キャラデザに惹かれて初めてのプリキュアに挑戦。慣れない内は変身バンクを筆頭に見ていて気恥ずかしさがあったが、実はデザイン自体はそこまで深夜アニメと変わらないこともあり割と簡単に順応した。トンチキなノリで軽く見せながら骨子はちゃんと考えられており、「今一番大事なこと」の物語は一貫している。主要五人が濃くキャラ立ちしていてそれぞれの関係性が微妙に異なるのが良い。敵役のチョンギーレ、エルダ、ヌメリーさん達も憎たらしい感じでは決してなく、使い走りをさせられる苦労人であった。魔女が巨大感情の化物であったのに対し、人魚の国の仕組み「記憶を消去する」が何やら不穏なものを感じさせたが、真相は結局感情。実質的な主人公はまなつとローラであり、最後に映るのが二人であることに納得。ベストは最終回になってしまうが、驚かされたのは29話、何の前情報もなしにいきなり画面が劇場版クラスに充実したのでビックリした。こういう不意打ちに出会えるのが一年を通して追う醍醐味と言えるかも知れない。
