ぼっちザうぉっちゃー

ダークギャザリングのぼっちザうぉっちゃーのレビュー・感想・評価

ダークギャザリング(2023年製作のアニメ)
4.0
興味本位が功を奏してしっかりイチオシな作品。

ポップな絵柄がギャップとは違う意味でちゃんとホラーとして昇華されていて、自殺描写やショッキングな表現もなかなか容赦ない。さらに身代わり人形というアイテムのおかげで、怨霊がしっかり致命的な危害加えてくるのでそこそこ気が抜けない。
アニメという媒体では感じづらいじっとりとした「場」の怖さも効果的に表現されていて、純粋にホラーとしての満足度が高かった。もっとゴリゴリのジャンプスケアとか多用してホントに観る人限られるくらいの怖いやつやってほしいくらい。

そして何より怨霊の蠱毒と、霊のポケ〇ンみたいな設定と展開がめちゃくちゃ面白い。
近づきたくもない強力な霊たちや呪いとの、接触と計画、死闘と攻略、を繰り返し新たな眷属とスキルを獲得していく感じ。これは燃える。
そうしたバケモノにはバケモノをな嗜好や、ごりごりの物理(バール)で殴りこんだり、霊に呪いのビデオを見せつけて呪い返したり、ガジェットとアイデアを使った奇想天外な悪霊退散のカタルシスを生み出したりするところは白石晃士イズムを感じるよう。

それでいて全体の頭身とビジュアル、異常に大人びた小学生の夜宵や主人公の巻き込まれ体質など、マンガらしい雰囲気とコミカルなパートが、ちゃんと抜けになっているのもポイント。「ひぐらし」ばりの顔面狂気を感じさせる詠子の激重設定まで含めて、謎と怪奇と恋と瘴気が奇妙なバランスで成り立っているのも興味深い。

また満を持して神様を相手取ろうとするような度外れたスケール感や、徐々に明確な悪意と敵対勢力が登場したり、1クール目最後の方にちゃんと最恐の怨霊“卒業生”という惹句と盛り上がりがあったりで、2クールが全く苦じゃなかった。さらに「成り代わり」という脅威にシフトしていく点もサスペンス的に面白かった。

もっともっとクレイジーな怪進撃を観てみたいので、是非とも続編を所望する。