タングステン

サイバーパンク エッジランナーズのタングステンのレビュー・感想・評価

5.0
この作品がゲームの真似事で終わっていたら、ここまで評価されなかったはずです。それぐらい、この作品はゲームとは全く違う体験ができ、ゲームと最も近い世界を共有しているのだと感じさせられました。
ゲームの世界をそのまま表現するのではなく、アニメとして別のアプローチを視聴者に与えたことが、この作品の最大の功績だと思います。

デイヴィッドが使用するサイバーウェアの残像表現は、ジョジョの第5部で同じタイプの演出があったと思います。ただ、エッジランナーズでは、残像の表現をサイバーサイコ化への兆候としての不安定さに用いるなど、ゲーム画面の垂直同期のズレやバグのようで、電子的な不具合を感じさせられる独創的な表現でした。

主題歌がFranz Ferdinandというのも豪華でパワフルでした。

大味で、勢いでもっていく作品のようにも感じられますが、他のTrigger作品同様に、細かな表情や仕草で描く丁寧な人物描写があるため、キャラクターが愛されるのだと思います。重く暗くなりそうなテーマなのに、アニメということで、観やすく仕上がっているのは、オススメしやすいです。

Triggerそのものが、常にエッジの壁を超えようとしている、そう感じさせられる作品でした。