作品としての締めに位置するシーズンなので話数も14と多いが、鈍重さを感じさせない手付きで走りきったのは好印象。複数の関係性の結実がコメディの歯切れを悪くするかと言われるとそういうこともなく、日常劇として親戚の子作りを間近で見るようなゆったりとしたほのぼの感があってこれが大変良かった。個人的なキャラクターに対する愛着は評価とは異なるので省略するが、彼ら以上に彼らを見知って親心に近い感情を抱える視聴者としては彼等の縦軸が成就して結末を迎える展開は小刻みな感動の波があり、暖かみのある人間ドラマの進展が新たな笑いを引き起こすという連鎖的な良さもしっかり強調されるので、より『終わって欲しくねぇ〜』だとか『もう少しだけ見ていたい』という気持ちを掻き立てられる。しかしながらもう少しだけ見ていたいのラインで切り上げる締まりある結末なのがとてもよく、3シーズンに渡り物語の停滞を感じさせずに生き生きとしたコメディを繰り広げたシリーズとして完成度は高く満足度という点に関しても同様である。
