Fitzcarraldo

日曜の夜ぐらいは...のFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

日曜の夜ぐらいは...(2023年製作のドラマ)
2.0
テレビ朝日新人シナリオ大賞の最終選考委員のひとりである岡田惠和脚本の連続ドラマ。

先ず第一印象だが…失われた20年とか30年とか当たり前に表立って言われている我が日本国を象徴するかのような、それぞれの登場人物が不幸せすぎる。
追い詰められギリギリのところで生活している負のオーラがドラマ全体を支配する。

現実世界で追い込まれている人が多いとして…これを見るかどうか?現実は、もっともっと悲惨だろうからなぁ…岸井ゆきの演じる元ヤンなんてコントにしか見えないよなぁ…KENTAというtattooの件も…いつの時代だよって話だし…ちょっとお洒落っぽいデザインにしてるところがまたズレてる。

昔のヤンキーは自分でカッターとかで傷つけて掘ってたから汚っねぇ字なのよ。まぁそれはいいとして…

それぞれが何かを抱えてるってんだぞっていう提示の仕方もどうなんだろうな?そんなに色つけなくても、そもそもみんな何かしら人に言えないようなことを抱えてるわけだし…言語化できないことだって無数にあるわけだし…

この子たちは裏に抱えてますよーという匂わせ方が押し付けがましい気もする。

あと…ファミレスのバイト先でババア3人が突っ立って世間話に花を咲かせてる横で、黙々とテーブルを拭く清野菜名演じるサチ。こういう描写もいつまでやるのよ?昭和で終わろうよ。さらになぜか厳しめに指図されるサチ。ン–今どきは、どこも人材不足だから、あんな風に言う上司はいないと思うけど…

黙々と仕事をこなしてシフトたくさん埋めてくれる人材なんて、どこの店も羨むと思うよ。そんな優良人材に辞められたら困るわけだから。これやっとけあれやっとけみたいな言い方はしないと思う。このへんの描写も古いんですよ。

さらに橋本じゅん演じるシフト管理する社員さんだけど…他の従業員もシフトに入りたいのに、サチばかりが入ってるから不満が出てるみたいなことを言うのだが…いやだから人はいないって!いまや配膳ロボットが大活躍してる時代だよ?わかってる?

近所のココスに入ったら、配膳は全てロボット。注文はテーブルのタブレット。水はセルフ。小一時間ほど滞在したが、働く人間は2人だけ。帰った客のテーブルの片付けと会計をする人間が1人、あとは厨房でひたすら作ってる人間が1人。これが現実だと思うけど…

サチが働くファミレスのキッチンのシーンとかやたらと人間がいたけど…オープン前の掃除に至っては、ホールだけで5人いたぞ。どんだけこの店は儲かってるのか?人件費何%占めてんだよ?

社員からされたパワハラ、セクハラの動画をネタにしてシフトをたくさん入れろ!という要求をしてるサチ。これもどうなんだろう…キャラ設定がよく分からない。

サチ
「私はキツイだけの方が楽なんだよ。何も考えなければいいんだし」

って言う人なのに?パワハラもセクハラも容認しろってことではなくて、この台詞を吐く人が、社員を脅してシフトをたくさん入れろと要求するかな?社員さんにそこまで強く出れるなら、立ち話のババアにも、ガタガタ指図する奴にも負けないのでは?


そもそもLINEの交換を拒否するようなサチが、なぜオヤキ作りではしゃいだ瞬間を岡山天音演じるミネに撮られて、その写真を共有した?そもそもAirDropを ONにしないでしょ?なんか普通に「じゃー送りますねぇ」と違和感なく当たり前に受信してたけど…そもそもなんでみんな当たり前にiPhoneなの?

スマホに送られた写真を見て、
サチ
「笑ってる…こんなの久しぶりに見た…ダメなんだけどなぁこういうの。楽しいのダメなんだけどなぁ…」

岸井ゆきの
「なんでダメなの?」

サチ
「だって楽しいと、楽しいことあると、キツイから。キツイの耐えられなくなるから。普通の人はどうか知らないけど…私はキツイだけの方が楽なんだよ。何も考えなければいいんだし…だから…ダメなんだよねこういうの。一緒にいて楽しい友達とかできると、キツイんだよ。ダメなんだよね楽しいの。余計キツクなるんだよね」

これをうるうる涙が溢れ落ちそうになりながら黙っている生見愛瑠演じる若葉の心境もよく分からないし、泣きそうな面してるミネの心境もよく分からない。

つうか、いきなり泣き出すサチが一番意味わからないけど…私が演出なら、もし本番でサチが泣き出したらカットかけるけど。ここは泣かないで下さいと…

うーむ…

岡田惠和だし、もう少し我慢して第二話も見るかなぁ?
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