よどるふさんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

アウトロー(2012年製作の映画)

3.8

冒頭の長距離狙撃、カーチェイス、採石場の戦い(助手付き)と見どころが多いのも良いが、なにより謎解きものとしてプロットの完成度が高いのが嬉しい。

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

4.2

『バーフバリ 王の凱旋』との前後編らしいので、まずこちらを。ダイナミック滝登り、マヒシュマティ王国の俯瞰(テーマ曲つき)、勝手にタトゥーペイント求愛、命を刈り取る形をしている回転鎌戦車などなど、嬉しく>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

2.8

複数の筋が見えてきて、それらを「現在と過去」、「現実と虚構」とラベリングしながら観ていくと、ラストになって収まりが悪くなっていくという奇異な作品。シーン描写のもたつきが気になった部分もあるが、死体の美>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.6

壮大で高密度な人間ドラマにと画力に圧倒され体感的には10時間くらいだったのに実際にはたったの2時間半という驚き。主要な登場人物たち全員に生命力が漲っているので、その死すらも生き生きしく感じられた。良い>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

昨年(2017年)の『SING』に続き、またもや「音楽の力」をテーマにした傑作に出会えた。私的ピクサーアニメ作品のベスト更新。同時上映の『アナと雪の女王』短編(これも素晴らしかった)と続けると、面白い>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.2

4DX3D吹替版にて鑑賞。冒頭のオアシス観光案内の幸せな浮遊感、からのカーアクションシーンはもう4DXなしでは観られないかもと思ったほどのアトラクションに満ちていた。全編通して楽しく観られたし、2時間>>続きを読む

名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.6

『瞳の中の暗殺者』から幾年月、警察内部の人間ドラマでここまで描く作品が『コナン』から出てくるとは。劇場版コナンのベストを選ぶときに「幅の広さ」を意識した選出をするとしたら必ず入れる作品になるな、という>>続きを読む

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)

3.6

自分の中で「日本刀によるチャンバラと巨大ロボット同士の取っ組み合いが一度に観られる唯一無二の映画」というラベリングをしていた『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』から、そのラベルを剥がすときがついに来て>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.4

作中作(曲)である「リズと青い鳥」によって学校ものとしての枠線がしっかりと引かれている作品全体の詩的濃度は徐々に高まり、それがピークに達したとき、みぞれと希美から発せられる自身たちの関係性を表す比喩表>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

5.0

タイトルに"万引き"とあるものの、そこだけがメインではない。それどころか、日頃ニュースで見聞きするような社会問題のテーマ全部乗せの具沢山大盛りみたいな映画で満腹感を感じた。予告の"絆"というワードに無>>続きを読む

パンク侍、斬られて候(2018年製作の映画)

3.6

原作を読んだとき、序盤のコメディは「一見時代劇ものであることと言葉の現代感の落差」による笑いだと認識していたが、映画ではその手続きがなく、軽いセリフも役者の身体性を伴うとどこか微妙で、最後までギャグの>>続きを読む

椿三十郎(1962年製作の映画)

4.3

全編に渡って横溢する頭脳戦趣味が楽しい。椿三十郎のスマートさに陸田夫人のキャラクター性が噛み合い、いい意味で綻びが生まれ、押入れ侍のユーモアや椿の合図という逆転劇の発端にも繋がるという脚本の隙の無さ。>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

2.7

制作者がやりたいことをすべてやるために設計した後半の舞台は、映画が始まる前から舞台装置としての機能をすでに始めていたという仕掛け。それが一部の人物にとっては地の利がある舞台であるという状況は面白い。>>続きを読む

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

4.3

原作既読。森見登美彦原作の石田祐康監督作となると、自分好みの映画にならないわけがないのであった。というわけで、今年劇場で観た中ではもっとも好みの一作。アオヤマ少年がペンギン出現の謎に挑む、その「姿勢の>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

2.3

観客の頭に疑問符を湧かせる「画」とその「解答」の因子がそれぞれにいくつかあるが、因子をつなぐ糸は短く、短いゆえに糸が縒りあわさって束になっているようには見えず、全体を見回すと、なんだか横線を足す前のあ>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

3.6

オープニングタイトルには「未来のミライ」の下段に「MIRAI」と表記がある。futureの文字はない。固有名詞の提示をコントロールしている今作の中において、「命名」という段階を経て固有名詞を与えられた>>続きを読む

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.2

互いに銃口を向け合う一触即発のシーンからトリッキーな過去語り、銃撃戦、の流れに痺れた。ラストカットの「ブランコの手前に座り込む男たち」は、子どもと一緒に遊んだであろうブランコ(過去の思い出)を背負って>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.3

開始早々に重い展開だが、生命力の溢れる春の季節で始まる作品のトーンは暗くなく、幽霊のキャラクターだって気さくな感じで夜の住人ではない。一巡りする季節の中で、主人公おっこの別れと出会い、そしてもう一つの>>続きを読む