カズミ

アンという名の少女 シーズン1のカズミのレビュー・感想・評価

4.3
母親が好きだったこともあり、アンには幼少期から馴染みがある。世界名作劇場や歴代の実写映画に比べると、本作の映像のトーンは些か低いが、全体を通すと不思議と暗さはなく、個人的にはむしろ一番ファンタジックさとリアルのバランスがちょうどよく感じた。

言葉で語られるに過ぎなかったアンの壮絶な生い立ちをフラッシュバックで挿入することで、彼女の心情をより深く理解でき、人並外れた想像力が養われた背景やそれによって乗り越えてきた事柄が一体いくつあるのだろう、と考えては胸が痛くなる。
気の強さは相変わらずで、躁鬱の気があるほど感情もジェットコースター並みだが、シニカルな切り替えしと何事にも真っ直ぐで懸命な姿は見ていて憎めない。

現代風な原作の改編も見られたが、それも総じて違和感なく、押し付けがましくない程度にメッセージが込められている。
御伽噺のようで、現実的な、シビアでいて、でも温かい、人間味の感じられるアンの物語が心地よかったので、次のシーズンも楽しみです。
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