薄さんの映画レビュー・感想・評価

薄

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.0

マルセルのコミュニティが想像以上にデカくて驚いた。流石に住人も気付くだろ……。ドラえもんの「ドンジャラ村のホイ」を思い出したけど、コミュニティの行く末も同じになりそうで哀しい。

映画に話を戻すと、見
>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

2.8

台湾映画「1秒先の彼女」のリメイク。主人公を入れ替えたら違った味も出てくるかと思って鑑賞したけど、単純にキャラの性別を入れ替えただけだった。えー……。

性別を交換した意味はあまりない。と言うか別に運
>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

2.9

米ソの冷戦情勢を背景としたブラックコメディ。

悪い冗談のような作品だけど今やネットを見れば似たようなやり取りやキャラが幾らでもいるし表舞台に立つ人もポツポツ出てきている。キャラクターの誇張度合いが公
>>続きを読む

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

3.0

「HERO」、「PROMISE」が案外でファンタジー武侠はもういいかと思っていたけど、チョウ・ユンファが出てるしジャンルの代表作ということで鑑賞。

評判は良くないがストーリーは武侠ものの中では面白い
>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.0

これがSISUの力ということなんだろうが単純に主人公の耐久力が激高い。その上回復力が異常(撃たれてもすぐ動けるようになる)なのでまさしく不死身。耐久力ゴリ押しアクションって珍しいっちゃ珍しいかも。>>続きを読む

共謀家族(2019年製作の映画)

3.0

どっかで聞いたような話だなあ……と思って見ていたが「マイホームヒーロー」は2017年5月から連載開始された漫画を原作としたドラマ&映画。こちらは2013年に公開されたインド映画「Drishyam」のリ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.0

才能あふれるカリスマの栄光と転落というベタな話を今風の道具立てで描いた映画。

転落する原因もベタなものなのだが、カリスマをレズビアンの女性にする事で違った意味合い、現代倫理に対するある種の問い
が浮
>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

3.2

妙なラブストーリーだった「心と体」のイルディコー・エニェディ最新作。

思ったよりまともな話で拍子抜けしたけど相変わらずの静謐な雰囲気は良く、好きなタイプの映画だった。レア・セドゥが非常に魅力的に撮れ
>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

2.8

前作「スパイダーバース」同様アニメーションのレベルは高い。特に今回は背景の書き込みと演出が凄かった。

……が、ストーリー面はちょっと。毎度お馴染みで食傷気味のマルチバース&どっちの正義が正しいか対決
>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.0

有罪確定に見えた事件が徐々に覆っていく緊張感あるスリラーとして単純に面白いし、流れの中で個人のバックグラウンドや社会問題が浮かび上がってくるのも上手い。これを95分にまとめてるんだから流石の名作。>>続きを読む

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.0

初鑑賞。もっとサイコサスペンス調のイメージだったけど割とスタンダードなノワールでびっくり。

スタンダードから外れているのが風光明媚なイタリアのリゾートを舞台にしたところ。話そのもののダークさと映像の
>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.0

「それから」以来に見る2本目のホン・サンス作品。ホン・サンスの中では「それから」が1番分かりやすいと聞いていたけど、確かに比べるとこの作品は捉えどころがないと言うか掴みにくい映画だった。

ガミが会っ
>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

2.9

行き詰まった男の人生を時間を巻き戻しながら見せていく人間ドラマ。感情表現が派手なのと人生の行き詰まり方が極端なのが韓国映画らしい。ただ、ひと時代(もっとか?)前の映画だからかルックと言うか画作りは韓国>>続きを読む

ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

3.0

正直今見ると中盤は退屈、と言うかダレてるようにも感じるんだが最初とラストのアクションは文句なく凄いし面白い。

ジャッキーのカンフーもキレが抜群で全盛期の充実っぷりを感じさせるし(スタントももちろん凄
>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

2.9

タイトル後即始まるアクションで一気に惹き込まれる……がその後は勢いがつくこともなく終わってしまった。凄く悪いわけではないけれど、前作の面白さを考えると残念な出来だったかな。

恋愛関係や記憶喪失の件は
>>続きを読む

山の郵便配達(1999年製作の映画)

3.1

父にとっては終わりの、息子にとっては始まりの旅を通じて親子の想いが交差するロードムービー。

ストーリーはベタなんだけど山の風景や鮮やかな夕日は美しく、不器用に寄り添う俺父子の姿は胸を打つ。温かく良い
>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

2.9

メルヴィル・ブルーを思わせる街並み、色鮮やかな車窓の風景、光と影のコントラストが見事なクアドリ教授との対面、後半車の窓越しのマルチェロとアンナの表情。評判通り映像的な魅力に溢れた映画。

「普通」であ
>>続きを読む

マーベラス(2021年製作の映画)

2.6

スタイリッシュなアクション映画……を目指して失敗に終わったB級映画という感じ。

マギーQもマイケル・キートンも洒落た台詞を連発するんだけど、どことなく間抜けな雰囲気が漂うのが午後ローっぽいと言うか何
>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.1

実在したエクソシスト云々という宣伝文句から堅い部分もあるのかと思ったけど、中身はどストレートな荒唐無稽スリラー。しかし、異端尋問を悪魔のせいにするのは都合良すぎるぞ。

こういうのを見ると知識不足でキ
>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.1

癌の検査結果を待つ女性クレオの5時から7時までを追う映画。

癌=死に対するものだと思っていたクレオの恐れや不安がもっと大きいもの=自分という存在の空虚さだと分かり始めてからはグッと引き込まれた。もう
>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

2.9

箱入り主婦(?)のテルマと友達ルイーズが社会から開放されていくロードムービー。それにしたってテルマは馬鹿過ぎるだろ……。

女性2人を主人公にしてアメリカン・ニューシネマをやるというフェミニズム趣向は
>>続きを読む

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)

3.0

困り顔のままマフィアをボコボコにするサモ・ハンが怖い映画。

上半身アップで手元だけ写すアクションは晩年のセガールを思い起こさせて哀しいが、その代わりに(?)カーチェイスシーンやアンディ・ラウの階段ア
>>続きを読む

キングスマン(2015年製作の映画)

3.1

親友のガイ・リッチーを思い起こさせるオシャレアクションだけど、話自体はガイ・リッチーより素直で王道。ちょっと馬鹿馬鹿しいネタを挟みつつ、テンポ良く、先を読ませずで面白かった。ストレートに楽しめるエンタ>>続きを読む

ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

2.9

もっと温かいハートフルドラマを想像していたけど、実際は苛酷な群像劇だった。

見えない人たちを主人公にしながらも映画そのものは彼らの欲望も、受ける差別も、肉体的・精神的な痛みも剥き出しで描いていく。全
>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.0

特異な状況で歪み、屈折していった(愛・友)情がむしろピュアなものになり、文化の違いを越えるほどの強さを持ったという事なのかな。よく分からんが。

この頃のたけしは色気があると言うか存在感が抜群で、最後
>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.0

オシャレで綺麗な大人向け動く絵本って感じだろうか。ウェス・アンダーソンらしい作品。

「ムーンライズ・キングダム」よりストーリーがエンタメで、「フレンチ・ディスパッチ」ほどオシャレがtoo muchじ
>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.1

リベンジスリラーという看板に偽りあり。そういう映画を期待してみると肩透かしを食うので要注意。

実際は大切なものを失った人たちの喪失感と哀しみを見せるような映画(中盤はスーパー料理人もの的な要素もあり
>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

3.1

イラン社会を背景に人の弱さとズルさを描いてきたファルハディたが、今回はその背景を「SNSやメディアが広がった現代社会」に置き換えてきた感じの作品。

主人公の中でせめぎ合う善意とズルさ。その揺れが善と
>>続きを読む

ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年製作の映画)

3.0

クリスマス映画のイメージがあったけど全く関係ない話だった。クリスマスの時期に公開されたのとファミリーで見易い映画だからクリスマス映画として紹介されてるのかな?

話としてはベタなエイリアン交流物で、エ
>>続きを読む

インファナル・アフェアIII 終極無間(2003年製作の映画)

2.9

傑作香港ノワールシリーズの最終作。1はもちろん2も面白かったので期待したけど期待が大き過ぎたかも。

主題となるラウのその後だけでは尺が余るからか色々後付けをして入り組んだ話にしているけど、それ等があ
>>続きを読む

ナチス・バスターズ(2020年製作の映画)

3.0

ロシア発のアクションプロパガンダ映画。

特にラストはプロパガンダがあからさまで冷めてしまうけど少数部隊の西部劇風味なアクションは中々面白い。

後半の急な肉弾戦は工夫もなくてイマイチなもののストーリ
>>続きを読む

無聲 The Silent Forest(2020年製作の映画)

3.1

実際に起こった性暴力事件を正面から描いた重〜い社会派ドラマ。事件の犯人や原因よりも被害者と事件を取り巻く環境に重点を置いて描いたのが特徴。見るのは辛いが良作ではある。

ろう学校という社会的に隔離され
>>続きを読む

コンティニュー(2021年製作の映画)

3.0

「ハッピーデスデイ」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」路線のタイムリープアクション……と言うか死にゲー映画。

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のような大作志向ではなく、B級と割り切って仰々し
>>続きを読む

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

2.9

90年代「ニュー・シネマ・パラダイス」、「レオン」辺りと並んで好きと言ったらにわか扱いされるぐらい流行っていたオシャレ映画。他2つと違って最近は名前が挙がらなくなってきたが、ふと思い出したので鑑賞。>>続きを読む

ダルバール 復讐人(2020年製作の映画)

3.0

「RRR」がヒットしてたときにチラホラ名前が上がっていた、アクションあり笑いあり踊りありの総合エンターテインメント。急な体力作りなどこのシーンいるか?って展開が出てくるのはご愛嬌。

ベタな女性苦手コ
>>続きを読む

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

2.9

狂乱のラストに繋がる不条理コメディ。

中盤のおじさんとの追いかけっことかエッフェル塔のシーンとか面白いところもあるんだけど全体的にはよく分からん、という映画。途中ちょっと眠くなってしまった。

>|