ムーティ松本

ぼっち・ざ・ろっく!のムーティ松本のレビュー・感想・評価

ぼっち・ざ・ろっく!(2022年製作のアニメ)
4.8
今まで見てきた学園モノや日常モノの中でも最高峰だったと思う。

8話を見た時に「ああ、これは名作だ」と確信して原作既刊を全て購入しアニメ化されている範疇を拝読させていただいたけれど、めちゃくちゃ出来の良いアニメ化なんだなということがよくわかる。

原作を構成するキャラクターとストーリーの美しさをしっかり咀嚼し描写した上で、ライブシーンは勿論のこと、ギャグシーンでは謎のCGでシュールな世界観を醸し出したり等の魅せ方で別の媒体としての良さをグングン引き出している。

そしてなんと言っても(当然結束バンドのメンバーは全員大好きではあるのだが???)主人公:後藤ひとりの持つ魅力がこの作品を人気たらしめた所以だと思う。

目立たないけれど実は可愛くて(結束バンドのメンバーが評するように)面白い、という萌え要素も勿論のことながらそれだけに留まらず、臆病で自己顕示欲が高い「陰キャ」がそれでも自分の理想の体現のために勇気を振り絞るさまは、僕が大好きな主人公ジョン・マクレーンとも通ずるような、普遍的な感情移入性(そんな言葉があるのかわかんないけど)を感じさせられた。

そんな彼女がこのアニメのシーズン1全12話の出来事を通し何を経てどうなったのか、という人物描写は、最終回におけるASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲のカバーからのCパートで本当に美しく描かれ切っていると思う。

原作の続きも読むつもりですがアニメの続編を心待ちにしています。ギターのコードをちまちま練習しながら待ってます。
ムーティ松本

ムーティ松本