椎名さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

3.0

「all of you」ってセリフに対して、居合わせた人たちで 「you?」「 all of "you"」って言い合っているシーンで笑った。このシーンだけじゃなくて、やりとり全体がコミカルで笑える。>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.0

少しずつ真水にならしながら育てるんだ。
東京でも生きていけるように。

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.0

インタビューで語られるニコラの人となりと、本編での印象がだんだん重なって見えてくるのが面白いなと思った。
「恋愛っていう概念を愛していただけ」「その距離に恋していた」と語る女の子が印象的だった。
結局
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

2.5

真実は事実であって、語られた出来事は既に物語になってしまう。

マイ・マザー(2009年製作の映画)

3.5

母の言動ひとつひとつが気に障る息子。
大人全般に対してではなく、母に対する不快感。
母も息子も互いの言葉を最後まで聞かないし、どちらにどれだけ非があるというのではなく、単純に噛み合わないんだと思った。
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.0

20200505
「自分の人生を滅茶苦茶にした人を一人殺してやろうと思ったが、誰を選べばいいのか難しい」と言う。
前後関係の誤謬(出来事の前後関係を因果関係だと思ってしまうこと)を思い出した。あのとき
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

4.0

最初と最後のシーンが重なるのは、繰り返される日常の一部だからということなんだろうなと思った。

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.5

最後の告白シーンのセリフが特に印象的だった。
見終わったあとにぼーっとしながら、コメディは前のめりだとウケないんだろうなと思った。
素直にロマンティックなラブコメにはなりきらないバリーとリナの関係が良
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

2.5

苦痛の叫びと、マリアのささやき、聖母マリアだなと思った。
愛なんてない、愛されなかった、愛されたい、とそれぞれ苦しんでいる三姉妹と一人の召使いが一つの家で過ごしていた時間の話。
血縁関係の濃さと心理的
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

2.5

裁判が終わってから、ラストまでの行ったり来たりを繰り返す描写がこの映画の中で一番よかった。

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

2.5

二重螺旋とはDNAのことなのかな。
怖いな、夢、誰の見る夢なんだ?
「それは胎児とは言えない」寄生性双生児を、命ある存在として認められるかどうか、というところがとても気になった。(この映画の本筋とは少
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ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~(2019年製作の映画)

3.0

狭く小さな港町で、母を亡くした姉妹。
女が見ている、女たちが街を守っている。

MEMORIES(1995年製作の映画)

4.0

エンドロールのキャプションとBGMがかなりかっこよかった。短編三部作で、私は大砲の街が好きだな。彼女の思い出は言わずもがな。SFってゴツいなとも思った。
そもそもSFってなんなんだろうな、科学技術だけ
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Melanie Martinez: K-12(2019年製作の映画)

2.5

メラニーマルティネスというアーティストを知らずに見たので、1回目は終始この作品をつかみきれなかったのだけれど、ストーリー仕立てのMVだと思えば納得できた。公式YouTubeチャンネルにもあがっているの>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

4.0

2020/3/29
面白かった!
予告も何も見ていなかったので、かなり笑ってしまった。
アニメーションならではの表現が、音楽の衝動性とか揺らぎみたいなものとかなり親和性があった。古美術も良かったな。森
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魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.0

この状況すら神の御心によるものだとしたら、なんて言われて言い返せるわけもなく。
立場をわきまえろ、教会というシステムの維持には否応無しにお金が必要になる、というのも分からなくはない。神に仕えることと、
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フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

3.0

欲しいものは名声や賞賛ではなく、その皮を被っただけでなんてことない母親から認められることだったのでは、小さな子供みたいだと思った。
リーダーにもメンターにもプレイヤーにも成れなかったが、名乗り続けるこ
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.4

本当に「愛している」なら進んで自分を差出せるか、自己愛と他者への愛を天秤にかけた上で、大概人は自己愛を投げ捨てることができないでしょあなた達が言ってる「愛」なんて互いの妥協点にすぎないんだよって思った>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.0

「身動きせず、沈黙すれば嘘をつかずに済む」という台詞が印象的だった。表出したもの、他人の目にさらされるものは全て演技になってしまう。
仮面をつける顔は一つしかないというのがエリザベートを苦しめているの
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デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(2020年製作の映画)

4.0

アグモンのビー玉みたいな目にうつる太一の背中よ。「デジモンと共に歩んだ、全ての(大人になった)子供たちへ」というフレーズが良いなと思う。太一とヤマトが涙をこぼしたシーンがもうどうしようもなくしんどかっ>>続きを読む

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

3.5

てっきりおちゃらけ能天気コメディアクションだと思っていたので、後半からストーリーがよく掴めなくなっていた。現実としての展開と、(映画内の)脚本としての展開が交錯するから、余計に置いてけぼり食らった気分>>続きを読む

裁き(2014年製作の映画)

2.5

視点が固定されているシーンが多く、人物へのズームアップがほとんどない。フレームの外側にも登場人物の行動があることを想像させられる。ある一件の裁判を描いているようで、登場人物それぞれの日常を深入りせずに>>続きを読む

カリスマ(1999年製作の映画)

4.0

世界の法則とは、それはあるがままを容認すること、対にあるどちらも生かすこと、それでいて弱肉強食ではないことであるならば、その法則を正すということがどういうことなのかはっきりとは分からなかった。
「カリ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

カメラワークをはじめ至る所に明暗の対比があって面白かった。あらゆる要素が対比に繋がるのであれば、タイトルもそうなんだろうなと思った。
見ていて何度もヒヤヒヤするのだけれど、この映画は不安が的中するよう
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サーミの血(2016年製作の映画)

3.5

身体にしみつく匂い、好奇の目
差別が不当に冷遇することなのは誰もが何となく理解していることだと思うが、不当とは何なのか、冷遇とは何なのか、みたいなことを考えながら見た。

わたしはロランス(2012年製作の映画)

3.5

愛があれば辻褄があうわけではない。
ロランスが、フレッドの髪を流す仕草が好きで時々真似をしていると言う台詞が印象的だった。
ロランスが言う「女性として生きる」ことは、自分が綺麗だと思う姿に近づこうとす
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.5

何が起こるか分からない待機の前半で時間の経過を気にするが、折り返しからラストまではあっという間だった。長いと思った前半部分ですらまた見たいと思えるのもおかしい。
密室での一晩という物語の展開させる要素
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メランコリア(2011年製作の映画)

4.0

救いはない。物語が再生された瞬間から、もう救われることはない。
救いがあるとすれば終わることだし、この物語は完璧に終わる。エンドロールの続きはない。終わり。対比が多かった。

色々考えたのだけれど、「
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

社会的弱者として描かれるダニエルが不幸かどうかは別問題だなと思った。
身体も悪くなり、社会のややこしいシステムのおかげで適切な手当も貰えず、大切な家財を売り払って、惨めかもしれない。でも、年の離れた隣
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否定と肯定(2016年製作の映画)

3.5

「ある人物が、心からある思想を信じ、それに基づいて発言しているのであれば、それをウソと非難はできない。」「ただ、その思想信条のため意図的に史実を捏造・歪曲させることは認められない」というところが、この>>続きを読む

ラッキー(2017年製作の映画)

3.5

つまらん雑談より気まずい沈黙の方がマシ、という台詞がラッキーの人柄をよく表しているなと思った

女は女である(1961年製作の映画)

3.4

他愛もない言動が繰り返されるうちにコメディになってしまう可笑しく見えてしまうという、お笑いの手法 天丼 のことを思い出した。なんてことないやり取りの内容ではなく、繰り返される構造こそがコメディなんだと>>続きを読む