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マケン姫っ!の都部のレビュー・感想・評価

マケン姫っ!(2011年製作のアニメ)
2.4
R指定の同人界隈で活躍する武田弘光氏の性癖の発露が散見される本作は、全年齢の作品ながらあの手この手を尽くしてスケベを挟むことに尽力した作品となっており、その傍らでメインストーリーを進行する関係上 はっきり言って脚本は粗末な出来である。

原作序盤のエピソードを再構成した本編は、前半こそマケン姫に所属する主人公達の騒動解決を描く一話完結の物語として割り切られているようであるが、VENUS登場から作品本来の軌道に乗り直し始める。

しかし明らかに12話完結で諸々の問題を終わらせることは出来ておらず、ショートカットに次ぐショートカットがVENUSたちが学園生活を通して得た心境の描写として不十分だ。また作中初のシリアス長編となるエピソードの代替として用意された敵役の存在が、取って付けたような物語の一時的な完結を強調していて、その準備不足尺不足から成る駆け足な脚本は全体の悪印象という形で波及している。

一貫した流れを持って語られる原作からアニメ化の範疇を絞るのはたしかに難易であるが、だからといって登場人物を取り敢えず出すだけ出して原作の導線程度の完成度に収まっている点は見過ごすことが出来ず、加えてお色気描写も物足りないのが残念。あるにはあるんですけど、そっちに振ってる作品としてはまあこんなもんかなという気持ちは拭えず、もっとドスケベなシチュエーションでも良かったんですけどね

本作で秀逸なのは女体の作り込みで、『えっち!』という感じのヒロインばかりが続々と見本市の如く出てくるのは、作者の持ち味というところでしょうか。私はこの辺の話の範囲内だと二条秋と六条実が好きなのですが、語り出すと長くなるので漫画の感想時にそれはまとめます。
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