2話まで鑑賞して『あれ、前評判の割にあんまり面白くないな……』という逸る気持ちを発露させていたのですが、本作が位置するジャンル:ラブコメ要素の充実と共に物語の勢いは乗りに乗った印象で、全四巻の四コマ漫画のアニメ化として体裁が整えられた佳作だったように思います。
アニメ制作会社A-1 Picturesの柔らかな線で形作られたキャラクターの程よい緩さは作風と合致しており、お役所仕事のあるあるを交えた掛け合いは小気味よく、かように尖りこそありませんがスルスルと違和なく呑み込める作品として優秀。あと気付いた点として劇伴や演技が控え目なのが功を奏しており、キャラクターが織り成す会話その物の面白さが混じり気なくしっかり読み取れる感じだったのも好印象ですね。
物語の後半、序盤は軽佻浮薄な人間として描かれていた長谷部の一喜一憂は大変お可愛らしく、視聴のモチベーションを絶やさない構成になってるのも良し。文句らしい文句といえば、最終回に真相の開示を併せたにも関わらず関係性の結実には至らず、ギャグアニメとして賑やかとでも言うべきなあなあなオチにしている点で物語の進行度に対するその歯切れの悪さは、最終的な完成度を落としているかなと。
