都部

セキレイ~Pure Engagement~の都部のレビュー・感想・評価

セキレイ~Pure Engagement~(2010年製作のアニメ)
2.5
前期から登場していたエピソード未消化のヒロインとの契約を済ます下りはハーレムアニメの定石としてはアリだが、作品全体を俯瞰すると主軸に位置する話が12話を通しても、実はさして進行していないという鈍重さにやはり目がいく。

そう思えてしまうのは作品の粗筋──108羽によるバトルロイヤルの根本的な状況の停滞にあり、モブに位置するキャラクターは数多く散るものの、乱戦の様相を呈してもメインキャラクターは小競り合いを繰り返しては退散をして決着を後に持ち越しているので、活劇としての見せ場もろくにないというのが実情だ。第2期で戦闘を正面から描いたのは中間と最後のみで、戦闘数の数を思うとこれはあまりにも少なく、また作劇上から減少しないキャラクター達を明らかに持て余していることも踏まえると、途端にこの場の賑やかさがノイズに感じてしまうのである。

シリアスを演じろという話ではないが、守るべき日常と地続きのパートが多い為か話にメリハリが効いているとは言い難いように思うし、出逢いと契約部分にヒロインとのドラマは詰まってはいるものの、それを過ぎるとその他の一人として処理されがちなのである。特にメインヒロインであるはずの結の役回りも今回はかなり気薄で、強いて言えば月海が目立っていたくらいか。妹や友人のセキレイとの関係も表層的な部分しか描写されず、よって1クールアニメとしてはどうしても物足りなさが残る後味である。
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