愛する誰かのために
TBSの日常の中にあるミステリー大好き。こういう話の肝は、タイトルにある。
事件の面白さに触れる人がいるけど、あくまで、そこは2番手。
このドロドロしたわけではない人間関係は、どこか考えてしまう。誰が誰のために行動するのか。
塚原演出は、もう鉄板。あの黒い箱の演出、パンドラの箱を表しているかのようで、ラストに続々出てくる展開は痺れた。
キャスティングも絶妙。誰が犯人でもおかしくないようなキャスト陣。大御所感のある俳優がいない、引き算のキャスティング。
このドラマは松下洸平の良さが際立つ。最近のイケメン俳優とは違い、素朴なところが彼の良さ、かつ、大人の色気もあり、井浦新とともにメインキャストとして十分すぎる。
このドラマの良さは、事件の面白さに走らなかったこと。事件としてはくだらないかもしれないが、人間ドラマとして最高の出来であった。