-映画的な愉快と絶望が詰まった暗黒ジェットコースター・ムービー『女神の継承』(21年)-
神やら精霊やらといった存在が、真の意味で人間に救いをもたらしたことは一度もない。にも関わらず、それでも多>>続きを読む
-キング・オブ・ロックンロールという神話 『エルヴィス』(22年)-
映画『キング・コング』(33年)のクライマックスで、コングがエンパイア・ステート・ビルから墜落する姿に胸を締め付けられるのは>>続きを読む
-「映画」という名の呪いが現実を蝕む!『呪詛』(22年)-
突き詰めて考えると、世に存在するあらゆる映画は例外なく全て「呪いのフィルム」だといえるだろう。「約2時間前後の映像体験が、(良くも悪く>>続きを読む
「地獄」とは今お前がいるこの世界のことだ!『ニューオーダー』(20年)
超資本主義や国家といった「非人間的システム」が本来的に内包した邪悪さを、どす黒い笑いとともにシニカルに描いたブラック・コメ>>続きを読む
トム・クルーズの狂気が問いかける「映画」の未来『トップガン マーヴェリック』(22年)
エンターテインメントに人生を捧げる漢トム・クルーズの「映画はでかいスクリーンで鑑賞してこそ意味があるのだ」>>続きを読む
-たった一瞬のまやかしが「映画」を輝かせる『パリ13区』(21年)-
人と人とが'真の意味'で繋がり合うことは恐らく不可能である。どれだけ綺麗事を並べようとも、何度体を重ね合わせようとも、そこには>>続きを読む
-「ヒーロー映画」でなければ味わうことのできないカタルシス『THE BATMAN ーザ・バットマンー』(22年)-
「周りの連中からしてみれば、お前は俺と同じ怪物(フリーク)さ」───かつて『ダ>>続きを読む
-良くも悪くも優等生的なミュージカル『シラノ』(22年)-
フランスの劇作家エドモン・ロスタンによる戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』(1897年)を原作としたミュージカル映画。『プライドと偏見>>続きを読む
-ゴージャスな映画ではあるのだが・・・『ナイル殺人事件』(22年)-
「ミステリーの女王」ことアガサ・クリスティによる傑作小説『ナイルに死す』(37年)の3度目の映像化作品。名探偵エルキュール・>>続きを読む
-偉大な父親か?それとも怪物か? 『ドリームプラン』(21年)-
鑑賞後に相反する感情が渦巻く、なかなか一筋縄ではいかない作品である。ストレートに「家族の愛と絆を描いた感動作」として受け取ること>>続きを読む
-レザーフェイスのキュートさは何処へ・・・『悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ』(22年)-
今なおホラー映画史に燦然と輝く金字塔『悪魔のいけにえ』(74年)は、そもそもトビー・フーパー>>続きを読む
-ルーベン・フライシャーこそ真に立派な映画監督だ!『アンチャーテッド』(22年)-
世界を股にかけるトレジャーハンター ネイサン・ドレイク(通称:ネイト)の活躍を描いた人気ゲーム『アンチャーテッ>>続きを読む
-「激怒系アンチ・ヒーロー」はいつだって「正しい」のだ!『ゴッド・ブレス・アメリカ』(11年)-
今さら言うまでもなく、我々が生きているこの「社会」とは不条理や残酷に満ちたごみ溜め以下の場所であ>>続きを読む
-狂乱の果てに目覚める「野蛮」を真っ正面から描ききった大怪作!『ジャッリカットゥ 牛の怒り』(19年)-
あらすじ自体は至ってシンプルだ。インドのケラーラ州にある辺境の村で水牛が逃亡してしまい、>>続きを読む
-「映画的恍惚」が限界まで極まる至高のミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』(21年)-
「一体どうやったらこんな画を撮影することができるのか?」と思わず息を呑むような、そんな驚異の映像の>>続きを読む
-吐き気を催す邪悪とはこのことだ!『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(21年)-
「よく聞かれるけど、僕は『ゴーストバスターズ』の続編を制作する気はないよ。最も退屈な作品になると思う。僕は小>>続きを読む
-コロナ禍でも安定のアサイラム・クオリティ!『シーワールドZ』(21年)-
B級映画プロダクション「アサイラム」の人気(?)シリーズの1つ、『ZOOMBIE ズーンビ』トリロジー(16年~)の第>>続きを読む
-無礼者に怒りの鉄槌を!日常のすぐ隣に潜む「モンスター」の暴走に涙『アオラレ』(20年)-
「俺に残された最終手段は暴力だけなんだ」──謎の男(ラッセル・クロウ)はそう呟きながら、白昼堂々と執拗>>続きを読む
-「60点満点映画」としては文句無し!『355』(22年)-
そもそも観る前から上等な完成度なんて期待していないし、いざ鑑賞してみるとやっぱりお世話にも上等な完成度とは言い難い。しかし、そんなユ>>続きを読む
-美しく尊い「今、この瞬間」への情景『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(21年)-
ウェス・アンダーソンの映画がいつもビターな後味を残すのは、いずれの作品に>>続きを読む
-ジョン・カーペンターへの「愛」が溢れすぎた珍作『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』(21年)-
随所で看過し難いほどのガサツさが目立つ、お世辞にも良くできているとはいえないヘッ>>続きを読む
-ステレオタイプを拒否し「個人」として描ききる誠実さ『コーダ あいのうた』(21年)-
フランス映画『エール!』(14年)のリメイク作。マサチューセッツ州のグロスターで漁業を営む耳の聞こえない一>>続きを読む
-どん詰まりの日本を赤裸々に描いたブラック・コメディ『さがす』(22年)-
ポン・ジュノや山下敦弘の元で研鑽を積み、『岬の兄妹』(18年)で鮮烈なデビューを飾った映画監督 片山慎三の長編2作目に>>続きを読む
-これは日本版『ドニー・ダーコ』だ!『真夜中乙女戦争』(21年)-
まだ何者にもなれていない。にも関わらず、根拠のない謎の全能感だけは無駄に高い。そんな頭空っぽな若者のパンパンに膨れ上がった「自>>続きを読む
-ビリー・アイリッシュと新時代の「アメリカン・ウェイ」『ハピアー・ザン・エヴァー L.A.へのラブレター』(21年)-
2021年10月2日、テキサス州で毎年開催されている「オースティン・シティ>>続きを読む
-殺られる前に殺れ!クズども大集合の血みどろジェットコースター・ムービー『68キル』(17年)-
小説家ブライアン・スミスによる同名パルプ・マガジンを原作としたブラック・コメディである。監督は、>>続きを読む
-安らぎをもたらすのは「男らしさ」ではなく「優しさ」だ『クライ・マッチョ』(21年)-
1971年に劇作家のN・リチャード・ナッシュが執筆した同名小説を原作としたロード・ムービーである。監督は、>>続きを読む
-全然華麗じゃない一族の狂乱祭『ハウス・オブ・グッチ』(21年)-
リドリー・スコットは徹底した無神論者であり、「神」やら「血統」といった類のものに一切の意味を見出していない。所詮人間なんて生き>>続きを読む
-今後ロマコメで『Suddenly I See』を使用するのは禁止だ ! いい加減にしろ !!『あと1センチの恋』(14年)-
「幼なじみもの」は恋愛映画の中でも定番のジャンルだ。幼い頃からずっ>>続きを読む
-ハリウッドの暗黒を暴き出す地獄曼荼羅『イナゴの日』(75年)-
1932年9月16日、ペグ・エントウィスルは24歳という若さでハリウッド・サインの「H」の文字の上から投身自殺を遂げた。彼女はい>>続きを読む
- これが新時代の「エンターテインメント」の在り方なのか?『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21年)-
「ファン」が望むものをこれでもかと詰め込んだ、明らかに常軌を逸した作品である。集大>>続きを読む
-「タイムループ」が問いかける「実存主義」『パーム・スプリングス』(20年)-
いわゆる「タイムループ」を扱った作品が、極めて非日常的なシチュエーションを描いているにも関わらず多くの人々の胸を打>>続きを読む
-50年のときを経て甦る、「アイデンティティ・ポリティクス」としての「カウンター・カルチャー」『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』(21年)-
「Don't tr>>続きを読む
-「コメディ」とは「本当のこと」を言うことだ『ドント・ルック・アップ』(21年)-
「コメディ」の役割とは、誰もが薄々思ってはいるが口には出さない「本当のこと」を、あえて大声で叫ぶことだ。アメリ>>続きを読む
真面目な「反戦映画」ではあるのだが・・・『キングスマン:ファースト・エージェント』(20年)-
大人気スパイ・アクション映画『キングスマン』シリーズの前日譚である。1914年を舞台に、英国貴族の>>続きを読む
-「怒り」という力を守り抜くために『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(19年)-
「怒り」という力を持続させるのは極めて難しい。というのも、「怒り」という力を持続させるのは精神的にも肉>>続きを読む