-思春期ゆえの「世界」への不信感を、ホラーとして巧みに描いた青春映画『ユー・アー・ノット・マイ・マザー』(21年)-
思春期にもなると、子供たちは「世界」の退屈さに気付きはじめる。あるいは「世界>>続きを読む
-「最後の映画スター」トム・クルーズは、バスター・キートンを目指す『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(23年)-
いわゆる「映画スター」と呼ばれる存在が神々しい輝>>続きを読む
-シンプルかつストレートなアップデートが心地よい!『スクリーム6』(23年)-
多くの場合、ホラー映画の製作者はまず観客のことを考える。時代によって人々の'恐怖'の対象は変化するからだ。『悪魔の>>続きを読む
-三島由紀夫の人生は、自身の芸術そのものへと接近する『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(85年)-
美学を貫徹することは極めて難しく、しかしそれゆえに最も尊い。三島由紀夫ほどその>>続きを読む
-エクスプロイテーション映画への傾向が、むしろ映画を不自由にしている『マッド・ハイジ』(22年)-
本作の舞台となるのは、ファシスト政権が支配するディストピアと化したスイスである。年頃の娘となっ>>続きを読む
-宮崎駿の集大成にして総決算、限界に達した男のキャリアの落とし前『君たちはどう生きるか』(23年)-
宮崎駿は作品を発表するたびに引退を宣言することに定評があり、本作についても、これが本当に引退>>続きを読む
-ファラハニはいつだって最高なのだ!『タイラー・レイク 命の奪還2』(22年)-
『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』(14年)や『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19年)などの作品>>続きを読む
-何がドロシーに起ったか?『Pearl パール』(22年)-
1970年代後期を舞台に、ポルノ映画を撮影するためにテキサスを訪れた若者たちが、殺人老夫婦に襲われる姿を描いたスラッシャー映画『X >>続きを読む
-「古き'悪しき'物語」を書き変える時『ニモーナ』(23年)-
ND・スティーブンソンによる同名グラフィックノベルを原作としたアニメーション映画。監督は『スパイ in デンジャー』(19年)を手>>続きを読む
-ポップコーン・ムービーとしては手堅いが、ホラー映画としては物足りない『M3GAN/ミーガン』(23年)-
本作は全米で公開されるや否や、オープニング興収3000万ドルという驚きの記録を叩き出し>>続きを読む
-いくらなんでも長すぎるが、キャストは魅力的『テリファー 終わらない惨劇』(22年)-
一部からカルト的な支持を集める人気ホラー映画『テリファー』シリーズの第2弾(短編を含むと第5弾)。前作から>>続きを読む
-スリルとユーモア感覚の欠如とともに、ヒーローは輝きを失った『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(23年)-
『インディ・ジョーンズ』シリーズの最終章とはにわかに信じがたい、あまりにも杜撰な>>続きを読む
-志の低いテキトーな映画『プー あくまのくまさん』(23年)-
A・A・ミルンによる児童小説『くまのプーさん』(26年)に登場するプーとその仲間たちも、2022年についにパブリックドメイン化。煮>>続きを読む
-内向きなファン・サービス、後ろ向きなメッセージにゲンナリ『ザ・フラッシュ』(23年)-
せめてフィクションの世界でぐらい、ヒーローに命を諦めてほしくない。「多少の犠牲は仕方がない」「救えない命>>続きを読む
-一匹狼が生きた時代、ハリウッドの終焉『探偵マーロウ』(22年)-
フィリップ・マーロウは自らのルールに従って生きる一匹狼だ。けして正義感の強い人物というわけではない。ただ、自らのルールに反する>>続きを読む
-ポール・シュレイダーには、まだ救済が訪れない『カード・カウンター』(21年)-
本作の主人公ウィリアム(オスカー・アイザック)はギャンブラーとして、カジノからカジノへと渡り歩く。彼が訪れるカジ>>続きを読む
-前人未到の領域を目指す、驚異のアニメーションのつるべ打ち!『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(23年)-
伝統的なアニメーションにおけるリアリティとは、時間感覚やビジュアル・ス>>続きを読む
-アンデルセンが夢みた未来を目指して『リトル・マーメイド』(23年)-
例えば『オズの魔法使い』(39年)でドロシーが『Over the Rainbow』を唄う場面が観るものの胸を打つのは、それ>>続きを読む
-'ここではないどこか'へと旅立つ女たち『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(22年)-
アブラハム宗教は男尊女卑の価値観のうえに成り立っており、今なお「女は男に従順であるべし」といわんばかり>>続きを読む
-性的オブセッションに取り憑かれた男たち『ブラック・ダリア』(06年)-
ブライアン・デ・パルマがアルフレッド・ヒッチコックに傾向する作家であることは広く知られている。とくにヒッチコックの代表作>>続きを読む
-フォードとウェインの最後の西部劇『リバティ・バランスを射った男』(62年)-
『駅馬車』(39年)をはじめ、『アパッチ砦』(48年)『黄色いリボン』(49年)『探索者』(56年)などなど、ジョ>>続きを読む
-マイケル・B・ジョーダンの意欲は明後日の方向へ『クリード 過去の逆襲』(23年)-
かつてライアン・クーグラーがシルヴェスター・スタローンのもとに『クリード チャンプを継ぐ男』(15年)の企画>>続きを読む
-ガイ・リッチーは、幼稚で空虚な「ごっこ遊び」に興じ続ける『オペレーション・フォーチュン:ルセ・ド・ゲール』(23年)-
『007』シリーズの主人公ジェームズ・ボンドは幼稚で空虚なキャラクターだ>>続きを読む
-やっぱりファミリーにはジャスティン・リンが必要だ『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(23年)-
シリーズを追うごとにテキトーさに拍車がかかる『ワイルド・スピード』シリーズも、前作『ワイ>>続きを読む
-トリッキーながらも、思いの外ちゃんとしたホラー映画『TAR/ター』(22年)-
トッド・フィールド監督の16年ぶりの新作『TAR/ター』(22年)は、複雑極まる人間存在を「ただそのもの」として>>続きを読む
-スコリモフスキの終わらない綱引き『EO イーオー』(22年)-
巨匠ロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』(66年)を下敷きに、一匹のロバの視点から人間社会の滑稽さを描いた作品───>>続きを読む
-真に野蛮なのはどちらなのか?『食人族4Kリマスター無修正完全版』(80年)-
果たして『食人族』(81年)ほどパワフルな映画が他にあるだろうか?───『食人族』は今なおホラー映画史に燦然と輝く>>続きを読む
-『マイ・フェア・レディ』とピンク・フロイドの香り『セールス・ガールの考現学』(21年)-
アダルトショップ・オーナーのカティア(エンフトール・オィドムジャムツ)はピンク・フロイドの『狂気』(7>>続きを読む
-ジェームズ・ガンが描き続ける「'アンチ'アメリカン・スピリット」の到達点『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(23年)
思い返すと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリ>>続きを読む
-「小宇宙(コスモ)」の前に「核の脅威」を感じてくれよ!『聖闘士星矢 The Beginning』(23年)-
世界累計5000万部を誇る大人気漫画シリーズ『聖闘士星矢』のハリウッド実写化作品。>>続きを読む
-「万人が楽しめるよくできた映画」ではあるが・・・『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23年)-
任天堂の人気ゲーム・シリーズ『スーパーマリオ』の3度目の映画化作品にして、初の3DCGア>>続きを読む
-今こそ再評価を!底抜けコメディに散りばめられた社会風刺『裸の銃を持つ男2 1/2』(91年)-
ロサンゼルス市警フランク・ドレビン(レスリー・ニールセン)の活躍を描く人気コメディ映画シリーズの>>続きを読む
-「短気で粗暴だが家族思いの頼れる男」役でお馴染みジェラルド・バトラーは、現場でも頼れる男だった!『CHASE チェイス 猛追』(22年)-
ジェラルド・バトラーは決して器用なタイプの俳優ではな>>続きを読む
-今日もまたソフィー・ターナーは逆境に立ち向かう『サバイブ 極限死闘』(22年)-
小説家アレックス・モレルのデビュー作『ミルキーブルーの境界』(13年)の映像化作品。監督は、『隣人は静かに笑う>>続きを読む
-「アメリカ」を体現するモラルグレーなアンチヒーロー『レッド・ロケット』(21年)-
ショーン・ベイカー監督は『チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密』(12年)『タンジェリン』(15年)『>>続きを読む
-スプラッター描写は確かに強烈だが、一抹の虚しさもあり『オオカミ狩り』(22年)-
とにかく人がいっぱい死ぬスプラッター・コメディである。あらすじといったあらすじはとくにない。貨物船の中で脱走し>>続きを読む