地底獣国

三体の地底獣国のレビュー・感想・評価

三体(2023年製作のドラマ)
3.7
かなり強引かつ伝わりづらい例え話で申し訳ないんだが、「機動戦士ガンダム」に準えるなら、原作小説(の第一部)は最初の1クール分のシナリオ+設定資料集のようなもので、ネトフリ版は劇場版1作目を120分まで縮めたような話、そして本作は設定資料の文章をも台詞に変換してさらに「ジ・オリジン」「ククルスドアンの島」といった安彦要素をプラスしたかのような話といったところである。

なのでどうしても「長い、クドい」という印象は否めない。ビリヤードの場面に代表されるように「そこ、もうちょっと手短に進められるやろっ」という場面は結構あるし、降臨派と救済派との対立で引っ張り過ぎやし、慕星おらん方が良くないか?等々、23、4話ぐらいで収めた方が引締まったと思うんだが(ついでに言うと音楽が鬱陶しくなることもちょいちょい)。

まあでもなー、皆んな大好き大史の出番増やしたかったのは分かるし(汪淼とのバディ感もup)、原作を読み込んで「あれもやりたい、これも切れない」と思い悩んだ末(と勝手に想像)の「全部やる‼︎」という製作陣の開き直りにはある意味感動してしまう。なんせ作者自らが色々提案してきた改変のアイディアを「もっと原作を大事にしてください」って突っ撥ねたぐらいなんで。

否定的な事も書いたけど、ドラマオリジナルの場面でも汪淼の娘である豆豆との会話は全部良かったし、ソフォン開発の紆余曲折を説明するくだりは上手くやってたし、ネトフリ版でよく分からずモヤったところを補完出来たのも含め最終的には好印象(先に本作から見てたら挫折したかもしれんけど)。

そして原作の「黒暗森林」編と「死神永世」編はそれぞれ第一部の倍ぐらいボリュームあるから流石に取捨選択が要るだろうけど、あの妄想デートとか、あのお伽噺とかをどこまで映像化するのかちょっと期待してしまう(ネトフリ版は絶対そこを大幅に改変、短縮するだろうから)。
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