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いちばんすきな花のpokotanのレビュー・感想・評価

いちばんすきな花(2023年製作のドラマ)
4.2
もう脚本が秀逸過ぎて、キャストの雰囲気が最高過ぎて、素晴らしかった。
とても優しくて会話の紡ぎ方に笑い、共感出来てハッと気付かされる価値観の違い。
やっぱり好きだなぁ。
「silent」同様に雰囲気が良い。

男女の友情。
ゆくえ、椿、夜々、紅葉。
4人の出会いはやや強引ではあったけど、どんな出会い方でも、性別も年齢も関係なく、どこか大事な価値観が合って、自然体で話せて一緒にいれる関係が羨ましかった。

ゆくえと赤田の関係も素敵だった。
結婚して一緒になる人の価値観で、2人で一緒にはいられなくなるけど、やっぱり必要な存在。
それ故に1話は友情が男女であるがゆえに壊れていく様は切なかった。
9話の美鳥ちゃんを介してのカラオケのくだりはとても好きだった。
2人とも演技上手いんだよなぁ。

美鳥ちゃんも美鳥ちゃんで大変な人生を歩んできて、どの美鳥ちゃんも美鳥ちゃんで、初めて出来た帰りたいと思う場所。
2人が苦手な4人の価値観が2人が好きな美鳥ちゃんのそれぞれ過去でお互い影響して形成してきたことが今に繋がっていて、素敵だった。

間違い探し。カタツムリ。
1話見返したら、カラオケで採点してる中で【間違い探し】というワード出てて、そして夜々が傷付いた雨の中の帰る時に「カタツムリになりたい」と連呼して呟くシーンも、最終回での相撲やムラサキちゃんも、様々な会話の最初っから全体の構成を綿密に作り上げとかないとなかなかこんな伏線的な脚本書けないでしょ。
すごすぎる。

純恋もなかなかの女。
結婚するために自分の希望のキッチンのある家も借りてもらってんのに、浮気して、結婚を反故にしたくせに、面として荷物を取りに来たり、椿の想いを聞きにきたり、図々しい女。
3話の「上で遊んでなさい」は爆笑した。

ハッと気付かせられる言葉だったり、心に沁みるセリフが多かった。

また来るために忘れ物するのも、「またおいで」という言葉の安心感も良い。

「当てはまらないものって不安なんだろうね。
良いとか悪いには理由がいるけど、好きとか嫌いに理由はなくてもいいんだよ。」

最終回でのこの作品のメッセージがとても好きで、自分にとって大事にしたい言葉になった。

「好きな人たちに自分が何を嫌いなのか知ってもらったらすごく生きやすくなった。」

「男女の友情が成立するかどうか人それぞれ。」

「他人の価値観なんて理解出来ないけど、理解したいと思える他人と出会えることはある。」

「誰かにとってはゴミになるものでも、他の誰かにとっては大切なものだったりする。」

カラオケ屋でもカフェでも住宅展示場でも笑、
4人がいて本音が言える場所が居場所。

ずっとあの4人を見ていたい。
何度も観たい、とてもとても愛おしく思えるドラマでした。
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