ムーティ松本

PSYCHO-PASS サイコパスのムーティ松本のネタバレレビュー・内容・結末

PSYCHO-PASS サイコパス(2012年製作のアニメ)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

う〜ん面白かった。
序盤と中盤の間あたりに少しダレるポイントはあれど、全体を通してシリアス感とエンタメ性がうまい塩梅すぎましたね。

やはりなんといっても世界観の造形とその発想。「最大多数の最大幸福」が行き過ぎた社会を描くフィクションは、いわゆるディストピアものとしてジャンルが確立しているわけですが、それらの先達をふまえた上で、現代の価値観を加えてこの世界観を描き出しているのはめちゃスゴい。
「まどか☆マギカ」の過不足ない世界観描写にも衝撃を受けたものでしたが、このクオリティに関してはやはりクリエイターへのリスペクトが止まらない。
その舞台上に登場するキャラクターの魅力も素晴らしく、狡噛慎也×槙島聖護の関係性の魅力はかなりのもの。槙島の死亡時に本気で悲しいと思った自分に驚いたんだよね。
終盤の常守の「The 主人公」もいいよね…

シビュラシステムに関して。
「真実は誰にもわからないので皆で相談して多数決で決めよう」という現代の民主主義がやっぱりベストではないけどベターとするのが正しいと思いつつも、意志薄弱人間としては「幸福を決めてもらえる」悦びと利便性はけして否定出来ないねぇ〜、というところでオタクの心にもジレンマを生み出しうる。DEATHNOTEなどもそうですが、「正義と悪と倫理、自由と秩序」系の問答は大好物なので、終盤の常守のメンタリティの描写などもかなり良かったですね。
シビュラシステムが見込んだ人材は伊達じゃなさすぎる。

しかし、就活をする必要がない世界というのは流石に良すぎると思ってしまうな。
ムーティ松本

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