えな

こんにちは アン〜Before Green Gables〜のえなのレビュー・感想・評価

4.3
赤毛のアンがグリーンゲイブルズに行くまでの話のアニメ版。原作は2008年にバッジウィルソンにより発表され、モンゴメリ作ではない。

はじめのほうは、原作で語られた過去のことと内容が合致しているので違和感なかったが中盤からアンの性格がグリーンゲイブルズに辿り着いた頃のアンに繋がらないと感じるようになった。あまりに芯が強く、いい子すぎる。モンゴメリの描くアンじゃないからかなあ…と思っていたが、日々を懸命に生きてきたのに結局孤児院に入れられたアンが癇癪をおこし、あっという間にしってる赤毛のアンになってしまった。
孤児院に行く日の描写は仕方ないと思うひともいるかもしれないが、個人的にはあまりにえげつないと感じた。
ずっとずっと頑張って居場所を確保してきたのにいらない子扱いされ、この瞬間にひどく心に傷を負ってそれまでのアンとは違うアンになったと感じた。

トーマス家は全員があまりに自己中心的。はじめの方ならまだわかるけれど、アンを大切に思うようになったそぶりを見せつつ、アンを所有物のようにふるまう。そんな一家にはらがたつ。アンを家族だと言いながら最後の最後までおばさんはじぶんのことしか考えず、子供達ですら誰1人アンのことを案じず、じぶんたちが寂しいこととアンが去ることへの怒りをあらわにしてた。その描き方がアンに対してあまりに残酷でむかむかしてしまった。
ハモンド家の夫婦も、やはりハモンドのおじさんはダメ人間だ。アンは最後まで擁護していたけれど、絶望を感じた。
この物語は必要だったんだろうか。
それなら老後のアンのアニメのほうが観たい。
えな

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