天パーマンさんの映画レビュー・感想・評価

天パーマン

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処女の泉(1960年製作の映画)

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こういうキリスト教的な映画を観る度に信仰心なんてものを神は嘲笑っているんだろうと思ってしまうのは心に根付いていないからなのかな

十戒の5〜10をことごとく破っていることからこれは神に関する物語ではな
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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熱に浮かされた愛が過ぎ去った後の新たな愛の物語

ダゲール街の人々とこれしかまだ観ていないけどこの人の撮る映像がすごく好き
既視感があるから確立された撮影技法なんだろうと思うと映画について勉強したくな
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

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日本には「餅は餅屋」ということわざがありますが、今日では餅はスーパー、肉もスーパー、そしてパンもスーパーで買いますので全てがひとつの場所に収束してしまう。
この作品には街のお店が機能していた時代ならで
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緑はよみがえる(2014年製作の映画)

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獣に葬られた名もなき人々は忘却の彼方へと消え去り歴史の1ページにも記されることなく土へと還っていく

田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

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宗教に疎いので神学についてはなんとも言えませんが、神に仕える者も神に対し疑いを持ったり苦悩を抱いたりするものなんだと思いました

ブレッソンは役者を使わないということでしたが、ところどころ演じてますよ
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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

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やっぱタルベーラは合わないみたい
この人の映画は全部観てるわけじゃないけど画面から怒りが伝わってくる
でもその詳細を汲み取るには労力を要するし何度か観返す必要がある
退屈なので観返す気力が自分にはない
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

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めちゃくちゃかっこいいですね
特に洗礼のシーンがバチバチに決まってて良かったです

幸せなひと時をことごとくぶち壊していく残酷さや無常さに打ちひしがれることなく前に進み続ける強い漢の側面と、その血塗ら
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Here(2023年製作の映画)

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心が浄化される体験は初めてかもしれない

木のせせらぎ、雨音、そして音楽。
マイナスイオンってこの映画のことでしょってくらい全てが癒される
題材が苔っていうのもすごく合ってる

苔ってレアですよね
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

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90分弱ですか…
こんなに長く感じた90分は初めてです

まずなんといっても長回しが退屈
長回しってやっぱそれ自体は退屈な撮り方でどう魅せるかだと思うんです
タルベーラ然りタルコフスキー然り

コンセ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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裁判って意外にインファイトなんだ

もう少し内面を抉っていけたように思えますが、あくまで法廷劇の作品だったということでしょう

ひたすら会話会話でしたが飽きさせず2時間半持たせたのはさすがの脚本だとい
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聖なる酔っぱらいの伝説(1988年製作の映画)

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美しい大人の物語

刹那的な出会いが心地良い
話のテンポも小気味良く、音楽も実に素晴らしい
個人的には直接の性描写がないところも良い

お酒は毒にも薬にもなる
飲む際は気をつけましょう

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

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芸術に浸かっている気分だったが、劇場で観たにも関わらず暗すぎてよくわからないシーンがそれなりにあったのが残念だ。

実に絵画的で音楽もショットも幻想的で夢心地な気分だったが、ビジュアルに全振りすぎる。
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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これは凄まじいものを観たな
ちょっと筆舌尽くし難い体験だ

人間の人間による人間のための映画
映画をこよなく愛した者だからこそ撮れた傑作
人間を愛してやまない様子がこれまでの映画やこの映画から伝わって
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歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

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月の寵児たちの片鱗を感じる

じっとしていられずフラフラと地に足付けず生きているナンパ男で厄介極まりない。しかし男にも女にもモテていてとても魅力的なキャラクターだ。
主演の方の色気のある風貌がこの役に
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落葉(1966年製作の映画)

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こういう損な役回りの人間は可哀想だけどエンタメとして見るとやはり面白いですよね

職人に好かれる人間と経営者に好かれる人間と
男に好かれる男と女に好かれる男と
やはり前者の方が人間として面白いと思いま
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

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コング少佐ァァァァァ!!

この物語の発端が賢者タイムとは実にふざけている
心のヒトラーが抑え切れない博士といい非常事態にも関わらずコカコーラ社を優先しようとする兵士といい最高に皮肉っている
しかし時
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

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「人間の醜さを知っている」
この言葉に集約され補足的な会話が為されるヘンリーとの会話のシーンは作中最も重要なパートだが、そこまでが非常に長く中弛みがあるわけではないがどうしても冗長に感じてしまう

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平穏(1976年製作の映画)

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これは惨い…
板挟みにされて1番キツい役だ

キェシロフスキらしさの出た佳作だけど残酷すぎて見ていられない
現代でも通用する物語で日本では中間管理職の自殺率が高い

エル・スール(1982年製作の映画)

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前作同様に影が印象的で、終わりゆく父とこれから始まっていく娘との対比となっている。両者共に苦悩があり、克服できなかった者とこれから克服していくだろう者という対比でもある。
その影はメタ要素の他に画的に
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

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なんなんですかあの薬品は…

前半は冗長という意見もあるけどロードムービーは好きなのでむしろ前半がいい。普通のロードムービーと違って時代が違うしセットもハリウッドパワーでしっかり作り込んであるので旅の
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あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

1章は想像の範疇を出ない凡庸な内容で、今この時代でも名作と呼ばれるには無理があると感じたが、2章からは展開には変化がないものの、小説が原作になっているように文学的でプラトニズムな話になっていて、良い意>>続きを読む

四月(1962年製作の映画)

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所有することに対しての批判と自然破壊に対する警告がイオセリアーニという監督の至上命題なんだろう。

序盤はこのカップルと家具をせっせと運ぶ人たち、中盤からは対面するアパートに住む人たちとの対比になって
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ジョージアの古い歌(1969年製作の映画)

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「唯一、ゲオルギア」で歌が素敵だと思っていましたが、地域によって歌い方が違うというのは面白いです。
脈々と受け継がれてきたということで、できればその地域の特色について教えてほしかったですね。

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

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これは何を否定したい物語なんだろう。批判的な作りをしている気がするが、肝心の内容が思い浮かばない。
監督はこの物語はハンガリーでは日常的に起こっていることのひとつと発言している。
外界から隔絶された空
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青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(2023年製作の映画)

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アニメは基本、受動的な楽しみ方をしているため特に書くことがありません。しかし、これに関してはどうしても何か書かずにはいられない気持ちになりました。

今作はアニメ1期と前作に比べて少々毛色が違います。
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鋳鉄(1964年製作の映画)

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工業とは自然破壊の最たるものだろうに映像の美しさたるや…
マグマのような地球の根源的な自然、畏怖の念すら感じる映像

言葉は発されずただ淡々と作業する様を記録している
これならいっそのこと音声もそのま
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珍しい花の歌(1959年製作の映画)

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写真集のような作品だった
すなわち映像である意義をあまり感じない
歌とラストの整地のシーンが撮りたいがための作品だろう

水彩画(1958年製作の映画)

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学芸員の機械的で狭量な考えと夫婦を対比させている

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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光の綺麗な映画だった。しかし光のあるところにはやはり闇があるということを再認識させられた。

この作品はこの時代らしく政治批判のメタファーが盛り込まれている。しかし決して政治に対する抵抗を前提に作られ
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スタッフ(1975年製作の映画)

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まさに「下働き」という内容
権力に逆らえず屈してしまう少年

舞台という華やかさの裏で泥臭く頑張っているスタッフという対立した表現
少年の理想と現実も乖離しており二元論的な問いを投げかけられる

メッ
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

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初期の傑作と言われるだけある作品だった。
やはりモノクロだと淡白になりすぎるのでこの人はカラーで撮った方がいいと思った。

今のところこの作品が群を抜いて好きですが、ムショ行きになる展開がいくらカウリ
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ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987年製作の映画)

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ハムレットは読んだことも観たこともないがカウリスマキが扱う題材にしては上流階級すぎると思う。
この人は労働者階級の人間をドラマチックに描くことの方が遥かに合っている。

往年の古典映画を模倣している辺
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カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

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無法者がこんな一斉になだれ込んで来るのはもはや災害ですな
フランクはこの世に1人で十分なんだよ!と言わんばかりにフランクが退場していく

モノクロっていう強みを活かした映像だった。音楽もハマっていてこ
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

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学生時代は仲良かったけどその後疎遠になって昔の知り合いみたいな関係性になった人と久しぶりに会うっていう状況は割と誰にでもある展開だと思います。自分も年一くらいでそんなことが起こりますがこの作品はそれで>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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希薄な人間関係が心地良い。恋愛映画ではあると思うのですがそのジャンル特有のキラキラ感は皆無で盛り上がりこそありませんがリアルな心の浮き沈みがあるといった感じ。

かなり無機質な画ですが時折シュールな笑
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