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ファルコン&ウィンター・ソルジャーのkecojiのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

サムのナイスガイ笑顔が堪能できる。

キャプテンアメリカをキャプテンアメリカたらしめるのは志であることが、最終話のサムの言葉でわかる。あの瞬間、ファルコンがキャプテンアメリカとなった。泣いた。

エンドゲームでめでたしめでたしではなく、難民など新たな複雑で解決の難しい問題はおきつづけることをしっかり描くことは誠実でいいと思う。MCUっていう長く共有の世界を描きつづけられるシリーズならではだし、いつまで続くのかはわからないが成功してるのは奇跡的に思える。
エンドゲームで世界を救ったはずのヒーローたちにも、身内の金銭問題とかしみったれた現実や過去のトラウマとの戦いがあることを描くことも誠実でいいけど、少し退屈にも見えた。しかし、そうしたスカッとしない話をできるのもドラマシリーズならではと言えるかもしれない。サムとバッキーが仲直りして船を直すところかわいかった。

usエージェントこと、ウォーカーくんは失敗の仕方が、プレッシャーに負けて血清打ったりプライドが肥大化していく感じは典型的な失敗の仕方がしてもうちょっとひねりが欲しい気がしたけど、サムとの人格の比較となるわけだから仕方ないか。
単純さがウォーカーの良さでもあるけど、そのまんま、usエージェントとして、悪そうなお姉さんに使われるのではなく、ヒーローになるにしろヴィランになるにしろ、精神的な成長を見せて欲しい。

複雑な社会情勢を巧みに入れ込む姿勢は素晴らしいし、キャプテンアメリカ誕生の物語なので仕方ないけど、アメリカ中心主義すぎるというか、世界中の国で治外法権に暴れるアメリカ合衆国=キャプテンアメリカへの批判的な姿勢ももっと取り入れていって欲しい。
ウォーカーが軍人としてアフガンで何か良からぬことをしたことがセリフで示唆される。アフガン戦争などで見せてきたアメリカの傲慢さは、ハリウッドのスーパーヒーロー映画でスーパーヒーローがその正義のために世界中を無茶苦茶することに重なる。

マーベルはもはや世界中の子供たちのヒーローなのだと思うので頑張って欲しいな。
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