伎町と吉原合わさったようなとこのキャバレーで逞しく生きつつも>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.0

ネオとトリニティの絡みが、『ターミネーター ニューフェイト』のターミネーターとサラ・コナー、『スター・ウォーズエピソードⅦ』のハン・ソロとレイア姫ばりにエモくて、それだけで泣きそうになった。
私小説ば
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.0

前半のイタリアのドンパチ、アナ・デ・アルマスのシーケンスは王道のボンド映画で、IMAXの価値を感じた。本当に綺麗な映像だった。
後半に関しては、どちらかというと否。確かに本シリーズはジェームズボンドと
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

2.0

映画としては及第点だが、監督の力量不足がモロに出た。
悪魔×裁判モノは『エミリー・ローズ』があり、悪魔信仰そのものだと、ヘレディタリー 継承』があるなか、ストーリーは健闘したと思う。
ただ、フラッシュ
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クローブヒッチ・キラー(2018年製作の映画)

3.5

初恋、田舎、スリラーと、テイストは引き合いに出されるジュブナイルもののそれに近く、やりたいことは明確で、そうするしかないというビターな話の運びも面白い。

ただ、シリアルキラーの造型があまりに適当とい
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

原作は未読だが、「僕」が彼女への想いを昇華しきれず、理解し得ない他者を女々しく追いかけ、でもそんな自分に酔ってる主人公像は良くも悪くも村上春樹的と思わせる。
いかにも主人公が俺や私でなく、「僕」っぽい
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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

5.0

久々に観たが改めて傑作である。
イーストウッド映画で繰り返されるモチーフとして「父親としての失敗」があるが、そのテーマを用いた中でもロードムービーで最も娯楽的に温かく仕上がった作品である。
西部劇のガ
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

3.0

本作がアカデミー短編賞を獲り、知名度や露出が上がり、その結果メッセージが伝わる意義は大いにある。その価値も否定しない。
が、タイムリープものとしての構成、映画としての出来はとりたてて優れているわけでは
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オキシジェン(2021年製作の映画)

3.5

超低温ポッドで目が覚めた女性。回想以外はポッドのみが舞台で、対話相手はAI、そして時々交信できる外界の誰か(素性は不明)というワンシチュエーションもの。
AIの繰り出す道具含め、アングルが固定されるな
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街の上で(2019年製作の映画)

3.5

下北沢はじめ京王井の頭線沿いをぶらつくサブカル好きに向け「お前ら、こういうのが、好きなんだろ?」とエサを与えるようなあざとい雰囲気映画ではあるが、女優陣が皆かわいいので、まぁいいかと思わせるバランスは>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.0

執拗に追いかけてくる男の行動原理の意味不明さ、荒野を舞台にした話の荒唐無稽さは「激突」や「悪魔のいけにえ」同様で70年代映画の残り香がする。

荒野はホラーのネタの宝庫というのが不謹慎なくらい犯罪も多
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クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

3.5

車と女で映画は作れるというが、そこに全編にわたりセックスを加えたらこうなったと言える。

ハワード・ショアのスコアもいいが、夜の疾走感はエンジン音、スキール音といった音響の貢献が大きく、共感性ゼロの話
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脱獄の掟(1948年製作の映画)

4.0

脱獄囚の男性と女性二人(男の恋人と、思いがけず共にすることになった弁護士秘書)の逃避行を描くフィルム・ノワール。
簡潔な描写は三角関係をドロドロ感なくニュートラルに映し、悲劇性を高めることにも寄与した
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夜よりも深い闇(1946年製作の映画)

3.5

メロドラマ、中年の悲哀と劣等感のドラマ、サイコサスペンスとジャンルを横断する70分。かといって詰め込み感もないのは、ショットごと何を語るかを明確にし、話を運べているからである。
窓の反射を利用し真犯人
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.5

移民のアメリカンドリームを描いたアメリカ映画としての側面、血のつながりと年長者を重んじる儒教的価値観の根付いたアジア映画の側面を併せ持った不思議な映画である。
父母には人種的マイノリティとしての苦労は
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

荘厳な大自然、季節労働の現場、時に身を寄せ合うノマドのただ其処にある姿。その映像を繋ぎ合わせることで物語を紡ぐ、実に雄弁な映画だった。

雪がうっすら積もる廃墟に寒々とした荒野。あるいは太陽の照りつけ
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マンディンゴ デジタルリマスター版(1975年製作の映画)

4.0

このような史実もあったのだろうと思いつつ、拗らせた処女厨の牧場経営者の主人公、黒人を人間と見なさない主人公父のキャラクタ造型の狂いっぷりは本当に酷い。ところどころ同じシーンでも色が違うことが気になるシ>>続きを読む

マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

3.0

マ・レイニーとそのバックバンドを主人公にレコーディングの短時間で起きる事件を描く。
チャドウィック・ボーズマンはじめ俳優の演技は良いが、元の題材が戯曲ゆえそもそも映画向きではなく、アカデミー賞が俳優の
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.0

無機質な住宅地に、不気味で不快な子供の存在と、神経衰弱も納得できる作りではあるが、『ブラックミラー』或いは『世にも奇妙な物語』の1エピソードを映画にした感じで、ワンシチュエーションで引っ張るのは苦しか>>続きを読む

ベトナムを懐う(2017年製作の映画)

3.5

アメリカに移住したベトナム三世代家族の、世代と文化と歴史のギャップの話である。ベトナム語話者でベトナムに住んだ経験あり、農村ホームステイや路地の貧乏学生との交流も経験し、ベトナムラブな自分としてはわか>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.5

仮にもし旧劇でこういうオチをつけても、エヴァは今のような作品にならなかっただろう。そしてその旧劇を前フリにし、24年越しに決着がついたといえるだけの映画だった。
こんな日がまさか来るとは!一生にまたと
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ウィッカーマン final cut(2013年製作の映画)

4.0

『ミッドサマー』が無ければここまで再上映で脚光を浴びなかったわけだが、観賞後はやはり「ミッドサマー、ほぼパクリやん」と思わざるを得ない。
全編を覆う禍々しい雰囲気とクリストファー・リーの佇まいだけでも
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.5

不寛容な社会と、市井の人の義理人情が良いバランスで描かれていたと思う。
ただ、中盤の空撮と、ラストのクレーンショットが、そこでこのショットなのかなという違和感を覚えてしまった。
世の中を俯瞰する神の如
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

5.0

気が付けば、劇場で計3回(公開初日に1回、その後ドルビーシネマで2回)観た。3回とも泣いた。
個人的には、同じ志を持ったたくさんの同僚を喪ってなお作り続け、本作を完成させた京アニのスタッフの心に想いを
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