都部

モンスターズ・ワーク シーズン1の都部のレビュー・感想・評価

3.1
自分の望まない環境で仕事のやり甲斐を見つけていく新卒社員の追体験のようなアニメーションである本作は、シリーズの顔役であるマイクとサリーを経営者として脇役に置きながら、MIFTを取り巻く新キャラクター達の仕事の日々を愉快に描くことに概ねは成功していると言える。

その上で"置かれた場所で咲きなさい"という綺麗事を物語のテーゼとして通すだけでなく、得るべきものを得られない場所はないという環境の変化を肯定する内容であるのは物語に風通しの良さを覚えるだろう。タイラーを初めとするミフトの面々の掘り下げも10話完結のアニメシリーズに相応しいテンポ感で、掘り下げすぎない塩梅によりドラマが特定の個人に偏りすぎていないバランスも流石はピクサー作品。ただタイラーの一進一退に関して言えば、若干 子供向けすぎるきらいもあり人物設定に不相応な我儘な言い分を感じてしまうのはややノイズで、序盤〜中盤はそれが言動として繰り返されるのは正直 良い気分とは言えない。

またモンスターズインクの会社の部署の開示も不十分で、世界観の拡張と改めての新鮮な提示に欠ける点は否めず、お仕事アニメとして送り出すなら他の縁の下の力持ち的な部署をスポットとして取り上げた方が取り扱われる仕事の重要性をより強固な形で見せることができたように思う──ミフトの面々の愛らしさとその仕事が持つ意味はまるで異なる部分であるし、その点がブレにブレてるのは不服である。
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