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不適切にもほどがある!のpokotanのレビュー・感想・評価

不適切にもほどがある!(2024年製作のドラマ)
4.1
前半は、1986年と価値観と2024年の価値観の違いに笑い、どちらの良さも感じ、どちらの居心地悪さも感じれて昭和の懐かしさもある。

確かに昔は、どこでもタバコ吸ってる人いたなとか、野球部でケツバットやってたなとか。
地上波でトゥナイトでおっぱい出してて深夜にこっそり見てたなとか。
キヨシの「地上波でおっぱいが見たいんだ」は笑った。

5話のラストで、過去の小川市郎と娘の純子の行く末が明らかとなり、後半は、9年後に待ち受ける運命を抱えながら生きる2人の見方が変わってくる。
阪神淡路大震災の自分に振りかかる悲劇。
渡せなかった背広をタイムスリップした市郎に渡せて着ている姿もジーンときた。
現代と過去の対比の演出も良かった。

地獄のオガワが未来に行ったことで、アップデートされて仏のオガワになる。
ムッチ先輩がマッチ先輩になるのも最高。

ハラスメントだハラスメントだの多様性。
頑張れも言えない、主張も期待もしない、人に踏み込むことの許されない社会。
働き方改革で全員を一概にくくるな。同調圧力。
正しいことが正しいと限らない。
SNSへの警鈴。本気で向き合う場所じゃない。
1度失敗した人への見えない外部の人たちからの批判。
その人を切り取って一部分だけ見て判断しないで。
最後の、寛容になりましょう。大目に見ましょう。
まさかの最後はミュージカルで、そこにクドカンのメッセージが乗る。
ほんとに現代は寛容さがなくなってるから、どんどん生きづらくなってる。
クドカンにしては、ハッと気付き、思ってたことも代弁してくれたなかなかメッセージ性の強いドラマだった。
面白かった。
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