Rocco

私のトナカイちゃんのRoccoのネタバレレビュー・内容・結末

私のトナカイちゃん(2024年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

イギリスで話題になっているのと、尺が短いので一気見。

実話ベース。

制作総指揮と脚本を担当したリチャード・ガッドが本当に訴えたかったことは、4話以降。入口を、人の良さそうな、豊満なおばちゃん(弁護士なのに恋に落ちると言動が2歳児なみ)のサイコホラーコメディで飾っただけ。

たまたま、映画ライターISOさんのポストで、最近の映画では性描写の割合が4割減ったが、その分内容がより生々しくなったという記事を見ていて、ああ、これは最近みた『異邦人』と当作品に当てはまるなと思った。英国人は変化を起こすのに長けていて、これもその足掛かりになる作品だと思う。
恐らく作者の体験を公に出来たのは、グルーミングの相手が亡くなったのではないかな。実名で、公開作品のなかで、フィクションの隠れ蓑をまとわせながらも、告発を果たしている。恐らく被害者はもっといるだろう、業界人だったから。

薬漬けで人間の尊厳をとことん失わせ、自暴自棄になり放蕩生活にふけったり、セルフハームや自殺(彼は愛する家族がいて助かったけど・・・というか父親がまさか体験を共有できるなんて)に向かわせたグルーミング&レイプ。近年浮上した大きなニュースで日本でも看過できない事件になったけど、日本の場合は未だに隠蔽と、臭いものに蓋をする主義で処罰が甘く、むしろ世間の批判が被害者に集まったりする。権力者に甘すぎる。

マーサがストーカーなのに、自己肯定してくれる相手がどうしても必要だったのと、過去のおぞましい体験がバレる恐怖から警察の助けを得られなかった・・・というくだりは、某芸能事務所で何度も女の子絡みで写真雑誌にのる破目になった某タレントを想起させる。

イギリスでは、グルーミングの相手がだれかということに注目が集まっている。映画の設定からまったく別の人間が責められてるらしいけど、テレビ作家のリチャード・オスマンが、「役の設定はすべてフィクションだから今話題の人物はまったくの無関係。だが外見については本人そっくりの役者を据えたから、関係者には判る」とハロー・マガジンのインタビューで述べていた。

・・・・・・・・・・・で役者の写真を改めて観たのだけれど、

ジミー・サヴィル???

辛すぎる内容だけど、実名告発したリチャード・ガッドへの敬意と多くの人に見てほしいゆえスコアを上げました。隠れて苦しんでいる人が救いを得られますように。
Rocco

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